マニキュアが乾くまで

前のマニキュアはマットな緑色だった。
剥げてしまったところだけ塗り足してみたけれど、塗り足したところがボコボコになり大変粗末な指先になってしまったので、重い腰を上げて除光液を出し濃い緑色を剥がした。

マニキュアを剥がすと、プールから上がったときのような、久しぶりに肌から酸素を取り込める気がする。今回はもうすこし、陸に上がっているつもりで、新たな色を塗るつもりはなかった。

色を落としてみると、緑のマニキュアに何か残りやすい成分があったのか、黄色が爪に残ってしまって、なにかちょっとした病気のような爪になってしまった。何もない日であればこのちょっと病気のような爪と過ごしたのだが、この後チェロ教室に行く。チェロ教室ほど、爪の色がみられる機会もそうそうない。

仕方なく、新しく塗る色をえらぶ。黄色がのこっていたので、なんとなく同系色のオレンジにした。osajiのDrop。その名前の通り、2回、3回と重ねて塗ると飴のような質感と色味になる。
マニキュアを塗ると、肌の一部に蓋をするからか、ほんの少しの息苦しさを感じる。息苦しさと引き換えに、手に入れたつやつやの飴のような指を眺める。疲れと、恍惚とが入り混じってぼんやりする。

それにしても、3度厚く塗ったからか、なかなか乾かない。家事をしてはせっかくのマニキュアが剥がれてしまうので、何もできずPCの前でぼんやりとする。キーボードはなんとか爪を守りながら打てるか。思いつきのようにこの文を書いた。

チェロ教室まで時間がある。今日は少し上手に弾けますように。


追記 本日のチェロはまあまあ上手く弾けたが、まだ乾き切っていなかったらしいマニキュアが剥げてしまった。

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