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音楽脳が揺さぶられる体験 ~ アニソンライブ(毛利泰士とザ・ベスト)上映会レポート

2024年5月13日、広島のライブハウス「Live&Bar SPYDER」様にて、アニソンカバーバンド「毛利泰士とザ・ベスト」のメンバー2人によるライブ上映会が開催されました。

既存の上映会やフィルムコンサート、パブリックビューイングとは似て非なるイベント、むしろそれらを凌駕するイベントになったので、レポートをお届けします。

(※2024年5月26日に、観音寺グランドホテル(香川県観音寺市)でも同様の上映会を行います。特典付きの事前申し込みを受け付け中ですので、下記の記事を読んで興味を持たれた方は、ぜひお越しください)

上映会詳細&事前申し込みページ

上映会概要

・プロのミュージシャン達による本気のアニソンカバーバンド「毛利泰士とザ・ベスト」(以下モリザベス)が2024年4月26・27日に東京町田の「まほろ座MACHIDA」様でライブを行った。

https://www.youtube.com/@Mohri_TheBest


・そのライブ映像をスクリーンに映しながら、モリザベスのメンバーである毛利泰士さん(Vo,Per,Gt.)、遠藤龍弘さん(Bass)(以下TABOKUN)が生登壇し、その曲について音楽的な側面や裏話などをトークする。しかもオーディエンスの質問に答えたりもする。

・曲によっては、毛利さんとTABOKUNのパートをミュートしたライブ映像に合わせて、毛利さんとTABOKUNが生演奏する(←これがほんとに凄い。映像ピッタリにシンクロする演奏スキルたるや!)

(2024年5月22日追記)
毛利さん・遠藤さんによる、広島上映会の振り返り動画が公開されました。ご本人が語ることにより、このイベントの凄さがより際立ったように思います。このnote記事を読むよりも、下記動画を見てください!

上映会雑感(トーク部分)

毛利さんとTABOKUNは、「我々は演奏してなんぼのミュージシャンなので、トークなんてとてもとても」と謙遜されていましたが、実際のトークはキレッキレで、おふたりの小気味良いやり取りは存分に楽しめました。控えめに言って最高です。以下印象に残ったトーク(うろ覚えにつき細部は違うかもしれません。ご了承ください)

・アニソンランキング問題
ちょいちょいテレビのSP番組でやる「アニソンランキング」について毛利さんが言及されていました。

「Get Wildやタッチが名曲なのは間違いない。間違いないけどもっと違う世界線のアニソンランキングが知りたい。たとえばボルテスVが5位なら、コンバトラーVは4位だろうし、闘将ダイモスは7位くらい?、それだったらマジンガーZがやっぱり1位で、グレートマジンガーは3位、2位はグレンダイザーかな。(ここでオーディエンスから「ボトムズは何位?」との声が上がる)ボトムズはリアルロボット系だから、この世界線ではランキングには入らないかなぁ。とにかくそういう世界線のランキングが見たい!」

・暇なパートの佇まい問題

曲によっては自分の担当するパートが少なくて、暇になる時間帯があるということで、このときの立ち居振る舞いが大事ということを、ある曲での須磨和声さん(Vln)アクションを例に出して力説されていました。

「(該当の映像をスクリーンに映しながら)ここで、須磨君がバイオリンをギターに見立てた感じで弾く振りをしてるんですけど、こういう立ち居振る舞いがミュージシャンにとっては大事。自分のパートじゃないからといってボーッと立っていると逆に目立つので、自分が演奏していない時でも参加してるよという雰囲気を出しつつ、気配を消して同化しなくてはいけない」

他にも面白いトークがわんさかあったのですが、とてもここには書けません。気になる方は5/26の観音寺の上映会にぜひお越しください。(同じ話が出るとは限りませんけど)

上映会雑感(演奏部分)

ライブではそれぞれの楽器にマイクが備えてあって、それぞれ録音しています。それを映像をして見る場合には、そのそれぞれの楽器の録音をひとつにまとめて流れるわけです。

今回の上映会では、その一緒くたになる前のそれぞれの楽器の録音データをそのまま持ってきているので、特定の楽器だけの音だけをミュートできるし、逆に特定の楽器だけの音を流すことが可能なわけです。

ある楽曲の時に、お客さんから「この曲の毛利さんの声が小さいのでもう少し大きくすることはできないのでしょうか?」との質問が飛びました。毛利さんは「自分の歌声は小さくしがち(苦笑」と前置きされた上で、「この曲の場合は自分の声を大きくすると、間奏で弾いているパーカッションの音も大きくなるので、そこはバランスを取っている」と答えていました。そして実際に毛利さんのパートだけをちょっと大きめで流してみるとたしかにパーカッションの音も大きくなっててちょっとうるさく感じました。それを実感したオーディエンス「おおぉー」は声が漏れていました。

それ以外の曲でも「この曲のここは××(パート名)が良い仕事をしてる!」とあるパートにフィーチャーして流してみるとか、ニルスの不思議な旅のOPはここが独特、みたいなミュージシャン側から見た解説がとても面白く、TABOKUNは度々「こういう(テクニカルな)話、聞きたくないでしょ?」と仰ってましたが、いやいや、音楽のことなど全く分からない私ですら聞いててゾクゾクしました。言われて聴いてみるとたしかにそうだ!みたいな。

上映会に来てほしい人・楽しめる人

広島の上映会は、ただライブ映像を見て終わり、というパブリックビューイング的・フィルムコンサート的な感じではないことはお分かりいただけたと思います。

各パートの全トラックをいかにようにも足し引きして演奏を聴ける機会なんて他にないでしょうし、自分たちのパートの演奏をミュートした映像に合わせてその場で弾くということもないのではないでしょうか?

私のような音楽素人ですら、音楽脳が揺さぶられる経験をしたので、少しでも音楽に携わった方は必見&必聴のイベントだと思います。90年代にフジテレビの深夜番組で「音楽の正体」という番組がありましたが、あれを見ている感覚に近しいです。最近では「関ジャム」でもそういった楽曲分析がされていますが、あれを楽しめる方は、間違いなく今回の上映会は大好物なはず!

下記のセットリストも見て、心の琴線に引っかかったアニソンを聴きに来る、でも全然構いません!

食べ放題・飲み放題も付いてますので、お酒飲みながら聴いてもOK!

今までにあまり例を見ない試みなので、説明するのが難しいのですが、これだけは言えます。騙されたと思って来てみて絶対に損はしないから!

上映会詳細&事前申し込みページ


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