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春の色

 新年度が始まり、怒濤どとうの1週間が過ぎた。
 ふと見ると、スイセンの花が枯れている。いつ咲いたのだろう。

 咲いていた時を知らないままに枯れていた。
 横にはまだ花をつけている別の種類のスイセンがあった。


 町には桜が満開で、山を見ると、ピンクの桜の花ではなく、白いコブシの花が咲いている。
 コブシとはいうものの、神戸の六甲山系では、コブシの花よりも小さいタムシバの花が咲く。その花が山の斜面にぽつぽつと咲いている。
 六甲山の春。


 子どもの頃の景色とは違うこの景色を見ると、杜甫の詩「絶句」を思い出す。

 そうか。去年も同じようなことを書いていた。


 春の景色がどんどん変わっていく。
  今年の春も過ぎていく。

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