テロ防止のためにやるべき2つの事

 将来テロリストになる子供は全員、漏れなく家庭教育が劣悪である。育ての親に、テロリズム(暴力主義)に対する批判的思考力がない。多くの場合、親が短気で他罰的なのでDVや虐待が日常茶飯事となる。そしてほぼ例外なく「言ってダメなら脅せ、脅してダメなら叩け、叩いてダメなら殴れ、殴ってダメなら殺せ」という考え(テロリズム)を持っているので、高確率で体罰・死刑・核武装・軍拡を肯定する。
 子は親の鏡なので、親のそうした価値基準・思想・世界観を反映するような人格がそのまま子供の内面に形成される。自然、子供の内から何かしら問題行動を起こすことが多くなる。

 学歴や収入の高低や宗教・宗派、出自、国籍、人種などは、相関はあっても因果はない。事の本質・原因は唯一「教育水準」だ。低水準教育の下ではどれほど高IQ(知能指数)・高学歴であっても、その人格は低EQ(Emotional Intelligence Quotient 心の知能指数)になる。たとえ親子ともに高学歴・高収入であっても問題解決力・論理的思考力・批判的思考力等が乏しければテロリストになる。

 本来教育の資格のない未熟な親に私教育をやらせているのだから、公教育でその欠陥を補完する必要がある。だが現状、殆どの国で家庭教育は家庭にやらせっぱなしである。国家・国民が「養育は親の義務・権利であるから第三者が介入・干渉すべきでない」という放任主義を貫いている限り、そのツケは国家・国民に回ってくる。

 テロの未然防止に社会がやるべきことは、次の2点に尽きる。
1.加虐的な親とその子供をカウンセリング・指導し、両者を救済する
2.論理的思考力・メディアリテラシー・問題解決力を鍛える高水準の公教育を実施する

 親は既に長年に渡って〝暴力主義に洗脳〟されているので、より可塑性・柔軟性の高い子供の方が〝非暴力主義に逆洗脳〟しやすい。勿論、問題のある親は「自分はカウンセリングを受けるべきだ」とは露程も思っておらずカウンセリングに対する偏見もあるので、間違っても「親御様もご一緒にカウンセリングを」などと言ってはならない。
 やるべきことをやれば、テロのみならずあらゆる犯罪を未然防止する。犯人の個人的資質の問題に矮小化したところで問題は解決しない。やるべきことをやってないから、犯罪は発生するのだ。低水準教育の犠牲者に必要なのは憎しみ(情報遮断・処罰・排除・放置)ではなく愛(情報共有・高水準教育・精神治療・救済)である。

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