見出し画像

10年10万kmストーリー 第33回 ロータス・エランS2 (1965年型) 21年距離不明 ヒビ割れは愛着の痕跡



 東京の新宿に世界堂という大きな画材店があって、地下が駐車場になっている。
 この店で、ミャンマーで購入した絵の額装を頼んで帰ろうとしたら、赤いロータス・エランが入ってきて、駐車スペースに停まった。
 エランを見るのは久しぶりだったから思わず見惚れてしまった。エランで画材店に来るなんて、どんな人なのだろうか?
 降りてきた男性ドライバーに声を掛けてみた。気さくに応じてくれ、エランは20年以上乗り続けているという、1965年型のシリーズ2だった。
 彼も用事があってここに来たのだろうから、長く引き止めてしまうのは申し訳ない。連絡先を教えてもらい、後日、メールをやり取りして、会ってくれることになった。
 待ち合わせ場所のコインパーキングには他にクルマが停まっていなくて、だだっ広い空間にエランの小ささが余計に際立っていた。

ここから先は

4,112字 / 8画像

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?