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第二夜・演劇を展示する

第二夜です。

劇団創立15周年記念で展示をする事にした経緯についてを「作家」目線で、ざっくりと書いたのが前回。

今日は「SAIの主宰としての倉垣」としての意見を記します。

自分の中に「主宰」「作家」「プレイヤー」「大きい倉垣と小さい倉垣」というのがあって意識的に切り替えているのです。

みんなやってるだろう??!

なぜ、記念公演よりも先に、
展示をするのかについてですが

順を追って説明すると
①SAIは活動5周年にあたる年に活動休止。活動再開以後の再演を過去作の“供養”と呼んでいた。
②活動10周年になった時に、劇団内で変動がありその流れからいろんな物を“解体”することに傾倒。
③解体した物を可視化することにした
展示

という流れがありました。

15周年でもう一度展示をやりたいと言い出したのは、他でもない倉垣です。

その理由は「10周年の時の展示のコンセプトが、自分の中で燃焼出来なかった」という実に格好悪い理由からです。
空間も好きだったし、あの時点で挑戦したかった事はあの当時の100%でそれは否定しません。

が、しかし。

やりたかったこと=演劇を展示する。

こいつをやり残しているなと感じ、今回は「私と劇団」という物語を下敷きに「親子関係」に置き換えれば、演劇を展示する事が出来るなと思ったのです。

この15周年から先、SAIがどうなっていくのかなんて全く想像つきません。舞台芸術創造機関SAIは常に、今を大切にして目の前の事を最大限楽しみながら進んできた劇団ですしこれからもそうなる事でしょう。

今年は新メンバーも増え、人によって関わった作品や時期が違うことがあります。それまでの歴史を共有物として見つめていく時間が表現者集団としては必要なことでもあるなと思ったのも一つだし

長く活動を続けていくと、新しくファンになってくれた人が居ても、遡りにくい(バックナンバーが膨大なため)という現実もある。毎回作風が違うから、それによっての好き嫌いもあるでしょうし。

それらを総括して展開出来るのが「SAI展」をやる大きな理由でもあるのです。

またこれはSAIBARというコミュニティを続けていて思ったことでもあるのですが、舞台芸術創造機関SAIの活動理念のひとつに
【いつでも帰って来られる本気の遊び場】
というものがあります。

長く続けているとメンバーや、関わったキャスト・スタッフ・作家さんにもそれぞれ色んな変化があります。関係性も変わります。

SAIはそういう変化に対して柔軟に応じながら、その時その時で出せるものをつくっていきます。
SAIBARは特にその方向性が顕著だなと思っていて、この場所があることで双方向な交流が生まれているなと。

演劇は総合芸術であり、個人の芸術の集合体です。
価値観が摩擦し共鳴し混沌とした中に、私は演劇の面白さや豊かさを見出します。

この展示ではそういう部分も含めて、過去も包括して未来へ向く餞のような意味合いも込めています。


次回へ続く。

展示の詳細は下記より。
https://stageguide.kuragaki-sai.com/guide/deathrebirth/

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