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第十二夜・裁断パフォーマンスについて。

本日より展示の後半
【生前葬】がはじまります。(10/6が最終日です。)

https://stageguide.kuragaki-sai.com/guide/deathrebirth/

タイトルに「再生術」と名付けてありますが「再生」とは一体何を意味するのでしょうか。

① 死にかかっていたもの、死んでいたものが生き返ること。蘇生(そせい)。
② 心を改め、くずれた生活からまともな生活に戻ること。更生。 
③ 廃品となったものを再び新しい製品に作りなおすこと。 
④ 録音・録画したものを機械にかけてもとの音・画像を出すこと。 
⑤ 再びこの世に生まれること。 
⑥ 失われた生体の一部が再び作り出されること。下等生物ほど再生能力が強い。
⑦ 〘心〙 記憶の第三段階で、記銘され保持された経験内容を再現すること。想起。

やり直し、という意味合いが多くありますが「元通りになる」という意味からはどうやら遠いようです。
①②の場合でも、具体性に欠けます。生き返ってどうなるのか、まともとは何か。ぼんやりとしています。いずれにしてもそれはやはり「元には戻らない」というニュアンスに倉垣は受け取っております。

演劇は反復と上演という言葉で説明されますが反復は再生と同義であるように思えます。再演や、過去の戯曲の上演などはまさしく①③⑤の意味です。

今回は「生前葬」ということで、これまでのSAIのポスターや映像を一挙に並べています。これにはここまで続けられた(生きてこられた)のは、関わって下さった多くの人のご縁とご協力があってのものと考えていますので、その御礼を伝える場が「生前葬」であると考えます。
劇団の生前葬なので「上演させ続けてくれてありがとう!」という事です。

とはいえ

はじめて来る人にとっては感謝とかされても戸惑いしかありませんでしょうから、展示されているものたちから、自分に必要な〝何か〟を、ご覧になられる中から持ち帰っていただければと思います。

今回の展示の最後に上演する「再生術」では、劇団の生前葬にかこつけて私の歴史そのものも共に葬る事にした作品です。
そしてそれは一旦の演劇化により「再生」を試みるものです。
その時「再生」された物語は上書きされてまた新たな個人史としてはじまるのか・・・

それとも私の物語は誰かの物語として、SAIの歴史の一部として生まれ変わって生きるのか・・・

それは上演最後のその瞬間まで分からないのです。もしかしたらそれが理由で私は私自身の人生の継続を諦めてしまう可能性だってあると言えるでしょう。
しかし後ろ向きではありません。希望を抱き、再生に挑みたいと思います。

さてさて。

同じだけ葬るならば、
そして再生させるなら、ひとつだけではなく多くのものを使った方がより効果的だろうということで、

5年ぶりに赤い裁断機を稼働いたします。

これは2014年のSAI展で使ったもの。
当時は捨てられない手紙や不要になった思い出の紙束をお持ちよりいただき、裁断しました。

今回は劇団の歴史の中で不要になったチラシやコピーし損ねた台本等をはじめ展示の10/1〜10/6まで、各日18時より会場にて裁断します。

来場の際に、不要になった紙や手紙など、自分では処分しにくいものがあれば是非、お持ちより下さい。
それらを粉砕し、10/5.6の上演時に舞台の一部として活用いたします。
私の物語と共に粉砕し、再生という名の供養をしてみましょう。

展示詳細→ https://stageguide.kuragaki-sai.com/guide/deathrebirth/

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