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祖母とミーコ

「ミーコや、ミーコ。」

 祖母の家のねこの名前は、ミーコだった。その名前は、祖母が私を呼ぶ時の名前と同じだったので、いつも私は「おばあちゃん、私のこと?それともミーコ?」と、聞いていた。

 夏休みのほぼ1か月間は、田舎で過ごした私にとって、祖母の思い出の中にはミーコがいる。大好きな祖母と、同じ名前のミーコに会える夏休みは、とても待ち遠しかった。

 田園広がる大自然の中は、都会ではできない遊びでいっぱいだ。畑の横の小川では従兄妹たちと小さな魚を捕り、田舎の大きな庭では世界地図を棒で書いて、世界一周のまねごともした。だから夏休みが終わる頃には、真っ黒に日焼けをしていた。

 思いっきり遊んだ後のおやつは、採りたての野菜だ。特に祖母が育てる六月柿は瑞々しくて、とても甘い果物だった。これが私の大好物だ。

 あれから六月柿を見る度に、祖母のことを思い出す。そしてその横には、いつもミーコが寄り添っている。

 




拙い文章を読んで頂いて、ありがとうございました。 できればいつか、各国・各地域の地理を中心とした歴史をわかりやすく「絵本」に表現したい!と思ってます。皆さんのご支援は、絵本のステキな1ページとなるでしょう。ありがとうございます♡