マガジンのカバー画像

ジオヒス☆ エッセイ

14
地球という空間(=地理)のもとに、時間という長い歴史があって、全て存在していますね。世界中のあらゆる場所のジオグラフィーとヒストリ―を解いて、「今、ここ」に生かしていきたいです。
運営しているクリエイター

記事一覧

韓国との出会い

今日韓国では、独立運動記念日。 8月15日の光復節(終戦記念日)同様、昔は日本語を話すことさえ躊躇われた日でもありました。 こんな日だからこそ..... 2015年10月に慶尚北道 漆谷郡主催の歴史文化ストーリーテーリング全国公募展で、日本人初優秀賞を頂いたエッセイをアップしておきます。 「近くて遠い国」ではありますが、2重国籍を持つ子どもたち始め..... アジアそして、世界の子どもたちのために..... 世界がより希望的な関係性を構築できるよう、そのためのお手伝

有料
100

ソウルⅠ

「首都」と呼ばれる場所は、人から勝手なイメージを押しつけられる。 私は長い韓国生活の中で、ソウルに対するイメージを一方的に創ってきたようだ。ソウル駅の裏口から公徳(コンドク)洞に行くまでのタクシーの中で、そう思った。 「ここもソウル?」 今まで私は、何度ソウルを訪れただろう。 その度ごとに自分の持っていた勝手な「首都」のイメージと、大邱から来た慶尚(キョンサン)道の「おのぼりさん」アイデンティティーで、この地と出会うことなく、ただ通り過ぎてしまっていたのだ。 6.25戦

有料
100

北海道

           上 日本人はもちろん、海外でも。 人生の中で、一度は必ず訪れたい「あこがれの地」北海道。 私が北海道という存在を知ったのは、小学生の時だったと思う。 国語の教科書か、それともテレビのコマーシャルだったのか、クラーク博士の「少年よ、大志を抱け!」という、名言との出会いから始まる。 それは同時に「ボーイズビーアンビシャス」という英文の音として、暗記されていた。今考えるとこの一文章は、人生の中で始めて出会った英文かもしれない。 またその時「なぜ少年なの?

有料
100

東京

海外から東京に戻る時、いつも思うことがある。 「やっぱりここは、世界の東京だなぁ。」と。 神奈川県川崎市高津区という東京近郊の住宅街で生まれ育った者にとって、人の多さに酔ってしまうほどの息苦しい東京と、その人たちが散らばり潜む東京近郊の街なんかは、脱出しなければならない場所にしか過ぎなかった。 そんな当時の若さというのは、単に東京と東京近郊からの脱出程度には治まらず、国外脱出作戦にまで至りそれを達成させてしまった。 その枠からの開放感の中、現地に必死に適応しようと毎日

有料
100

関西(大阪・京都)

                      上 あれは、15年ぐらい前だろうか。 大邱(テグ)空港から大阪往復の飛行機が飛んでいたのを、覚えている。 しかし利用客が少なかったせいか、一度も経験することなく、無くなっていた。 韓国で第3の都市といわれる大邱の空港は、その時から中国にしか行けない国際空港になってしまった。 しかし2015年4月から、LCC航空会社が大邱—大阪間を就航するようになった。ちょうどこれは、車で釜山まで行く時間内に、大阪へ着いてしまうのだ。 遂に大邱と

有料
100

金海 伽耶

大邱(テグ)から清道(チョンド)に向かう道は、 山の懐に抱かれるように吸い込まれて行く。 同時に空気が澄んできて、冬の寒さを確認できる。 冬は冬らしく、寒くなければならない。 そうすれば初春の暖かさに、心を踊らせることができる。 今回の冬は、通算一週間程度の極寒以外は暖かかった。話によると東京では、2月の初めに桜が咲いてしまうほどだ。もう3月に入ろうとしている清道(チョンド)は、春を感じさせつつも、冬の冷たさも共存させる。 場所の力は、偉大である。 そして、そん

有料
100

沖縄

愛する沖縄のために・・・(2019年10月31日) 今年の2月7日~11日に、がん闘病明けの韓国の友人と二人で沖縄に行ってきました。長い間心に留めていた沖縄行きがやっとかない、戻って来てからその想いをエッセイに綴らせて頂きました。 今回のエッセイは、地理編と歴史編で分けてみました。 素敵な「沖縄」を共有させて頂けたら、光栄です。 =============================== はじめに 「世界や日本の地域の中で、どこが一番好きですか?」 こんな質問

有料
100

九州(福岡・宗像)

この手記から、歴史全般を考えるようになりました。 歴史は、「文献」をもとにした「歴史学」と、文献のない時代の「モノ」をもとにした「考古学」に分かれていたんですね。 特にこの福岡からは、モノが語ってくれる「古代」に入りました。 そしてそれは、「海」にヒントがありました。             上 歴史とは、何だろうか。 中でも特に、古代とは何か。 私にとって古代は、竪穴式住居に獣の皮を身にまとい、今日1日の食料を確保するために狩猟採集しながら、日々同じ生活を繰り返し

有料
100

ソウルⅡ 母の国

日本の大学に進学し、現在その大学院に通いながら働いている娘が、明後日6年ぶりにこちらの家に戻ってきます。 こういう時にこそ、もう一度。 母とは何か。 母とはどうあるべきか。 そんなことを想いつつ、2年前に書いたエッセイをここに綴っておきます。 ================================== 一月中旬、東南アジア3か国の訪問を終え、仁川空港に戻った時だった。 「今日のソウルは、体感温度がマイナス25度だ。」という。 わからない。 どう想像して

有料
100

台湾 Ⅰ

           はじめに そもそも、一般人が一国を語るなど、大変おこがましいことです。 私は若い頃、経験主義者を名乗っていたので、じっくり机に座って本を読んだり勉強したりすることは、大変苦手でした。 しかしあるきっかけから、「なぜ?」という疑問が「なるほど!」という答えになるまでの「過程」にハマり、それが楽しくなってしまいます。 それは幼い頃「なぞなぞ」を解いた時の、あの爽快感のようなものです。 気が付いてみれば、疑問が疑問を呼んで、もしくは、勝手な妄想が妄想

有料
100

台湾 Ⅱ

今日、数十年前に生を受け.... そして人生で3度目の訪台を終えたことを記念して.. もう一つの「台湾」を、アップします。  注: 1)「はじめに」と「1 銀杏の木」は、「台湾 I 」とまるっきり同じです。「2 訪台(台北)」から違いが出てくるので、そこから読まれてもいいかもしれません。 2)「台湾 Ⅰ」は「国家」を意識して書き、「台湾 Ⅱ」は国家を一切なくし、「自然」を意識して書きました。                   はじめに そもそも、一般人が一国を語るな

有料
100

横浜

パソコンを整理していたら、以前書いた手記「横浜」が出てきました。 一応マガジン「ジオヒス☆エッセイ」の仲間入りをさせるために、こちらにもアップしておきます。 「横浜」   1、まえがき さわやかな海風とともに、温かい日差しと淡い潮の香りが一瞬通り過ぎる。この「横浜」という言葉の音と雰囲気は、そんな瞬間を運んでくる。 川崎市の住宅街で育った私にとって、横浜は隣接の都会であり「青春」だった。 そういえば人生で初めて買った薄紫色のアイシャドウは、横浜の地下街で見つけた。高校

有料
100

アジアの中の日本 シンガポール編

ここ数日間、森林の緑に包まれたタイの柔らかい空気の中に、どっぷり漬かった私にとって、シンガポールの空港の原色のネオンの輝きは、まるで全身に突き刺さるかのようで、思わず「痛い!」と声を出してしまうほどだった。 ちょうど農業社会から産業社会へと、人類文明の何千年間をタイムスリップしたようだ。 足を一歩踏み入れた時の、シンガポールの第一印象はそうだった。 そしてまた、「では何故、地理的にも近いタイとシンガポールでは、こんなにまでも違うのだろう。」という質問が自動的に浮かび、脳

有料
100

「疑問」との出会い

このエッセイは約2年前(アメリカのトランプ大統領が当選する2日前)に、自分自身の整理のために書いたものです。 マガジンにアップするために「ヌリ路」開発の秘話として、一応あげておきます。 ================================= 人生はどんな疑問や質問と出会うかによって、変わるようです。 私はここ一年半に出会った連続的な「疑問」によって、人生がまるっきり変わりました。それはそれらの「疑問」によって得た「答え」や明確な「方向性」が、私を居てもたっ

有料
100