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舞台芸術創造機関SAI展「死の表象と再生術」製作日誌

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15周年年記念回顧展並び生前葬開催決定 上演は死と再生の繰り返し 泡沫の夢である舞台演劇の“死”を弊劇団の歴史を使い表象し、そして死から次なる命の創造を試みる2週間連続の企画展示… もっと読む
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2019年9月の記事一覧

第十一夜・展示関連トークライブのお知らせ

第十一夜・展示関連トークライブのお知らせ



展示関連トークライブ
「渋谷翼の冒険家論FEVER!!!〜演劇エンジン彩からSAIへ。歴戦のSAI冒険家との対談!!!」が決定しました。

初期の活動記録資料が少ない路上演劇時代のSAIについてを、当時の映像と共に振り返り代表作「贋作マッチ売りの少女」「ケロイド」「ROMANTIC+GROTESQUE」などがどう生まれたのか等についても聞いていきます。

▼出演▼
渋谷翼
倉垣吉宏
常盤美妃

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第十夜・回顧展でのパフォーマンス内容について。

第十夜・回顧展でのパフォーマンス内容について。

9/23-29の回顧展「死の表象」
各日18:00-18:30の時間で
会場内にて以下のパフォーマンスを開催します。

パフォーマンス鑑賞には別途チケット代は発生しません。※路上時代よろしく、御賽銭箱は用意いたします。

9/23(月祝)はアクティブリーディングによる演劇上演。
以降の日程は、倉垣吉宏による独演リーディングを開催。SAIの活動初期の演目から作品を象徴するモノローグを、SAIの音

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第九夜・再生術と加害者/被害者について。

第九夜・再生術と加害者/被害者について。

1931年昭和6年9月18日。
満州事変が起きた日である。

満州事変は学校教育で習うと思うけど、この日は中国では空襲警報が鳴り黙祷を捧げる。

満州事変は日本が起こした事件である。(詳細はこちらをどうぞ。)
満州での軍事展開と占有を目的に、日本軍が線路を爆破しそれを中国軍による犯行と声明した事件だ。その結果日中戦争へと発展した。

日本側はこの一連に関しては「加害者」であり、中国側は「被害

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第八夜・都会では自殺する若者が増えている

第八夜・都会では自殺する若者が増えている

展示開会式に上演する作品についてを書きます。「暗黒御伽噺-C-」という演目です。2009年3月が初演の作品。

この作品は、因縁深い演目でありSAIでは形を変えて何度も上演している演目であります。しかし初演に近い形で再演をしたのは今年の4月がはじめて。その時はライヴイベントでの上演でした。ドラムもあり全体の音のレベルが強くてそのため、叙情感より熱量の方が強い演出にならざるを得ず、終了したその時

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第五夜・もしも問題があるとしたら転がっている石コロ一粒にも草葉にも思想があるという事だが君は気にするか?それとも。【後編】

第五夜・もしも問題があるとしたら転がっている石コロ一粒にも草葉にも思想があるという事だが君は気にするか?それとも。【後編】

2005年11月23日。

大阪梅田陸橋にて、はじめて路上演劇に挑戦した。初期衝動以外の何物でもなかった。勢いと誠意、そして羞恥心をかなぐり捨ててどこまで広がる空の下、ビル群の中、行き交う人々の中で声を出す事がとても気持ちよく清々しく、演じる事がこんなにも楽しさや心地良さを感じられるものだったのかと気づいた公演だった。

ストリートミュージシャンがカンパを募る箱や缶や帽子を置いている。私たちも置い

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第四夜・もしも問題があるとしたら転がっている石コロ一粒にも草葉にも思想があるという事だが君は気にするか?それとも。【前編】

第四夜・もしも問題があるとしたら転がっている石コロ一粒にも草葉にも思想があるという事だが君は気にするか?それとも。【前編】



この一連の記事は、幣劇団のヒストリーを紹介しつつ、9/23より開催される展示「死の表象と再生術」へと繋がる仕組みになっている。

もちろん、後からここに辿り着いた人にとっても、作品に別の視座を与える意味としても書いているので、必ず全てを読む必要はない。

今回トップの画像になっているのはSAIの作品「C」。
活動初期2005〜2009の一番最後の演目になった作品だ。

というわけで今夜は活動

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第三夜・舞台芸術創造機関SAI展2014年版の解説①

今夜は5年前に開催したSAI展のCM動画を初公開します。
これは当時、宣伝用で撮影したものの使われることのなかった動画。
「イト2014」の上演を経て、展示空間が変化したものを収めた動画もありますが、それはまた後日公開いたします。

■初公開■
舞台芸術創造機関SAI展

『死の表象と再生術』

15周年年記念回顧展並び生前葬開催決定。
9/23(月祝)~10/6(日)まで。
https://t.
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第二夜・演劇を展示する

第二夜・演劇を展示する

第二夜です。

劇団創立15周年記念で展示をする事にした経緯についてを「作家」目線で、ざっくりと書いたのが前回。

今日は「SAIの主宰としての倉垣」としての意見を記します。

自分の中に「主宰」「作家」「プレイヤー」「大きい倉垣と小さい倉垣」というのがあって意識的に切り替えているのです。

みんなやってるだろう??!

なぜ、記念公演よりも先に、
展示をするのかについてですが

順を追って説明

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第一夜・18年前、いのちの選択。

第一夜・18年前、いのちの選択。

2001年9月11日。

18年前の9月は大阪に居た。

まだSAIもないし、東京で演劇もしていない19歳の頃の話だ。

テレビに映された貿易センタービルの崩壊、突っ込んで行く飛行機、
どれも作り物のように見えて全く実感がもてなかった事を今でも覚えている。
圧倒的な現実なのに、
海を越えた別の国の出来事がハリウッド映画のワンシーンの様に見えた。

国内外の沢山のミュージシャンが、この出来事から作品

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