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10年10万kmストーリー 第20回 ホンダ・アヴァンシア V6 3.0(1999年型) 7年10万2000km

他人が知らない喜びを見出したい


 ホンダの魅力は、ふたつあると思う。
 ひとつは、スポーティでレーシー、若々しいところ。S500から現行NSXに連なるスポーツカーやスポーティなクルマの系譜だ。また、1964年から何度も続くF1グランプリへの挑戦などだ。これらは誰でも認めるところだろう。
 もうひとつは、それまで無かったジャンルのクルマを創り出すところだ。N360しかり、初代シビックしかり、初代オデッセイしかり。
 ヒットしてモデルチェンジを重ね、他社からフォロワーまで現れるクルマもあれば、残念ながら続かなかったクルマもある。最初だけで終わってしまうのにはどこかに理由があるのだけれども、明らかに時代に対して登場が早過ぎたものもあって、もったいなくもあり、そこがホンダらしくもあって愛おしくなってしまう。
 エディックス、エレメント、ドマーニ、コンチェルト、アコード・エアロデッキ……。いずれも現代に登場していたら独自の存在感を発揮していたのではないだろうかと惜しみたくなるクルマがたくさんあった。
 アヴァンシアもそんな一台だ。セダンでもなく、ステーションワゴンでもない。ましてやSUVやミニバンでもない。独特のカタチをしている。走行性能やメカニズムなどをうかがわせるものは、パッと見ただけではわかりづらい。でも、いいクルマだった。何度か運転した記憶も薄れ掛けてしまっているけれども、僕は良い印象を持っている。

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