えねるげいあ
毎回50音順に「あ」〜「ん」一文字づつを頭文字にした言葉を題材に金城昌秀が好き勝手綴っていく。
金城昌秀の「ひとくちづつあ〜んしてね」
第4回目の今回は「え」から始まるテーマ。
「えねるげいあ」
「えねるげいあ」というのは
愛はズボーンの新曲のタイトル。
この曲のタイトルでもある謎の言葉「エネルゲイア」
以下、ウィキペディアより参照
エネルゲイアとは、アリストテレスによって提唱された哲学用語。現実態と訳される事もある。
可能的なものが発展する以前の段階であるデュナミスが、可能性を実現させた段階をエネルゲイアとアリストテレスは呼んだ。例えば種子と花を例とすれば、まだ成長していない種子はデュナミスであり、その種子が花となった段階はエネルゲイアということである。さらに可能性を完全に実現して、その目的に至っている状態のことをエンテレケイアと呼んだ。
なんのこっちゃ？解説を読んでもわからないことばかり。哲学用語の本当の意味を知るのは大変難しい。
「難しいから面白い」
そういう考えが無ければ哲学なんて楽しめない。
「エネルゲイア」について調べていくうちにわかりやすい例えがあったのでそれを更にわかりやすく簡単に説明する。
まず、「エネルゲイア」というのは"状態"を表している言葉。
"今成し遂げている状態"と"今なしつつある状態"が同時に起きている状態の事。
例えば、今あなたは山に登っているとして、
「登頂」を目的とする場合は「エネルゲイア」ではない。
山の山頂にたどり着く事を目的としている場合、その過程はまだ「登頂」していないからエネルゲイアな状態ではないのだ。
一方、
目的を「登山」にすることによりそれはエネルゲイアな状態と化す。
過去や未来に"目的達成"があるのではなく、常に"今達成してる状態"の事を「エネルゲイア」と呼ぶ。
"夕日を見る"はエネルゲイアで"ボールを投げる"はエネルゲイアではない。
"ボールを投げる"は投げた瞬間に"ボールを投げた"に変わるからエネルゲイアじゃないんだね。
ぼくはこの言葉の意味を少しづつ理解した時にえらく感動した。
そして、
子どもの頃から考えていた「アリとキリギリス」というお話の疑問点に重なるものを感じたのだ。
夏の間アリたちは冬に備えて食料を集める為、せっせと働き続ける。それに比べてキリギリスはバイオリンを弾きながら歌って夏を過ごすのだ。
そして迎える冬。
キリギリスは食べるものがなくてアリたちに乞う。アリたちは「夏に遊んでばかりいるからそんな事になるんだ。」と説教した後、結局キリギリスを助けるんだよね。（キリギリスがそのまま死んでしまうパターンのエンディングもあるみたい！）
どうですか？アリとキリギリス。あなたはどっち派ですか？
ぼくは断然アリ派だし、子どもの頃はキリギリスをそのまま見殺しにしてしまえばいいとまで思っていました。
だけど、"今を生きている"つまり「エネルゲイア的生活」を送っているのはキリギリスなんだよね。
「エネルゲイア的生活」を送っている人ってすごく魅力的だし誰もが憧れる生活なんだよね。
ぼくはずっとアリ側の人間だった。
「真面目なやつ程バカを見る世の中」
が憎くて仕方なかった。
中学の頃人に迷惑ばかりかけるヤンキーたちには最終的にバチが当たればいいと思ってた。
でもね、そんな事ないんだ。あの頃ヤンキーだった人たちも今、アリ側になって真面目に生活してたりするんだよね。
本当はそんな生活しなくていいのに。
ぼくはこの事をいろんな人に伝えたくて歌を作ったんだ。
"大学進学のために勉強する"から勉強が嫌になる。
"出世するために努力する"から努力をストレスに感じるんだ。
アリ側のぼくたちは"どうせ努力する生き物"
なんだからストレスを感じる必要がないってわけ。
「キリギリスのまんまで誰に助けを求めず生きる方法」
は何処かにあるはず。それはきっと自分の心が決める事なんだ。
______________
えねるげいあ
作詞:金城昌秀
おれは時々アリストテレス むずかしい事考えなくっちゃ
それはすなわちアリとキリギリス 冬に備えて頑張らなくっちゃ
地獄に堕ちるぞ！
地獄に堕ちるぞ？
地獄の淵でドーナツの穴だけ食べて過ごしたくない！
だから時々アリストテレス むずかしい事考えなくっちゃ
おれは時々スティーブ・ジョブズ magical mystery tourを経験しなくちゃ
地獄に堕ちるぞ！
地獄に堕ちるぞ？
地獄の淵でドーナツの穴だけ食べて過ごしたくない！
しかし腹ペコだ...
おれは時々アリストテレス むずかしい事考えなくっちゃ
だけど最近夏のキリギリス 楽しそうで羨ましいなぁ
地獄に堕ちるぞ！
地獄に堕ちるぞ？
地獄の淵でドーナツの穴だけ食べて過ごしたくない！
だけど最近気がついた
おれはアリストテレスでもなんでもなかった
地獄の淵で鏡に映ったおれの顔はおれでしかなかった
DO IT MYSELF 何処へでもいけるぞ
どいてくれ おれここで降りるぞ
DO IT MYSELF 冬を乗り切るぞ
キリギリスのまんまで 冬を乗り切るぞ
えねるげいあ YEAR!
えねるげいあ YEAR!
えねるげいあ YEAR!
えねるげいあ YEAR!
えねるげいあ YEAR!
______________
【レコ発2マンツアー】
6/6大阪 コンテンポラリーな生活
6/7名古屋 空きっ腹に酒
6/14東京 DALLJUB STEP CLUB
各日
OP/ST 18:30/19:00
￥2,500(＋1D）
お申込みURL↓
サポートいつもありがとうございます！全額スタッフや後輩との飲食代に使います。