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【和歌山ファイティングバーズ】松本聡の11年~貪欲に突き進んだ道~

11年目のシーズン

2012年に17歳で独立リーグでのキャリアをスタートさせた松本聡。

2014年から姫路GoToWorld、兵庫ブルーサンダーズ、堺シュライクス、そして和歌山ファイティングバーズと、さわかみ関西独立リーグ内で4球団を渡り歩いた。海外に挑戦したこともあった。11シーズン目で引退を決意した。

「未だに成長は感じるんです」と松本は言う。
「でも僕がいることで他の選手が試合に出れないとなるとよくないですし、どこかで区切りをつけないととは思っていました」

三塁打を放ちナインにアピールする松本

今季は全試合に出場し、昨年より打率を7分ほど上げている。オープン戦では満塁ホームランも放ち、26打点はチームトップ。シーズンの大半で4番として出場しチームを支えた。チームの主軸として、精神的支柱として試合に出続けたシーズンだった。

松本の背中

松本と言えばどこにいてもわかるぐらい元気で声の大きい選手だ。
ベンチからでも、定位置のサードやファーストからでも大きな声で場を盛り上げる。
もちろん練習も率先して行う。その姿を川原昭二監督が頼りにしていた。

練習でバットを振る松本。後輩たちへのアドバイスも惜しまない

そんな松本の姿を見てチームメイトたちも声を出したり、色々な形でベンチを盛り上げるようになった。

7月10日にはベンチに松本の応援タオルが出現した。

さとにぃ(松本聡)よくみると「和歌山ファイティングバーズ」のスペルが間違っている

タオルを作ったのは竹鼻優斗だった。「5,000円で自腹で作りました。聡さんにはお世話になっているし、プレゼントで作ったものでした」

この試合で松本は延長10回にサヨナラヒットを放った。

堅木大輔と榎本隼人に祝福される松本

前の打席では満塁のチャンスで併殺に倒れていた。
「決めきれなかったので深谷(力)と次の打席では二人で点を取ろうと話していました」
松本の前を打っていた深谷がその言葉通り二塁打を放ち、松本が試合を決めた。

優勝したかった

「一回でいいから優勝したいんですよね」
事あるごとにそう漏らしていた。これまでの野球のキャリアで優勝したことがまだ一度もなかった。

「姫路の3年間は全部最下位で、兵庫は僕がいたときだけ2位で、堺でも最下位で。だから何が何でも優勝したいんですよね」

堺時代の松本

今季もシーズン中盤から堺が独走するなど少しずつ差を広げられた。マジックがついても諦めていなかった。

「あと残り試合全部勝ったらまだ優勝できる!全部勝つぞ!」

そういってチームメイトを鼓舞していた。誰よりも勝つことには貪欲だった。その姿勢は最後まで崩さなかった。


2020年、何とか出塁しようとヘッドスライディングを試みた松本(ただし余裕でアウト)

11年を振り返って

野球を通して様々な経験を積んできた松本。
リーグ戦以外でも、選抜チームにもたびたび選出された。

「11年間で一番印象に残っていることは巨人の杉内(俊哉)からタイムリーを打ったことです」

選抜戦では持ち味の勝負強さと右方向へのバッティングをいかんなく発揮した。

2020年の巨人戦。バットを折りながらヒットを放つ松本

引退後は和歌山県内でスポンサー企業に就職する見込みだという。
「引き続きファンとしてファイティングバーズを見ていきたいなと思っています。まだまだ才能ある選手が来年も残るんで楽しみに見てほしいです!」

11年間の経験を糧に松本は次の道に進む。

(文・写真 SAZZY)

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