若尾政希『百姓一揆』(岩波新書、2018年11月刊)

 著者は一橋大大学院社会学研究科教授で日本近世史・思想史。

 一読すると、近世江戸時代に流布した義民物語の書籍等の分析を通じて、書籍が果たした役割を詳述している。挿絵で紹介されている書籍の所有者もほとんどが著者のものである。

 会津の視点でみると105頁に、百姓一揆物語年表があり、その5番目に、1720(享保5)年11月の『奥州南山御蔵入物語』、1937年7月18日、蓬莱亭安則によるものが掲載されている。

 野尻組小中津川村(現・昭和村)のアサ、からむし商いをしたと言われている蓬莱亭安則。


 また、186頁には寛延2年(1749)の会津藩領一揆(会津寛延一揆、金曲騒動)が取り上げられている。