劇団コケコッコー『あっかんべー』

10月9日・10日・11日と三日間、劇団コケコッコーのお芝居『あっかんべー』を観に行ってきました。
140文字では収まりきらない感想がいくつかあるので、日が経ってしまったけれど書き残しておきたいと思います。

まず、印象に残った台詞。
メモを取っていたわけではないので、少し言い回しが異なっていたらごめんなさい。

「忘れないでくださいとは言いません。
それは贅沢やと思います。」


渚ちゃんが口述筆記している場面、今村清さんの脚本に出てくる台詞です。
野村有志さんのお声と相まって、忘れられない一言になりました。
今村さんの脚本がどのような内容なのかはあの短いシーンだけではわからないけれど、ほんまにええ台詞やなぁ。。。

「上手く笑えない人だっているの。」

こちらは正子ちゃんと利美ちゃんの場面、利美ちゃんが正子ちゃんに背を向けていろんな思いを堪えながら喋っている時の一言です。

この台詞を耳にした時、野村さん(ややこしなりますね、野村尚平さんです)がnoteに載せておられた文章を思い出して。
6月にお書きになった『ふと』という文章です。
何回読んでも泣いてしまう。
自分が上手く笑えてるかどうか、そんなん一瞬たりとて考えたこともない人、世の中にはいてはると思うんです。
嫌味ではなくそれはほんまに幸せなことやと思うし、自然に笑える人は笑っといてください。
その無邪気な笑顔に救われることがあります。
無邪気に笑えない私は、利美ちゃんの台詞で泣きました。(よう泣くなぁ)

「手拭いめっちゃ赤いやん」

田所清さんの台詞。
間と口調が絶妙なんです。
この一言、野村さん以外の方が演じられたらどんな感じなんやろうって。
短い台詞やからこそすごく難しいと思います。

衣装や小道具でどのような人物なのかを想像させてくれるのもおもしろい。
田所清さんはいつもシャツのいちばん下のボタンは留めない。
シャツがひらひらとなる様が「あかんほうの清」の感じするなぁとか
島崎さんがサスペンダーにハンカチを挟んでるのは「お嬢さん、ハンカチをどうぞ」ってスマートに差し出すためかなぁとか(島崎さんやったらそういうことしそうな気がする笑)
今村さんのめっちゃ赤い手拭いももちろん、ちょっとしたことが人物の層を厚くしてくれるので、やはりこういう点はラジオドラマとは違った良さだなと。

一時間半のお芝居あちらこちらに、野村さんのお気持ちが散りばめられているなぁと感じながら観ていました。
源さんが清さんに、清さんが書くものを待ってる人がいると語る場面。
あそこでは7月にツイートしてらした内容を思い出したり。

本当に個人的見解でしかないけれど、田所清さんの《夢》って、野村さんの夢でもあるんじゃないかなぁ…なんて思ったり。
清さんが正子ちゃんに言う
「選択を間違ったらあかん」
選択、という言葉はnoteの『感動』に出てきますね。(あの文章も泣いてまうなぁ)

《普通》の人より敏感で、ちょっとコレあかん、が人より多くなる。
ちょっとコレあかんが少しずつ積み重なって、気づけばみんなと違うとこに立ってた。


「普通が一番ええぞ」


最終日、ロビーのパネルには演者さんたちのサインが入れられていました。
野村尚平さんのサインの上には
生きよう
という一言。

生きろ、ではなく
生きたい、ではなく
生きよう

♪ほな、また明日♪

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