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10年10万kmストーリー第30回 トヨタ・ランドクルーザー プラド(1996年型)18年28万6000km 同姓同名の人が乗り続けている本格SUV

 自分と同姓同名の人と会ったことがありますか?
 僕は、ついに先月、会ったのです。それも漢字まで一緒の金子浩久さん(51歳)。
 最初は、同姓同名の人だとはわからなかった。自分のFacebookの投稿に、自分が間違えて“いいね!”を付けてしまっているものだとばかり思っていた。
 投稿のたびに“いいね!”が付くので、さすがに「まさか!?」とは思いながらもプロフィールを覗いてみると、ぜんぜん知らない人だった!
 今まで、いろいろなことに驚かされてきたけれど、この感じは初めてだった。さっそくメッセージ送信と一緒に友達申請を行うと、すぐに承認された。返事もすぐに来た。なんと、僕の『10年10万kmストーリー』と『セナと日本人』の2冊の本を購入してくれていることもわかった。
 なんという偶然。いや、偶然なんてものではなく、奇遇、僥倖。同姓同名の人が本まで買ってくれている、ありがた〜い読者さんだったのだ。

 重ねてお礼のメッセージを送ると、クルマのメーターのアップ画像が送られてきた。距離計の数字が、なんと300000。30万キロ!
「H8式のHZJ78のプラドです」

「金子さんが走られた30万キロなのですか?」
「親父が新車で買って5年2万キロ乗って、私が引き継ぎました」
「それでも、28万キロじゃないですか!スゴいですね。ぜひ、僕のライフワークである“10年10万kmストーリー”に登場していただけませんか?」
「えっ!? いいんですか?私は構いませんが、映えないと思いますよ(笑)」
「いえいえ、お父様から引き継いで30万キロを超えられたという事実だけで十分に映えていますよ。僕と同姓同名ということと併せて(笑)」
 そんなやり取りが続いたのちに、新幹線に乗って西へ向かった。駅に迎えに来てくれた金子さんとは初対面のはずなのだけれども、そんな気がしてこない。立派な体格で、鼻の下と顎にヒゲをたくわえていて貫禄がある。
「カネコさんと呼んだらいいのか、それともヒロヒサさんがいいのか。気恥ずかしいですね。ハハハハハハ」
 そう切り出したのは僕なのだが、金子さんが口にしてもおかしくはないセリフだ。オヤジふたりで何を照れているのだろう。キモチワルイ。

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