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10月28日 兵庫ブルーサンダーズ 仲瀬貴啓

悔しい

最後の試合は12対1。2安打に抑えられた。開幕7連敗やコロナの影響による活動休止など、様々なことがあった今年の兵庫ブルーサンダーズ。球団史上初のリーグ最下位となった。

「自分も怪我があって苦しかったですけど、それ以上にチームが勝てなくて苦しかったです」

そう振り返ったのはキャプテンの仲瀬貴啓。

「オープン戦でチームの調子が良くて『これでいけるな』と思っていたんですが、そのあとに開幕7連敗。負けた時にどうしていけば立て直せるかとか、そういったことを考えてなかったのがよくなかったのかなと思いました」

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(オープン戦でホームランを打ち、走る仲瀬)

若い選手が多い中、勢いが続かない。チームを引っ張る苦労もあったと思うが「キャプテンとしていい経験ができた」と仲瀬は振り返った。

「本当は今年で終わるつもりだったんですが、来年、やり切って終わろうと思います」

心残りは二つある。一つは10月26日のドラフト会議の事だ。

「小山(一樹)ほどの選手が指名されないということは、リーグ自体が『格下』と思われているからだと思う」

ドラフト会議中、ずっと隣の席で声を出し、小山を励まし続けていたのが仲瀬だった。小山の実力も人柄も知っているからこそ、指名漏れが納得がいかない。自分たちの力の無さを思い知った。

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ドラフト会議後に橋本大祐監督が「それぞれが努力してレベルアップしないと現実は難しい。そこ(NPB)を目指すのであればたどり着けるように個々の力をあげていかないと」と選手に話した。永山英成コーチも「リーグ全体の力をあげていかないといけない」と話していた。

「堺の大西監督が『リーグのレベルが低い』ということをTwitterに投稿されていましたが、まさにその通りだと思っています。もっとリーグ全体の力をあげていかないといけない。格下だと思われたくない。そしてリーグの手本になるチームを作りたいです」

そしてもう一つはチームの事だ。
「今年の悔しさを爆発させることができたら強いチームを作り上げることができると思います。来年の目標は完全優勝。NPBが一人二人とかではなくたくさんの選手に注目するチームにしたいです。そして今季堺にはとことんやられましたが、絶対やり返します。『倍返し』です!」

そばにいた濱田勇志と柏木寿志も言う。
「絶対来年はやり返します」「見ててください。レベルアップします!」

野手最年少の柏木が「僕がチームを引っ張る」と言えば、仲瀬は「お前にまだ引っ張らせへんわ!」と息を巻く。
「柏木、言うだけやったらアカンぞ!」「絶対行動に移しますよ!」「じゃあ見本になるようにまずベンチのごみ拾いからや!」「はい!」

仲瀬も、濱田も、柏木も、目が光っていた。
最終戦もつかの間、また練習が始まる。この日で2020年のシーズンは終わったが、来年の「倍返し」に向けて、熱い思いを持って戦いが始まっていく。

そして仲瀬の「4年目」が始まる。

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(文・写真 SAZZY 2020年10月28日)

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