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ニコニコ動画のこと(ゲーム実況サイド編)


合成音声によるゲーム実況動画を投稿しはじめて(だいたい)1年経ちました

長いこと、ニコニコ動画は視聴中心で、つかず離れずという感じだったのですが、この1年ほど、合成音声によるゲーム実況動画を投稿しています。

合成音声とは、文字列で入力したものを(人が喋っているように)音声化する技術(正確にはそれによって生成された音声)のこと。具体的には、VOICEPEAKという、かなり自然に音声化してくれるソフトを使っています。1年前にこのソフトが発売されたことが投稿を始めるきっかけになりました。

ずっとゲーム実況には関心はあって、やってみたいなと思ってました。やるなら自分の声よりは合成音声かなあ、とぼんやり考えていたところに渡りに船。

手探りしつつ、始めたシリーズが『VA11 Hall-A』というノベル形式に近いゲーム。ノベルゲームは編集で削るところがあまり多くなく、反応もしやすいので、実況の題材としては、初心者向けだったのかな、とは思います。

やってみてどうだったか

よかったこと

1本5分くらいの動画にしたら見やすいかな、と思って投稿を続けてみましたが、どれくらいの方が継続して見てくださっているかは、正直なところ、よくわかりません。ただ、やってみて、私自身が深くゲームを楽しめたな、と思いました。

合成音声による実況は、実際のところ「後付け」です。ゲームプレイ中に考えたことというより、ゲームプレイを撮影して、それを編集していく中で実況をつけていきます。

『VA11 Hall-A』というゲームは、伏線の多いゲームです。暗に起こったことを匂わせはするけれど、直接的な説明はせず、情報をつなぐことでぼんやりと事実が浮かび上がるようになっている。そういったところがたくさん出てきますし、数時間前に描写したことを踏まえた描写が出てきたりもします。多くの登場人物の人生が並行して進んでいくので、メインストーリーとサブストーリーの区別も明瞭にはありません。

おそらく、そういった伏線について、私は普通にプレイしても気づくことはできなかった。なんだかよくわからないな、と思いながらプレイすることになったでしょう。

けど、実況をつけていく中で、「これは前のこれですね」と実況しながら編集で回想シーンを入れたり、出てきた人物についての情報を整理したメモを載せたりすることで、この物語の世界で起こっていることを、様々に言葉にしながら読み解いていくことができました

情報を整理したメモの一部(動画中でも用いている)

ゲーム実況という文化が花開いた源流のひとつは、ニコニコ動画であると言っていいのだと思います。その場所で、1年間投稿してよかった(まだシリーズは終わっていませんが、もう最終盤です)。

反省点とこれからのこと

さきほど、どれくらいの方が継続して見てくださっているかわからないと書きました。実際のところ、再生数などを見ても、それほど見られていないというのが現状でしょう。

ニコニコ動画は、YouTubeよりは新規参入はしやすい土壌だと思います。検索しやすいタグがあることで動画にたどり着きやすく、まったく再生されないということは起こりにくい。

ただ、視聴者フレンドリーな作りにできていたかというとそうとは言えず、1年投稿しながら、もう少し設計の工夫はできたなと思っていました。

2月末から始めた新しいシリーズは、その反省をある程度反映させています。特に大きく変えたのは、ナレーションとしての実況ではなく、キャラクターを演じるという意味の実況という要素を強くしたことです。

これは、ゲームの種類が変わったことも大きく影響しています。『VA11 Hall-A』はノベルゲームであり、主人公も喋るゲームです。いきおい、この場合の実況は、主人公と他の登場人物たちの掛け合いに(ナレーターのように)コメントしていく形になります。

これに対し、新しいシリーズには、3DダンジョンRPGである『両手いっぱいに芋の花を』を選びました(面白いからみんなプレイしよう)

このゲームはキャラクターメイクをして、パーティを作るタイプのゲームで、そのキャラクターたちはいっさい喋りません。このキャラクターたちに実況をさせる、という仕組みにしたわけです。

キャラクターたちはメタ発言もします。ゲームの世界の住人というよりは、TRPGのプレイヤーみたいな感じですね。そこまで明確な性格づけを各々にしているわけではありませんが、モノローグからダイアローグになったことで見やすくはなったと思います。実況をつけていても、またこれまでとは違う楽しさを感じています。

キャラクターの会話を編集している様子

『VA11 Hall-A』の実況スタイルがダメだったわけではなく、それなりに気に入っているのですが、あのスタイルはどちらかというと肉声でのゲーム実況に近いものでした。スタート地点が肉声でのゲーム実況への憧れから入っているので、それを真似しようとしたわけですね。

けれど、合成音声には合成音声の強みがあり、それは先達たちが「ゆっくり実況」だったり「VOICEROID実況」だったりで確立してきたスタイルでした。それに近い作りをしてみて、確かにモノローグではなくダイアローグとして実況を作ることのよさも感じています(やっぱりダイアローグは聴きやすく、無言の間も生じにくいという利点があります)

新しいシリーズもゆっくり作っていくので、また1年くらいかかるんじゃないかなと思っていますが、手探りしながら、新しい体験を楽しみたいと思っています。

おわりに

編集は時間的な負担も多いので、ずっとヘビーに続けられるとは思っていないのですが、ゲーム実況以外の動画も作ったりだとか、細々とでも続けられるといいなと考えています。


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