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12月8日はジョン・レノンの命日

 クリスマスが近づくと、「ハッピークリスマス」のメロディーがどこからか聞こえてくる。

 「ハッピークリスマス」Happy Xmas (War Is Over)を歌っている元ビートルズのジョン・レノンは1980年12月8日に、熱狂的ファンを名のる男に射殺された。
 世界中の多くの人に記憶されているジョンだが、本人にとっての人生はどうだったのだろう。

 昔、なけなしのお金をはたいて、ジョンのアルバム(なつかしのLPレコード)、「サムタイム・イン・ニューヨーク・シティ 」Sometime in New York Cityを買った。ジャケットには英字がちりばめられて、これぞニューヨークって感じで、田舎の少年にはかっこよかった。

 何回か聞いた後、当時つるんでいたMに、「貸して」と言われ貸した。Mはちょっと気弱そうで物静かな男だった。その彼が初めて彼女ができたとうれしそうに話し、その彼女と車でドライブをしているときに事故にあい、命を落とした。彼女の命だけは助かった。それだけが救いだ。
 そんな彼の短い人生はどうだったのだろう。
 俺はアルバムを貸したままだったが、息子の死で泣き続けている両親に、実は……と言えず、アルバムは半世紀もそのままになっている。
 人の死なんて、いつどこであるのかわからない。
 Mは、最期に彼女と一緒にいられて幸せだったのだろうか。いや、幸せだったのだろう。生き残った人間は、そう思うことで明日を生きていける。
 ジョンのこともMのことも、その他たくさんのなくなった人たちのことは、いつも胸の奥に残っている。

 ビートルズの曲は今でもテレビでよくかかる。テレビの制作の人に、ビートルズが好きな人がいるのだろう。
 今の俺の水曜日の楽しみとなっている、テレ東「家、ついて行ってイイですか?」でもビートルズの「レット・イット・ビー」が流れる(「あの素晴らしい愛をもう一度」を作った北山修・加藤和彦がいたフォーク・クルセダーズの「悲しくてやりきれない」も流れる。制作のトップがその世代の人なんだろうな……)。

 ビートルズで、「ヘイ・ジュード」Hey Judeは、ジョンが家族を捨て、オノ・ヨーコと一緒になり、寂しがっていたジュリアン・レノンJulian Lennonにポール・マッカートニーが送った歌だと言われる。Judeは、元はJulianで、ジュリアンに呼びかけているといわれる。ヨーコと出会ったジョンの人生だけでなく、父がいなくなった息子ジュリアンの人生も変わっていく。一つの曲には歴史がある。一人の人には歴史がある。

 「家、ついて行ってイイですか?」が好きなのは、いろんな人の人生が見られるから。名もなき人の人生に興味を覚える。単純に面白い。

 テレビ局だから、無理矢理他人の家に入っていくことが多い。
 勝手に押し掛けるのだが、そのことによって救われる人も多いように思う。人生を語ることによって救われることがある。
 過去の重い重い思い出を、ぽつりぽつりと語る人は、テレビ局の人が帰るときには、なぜか晴れ晴れとした顔をしていることがある。放送されているのは、そういう人の映像が多い。重い過去を持った人が多いけれど、語ることによって心が洗われたのかもしれない。
 以前、メインのインタビューを受けているアイドルの女の子の友だちとして、今のように売れる前のファーストサマーウイカが出ていた。ブスッとして闇を抱えているような顔の無口の少女が、今の毒舌キャラのウイカだった。そんな別の一人の人生の変化も、副産物として知ることができる。ついでにウイカは、中学生のときに「笑ってコラえて!」の「吹奏楽の旅」にも出ていた。

 不思議で面白い名もなき人々の人生。


 野次馬根性丸出しかもしれないが、他人の人生を知ることによって、見ている自分の人生も洗われたような気になることもある。

 ジョンの歌が誰かを救うかもしれない。自分の人生を語る名もない誰かのnoteが今日も誰かを救っているのかもしれない。

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