「芝居の力でなく、人の力」初めての企業研修


みなさま、七夕もすぎた夜更けに、こんばんは!

昨日今日、七月とは思えない冷え込みでしたね〜。
思わず冬のマフラーを引っ張り出しました。
寒暖差は、思うよりからだに響くのですよね。
梅雨明けまではしばらく気をつけたいですね。

今日は、とても印象深い一日だった昨日のことを書きます。

私が去年くらいから興味があったことの一つに、役者ではない皆さんとお芝居を創る。というものがありました。

そして、それに近いことが叶いました。
とある会社の皆さんとお芝居のワークショップをしたのです。
いわゆる企業研修という分類になると思うのですが、そういうかたさは一切忘れて、わたし自身心底たのしく、そして参加してくれた皆さんからものすごく学んだ一日でした。

とある急成長中のIT系ベンチャー企業経営者である十年来の友人から『役員の経営合宿で一日かけて皆んなでお芝居をつくってみたい』と唐突な相談を受けたのが先月。

普段まったく関わりのないだろうお芝居にピンときてくれたこと、そして私に相談してくれたことをとても嬉しく思いながらその目的を訊いてみると、『みんなで同じ方向を向いていくために』『自分自身でいいんだと思ってもらいたい』というこたえが返ってきました。

その思いを大事にしたくて、ワークショップを行なうのであれば是非この人にファシリテーターをお願いしたい!と、真っ先に思い浮かんできた尊敬する大先輩であり友人の女優さんに相談したところ、忙しい中こころよく引き受けてくれることになりました。
私は、もう一人お誘いした同期のような女優さんと二人、アシスタントとして参加させてもらうことに。

昨年末の初自主企画から半年間、わたしは芝居のワークショップに参加することも、作品に出演することも一度もしていません。
それに加えて、普段出会うことのない業界の方たちとのワークショップです。
いったいどんな人たちと、どんな経験ができるんだろう。
昨日という日をわくわくしながらたのしみにしていました。

千葉県富津市の目の前に大海原が広がる研修ハウスで、朝の10時から夜の19時すぎまで、まるまる一日。
じつは今日何をするか社員の皆さんは知らされておらず。
施設に到着し、運動できる格好にきがえてから社長がひとこと。
『今日はみんなでお芝居をつくります!』笑
皆さん、予想外の展開にびっくりしていました。

導入は、からだのアプローチから。
いくつかのゲーム、幅広いエクササイズをして、流れをしっかり作ってからことばを発する段階へ。
そしてさいごに短いシーンをつないで発表する。
豊富な芸歴だけでなくヨガのインストラクターや演技コーチの経験もある女優さんが、このワークショップのために時間をかけて綿密に創り上げてくれた包括的なプログラムのもとで行ないました。

芝居というきっと得体のしれないだろうことに、皆さんはものすごくニュートラルに、だけど楽しむ心をもってまっすぐ向かってくださった。
目に見えることや結果が最重要となる世界では『今なんのためにこれをやってるんだろう』と思いそうなことでも、一つ一つ目的を見出して取り組んでくださった。
フィードバックでは、今のワークからどんなことを学んだか、どんな気づきがあったか、明確にスムーズに言葉にしてくださった。(口頭での言語化の苦手な私は感動...)

先輩女優さんの的確な導きのもと、一人一人がチャーミングで、個性的で、ありのままで、すてきでした。チームのなかに信頼関係があって、上下ではなく横の繋がりが自然な感じで、皆さんの中にありました。

それはきっと、社会人として、またベンチャー企業の社員として皆さんが日々されている様々な出来事が人間生活を太くしていく豊かな体験だからなんだろうなぁと勝手に想像し、芝居の世界しか知らない私にはまぶしくみえました。

芝居の世界は、せまい。 


以前の私は、役者というものを特別視していました。
物心ついた頃から映画で育ち、憧れは人一倍、十倍、あった。
私にとって、夢そのもの、人生そのものでした。

思春期の入り口のだいぶ前からそんな状態ですから、『芝居』『役者』ときいただけで身に力がはいってしまうほどつよく思い入れが膨れ上がるいっぽうで、好きなはずの世界で自分自身を不自由にしてしまい、いつしか呼吸がしにくくなっていました。

なんだか、芝居の力を過信しすぎてアンバランスになり、芝居と対等でいられなくなっていたと思います。

そして去年の初自主企画から自分の中で気づいた変化。それは、役者というのは何も特別なことじゃない。ということ。

人として生きること。
それ以外に人生は何もないじゃないか。

そう思うようになった自分の変化をくやしく思う時もありました。うまく言えませんが、そう思うことになるつもりは断じてなかった、というふうな。


でも今、やはりこう思います。
私にとって、人を思って生きるということの一つのあり方が役者だ、と。
以前のように人生そのものではありません。他にやりたいことがあれば、どんどんやっていい。なりたいものがあれば、なっていい。芝居しかやっちゃいけないなんてことは、一切ない。


そんな中、役者ではない方々とお芝居をすることは私にとってほんとうに恵まれた機会でした。
役者という呪縛から解きはなたれた空間で、すごくまっさらに、人と人が、芝居という力をかりて、ただ人と人として、いる。
それだけを味わうことができて、幸せでした。

表現者だけが表現をしているなんてあり得ない。むしろ、表現者なんて存在しない。表現を生業にしているかどうかという分類はあると思いますが、人は、生きていることが表現です。人が生きてしていることは皆、表現です。どんな些細な事でも。

皆さんと一緒に一日過ごして、心からそう感じました。

当たり前ですが、今回はまずこの友人社長からの相談がなかったら想像もできなかったこと、実現しなかったことです。
企業研修として芝居が使われていることはたまにあるというのはききますが、自分がやることは想像できなかったし、自分から遠いことでした。

実現したのは他でもなく、この友人と、そして先輩女優さんがいたからです。色んなタイプの芝居を使った企業研修があるのだろうなと思いますが、せっかく研修の内容として芝居づくりを選んでくれたのだから、うそのない、血の通ったものにしたかった。そのためにはこの先輩女優さんにお願いする事しか考えられませんでした。

それからお手伝いしてくれた仲間の女優さんも。このネットワークの中だから踏みだせた一歩でした。

そう考えると、人の御縁ってやっぱりすごい。
人の可能性を広げてくれるのはやっぱり人でしかないのだと、
人の限界を超えさせてくれるのも、
人に新たな夢をみさせるのも、
人を想像力の先へ行かせるのも、
やはり人だ。

そう身を以て感じました。

昨日の時間を共にした皆さんに、心からの感謝で一杯です。
昨日が素晴らしい一日だったのは、芝居の力ではなく、皆さんの力です。

またどこかでこんな機会がおとずれたらいいな〜。

本当に、ありがとうございました。

帰りの高速バスを待っているときに見つけたミニガエル!可愛かった〜。

さいごに、近況を少し書きます。

現在アーティストインレジデンスに二つ応募しているのと、春から書き留めてきたものを一つの絵本テキストにしました。絵本はずっとやりたいことの一つ。あるコンテストに応募しました。

その他に芝居とはちょっとちがう企画が一つと、芝居の企画アイデアを一つ進行中です。九月には音響の第一人者である大先輩による子どもと音であそぶ企画に参加するかも?

また、是非お知らせさせてください。

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◯アートコラム◯

自身がたずさわったもの、触れたもの。それらを通し、心かうごかされたことや考えたことを文字化していきます。アートにまつわるあれやこれやです。
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