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短歌

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短歌 #40 音

短歌 #40 音

ふと漏れる息ひそやかに告げているふたりの道の二つある事

知らぬ間に傷つけていたわたしにはサバの痛みが分からなかった

いてうた2022

いてうた2022

ここのところ毎年参加している、Twitterでの短歌企画『いてうた』に今年も参加いたしました。すっかりnoteでの宣伝を忘れていました。

企画者は泳二さん。

無事企画も終わり、ネットプリントでの配布は終了しましたが、noteではダウンロードできます。よかったらご覧ください。

今年のテーマは「数」です。
私が提出したのは下の2首。

さて、泳二さんと言えば、年末年始はカウントダウン短歌。

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理不尽とどうにもならない悲しみが私を世界の中心にする
#短歌 #孤独

ひとりまたひとり旅立つ冬の朝掃き清めらる寺の庭先


今日から3日間面談期間に入るのでお弁当は今週はここからお休みとなります。どなた様も寒さなどにお気をつけて。
#短歌 #つぶやき

短歌 #39 「いてうた」に参加

短歌 #39 「いてうた」に参加

去年も参加して、まとめて頂いたものを印刷してニヤニヤしていた私ですが、今年も性懲りも無く参加。11月14日まで何度でも投稿していいそうなのでいて座の方はハッシュタグ「#いてうた」をつけて参加されたし。今年のテーマは「色」です。

暗がりに浮かぶ輪郭一瞬で飛ばすHIDの眩惑きみは今幻の雪を降らせてるさよなら世界と伝えるように日いちにち澄みゆき冷たくなってゆく空気に耳と鼻先染まる

他にも作ったのだけ

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短歌 #38 句またがってみた

短歌 #38 句またがってみた

いつも誰かの悪口言ってるやつどうしたんだ闇に落ちたのか

馬鹿なやつ馬鹿なやつ馬鹿なやつ馬鹿なやつって言ってるおれが馬鹿

まただおれに言ってるっぽい内容の言葉は空にこだましてる(むなしくな)

こんな座りの悪いおれの歌なんかをきいてくれんのかあんたは

むかし先生に句またがりはやめとけって言われた覚えてたんだ

短歌 #37 散る

短歌 #37 散る

悲しいことがあっても開かないし雲散霧消したし卒アルは

この夏の記憶は散ったキンカンも灼けるアスファルトの匂いもなし

体から立ち上る湯気冷ましつつ目蓋の皮膚の薄さを思う

散逸と散会と散る花びらとどれがいちばんこよないものか

さいはての前人未踏の場所に咲く見たこともない百合が満開

短歌 #36 根雪

短歌 #36 根雪

かなしみの記憶は薄まりゆくけれど決して消えずに根雪になりぬ

君の声や姿や匂いは無に帰して思い出すのはただ言葉のみ

青春のきらめきみたいな夢を見た鏡の中の老婆と対峙

白菜の漬物みたいな人生ね重石の下で酸っぱく居ます

さよならとこんにちはとのミルフィーユ最下層のは誰も知らない

短歌 #35 わたしを好きなおんなのこ

短歌 #35 わたしを好きなおんなのこ

好きですと可愛い君に言われたら私も好きと言えばいいのか

2秒間じっと見つめて目をふせるオシロイバナの匂いの記憶

スカートがヒラヒラするの嫌なんです誰も知らない国に住みたい

制服のおしつけがましいジェンダーにさよならすれば虚ろな私

さようなら狭い校舎に清い日々私も髪を伸ばしてみます
#短歌 #百合 #わたしを好きなおんなのこ

かなしみってきえないねなかなかねどう過ごしたらおさまるだろう
#たんか #tanka #短歌