見出し画像

"am"のこと

am、は私の会社の名前です。
「アム」と読みます。「エーエム」ではありません。

言葉は些細なものでも、由来をもつものです。
"am"にも例外なく、実は由来があります。

「ところでamってどういう意味?」
多くは社交辞令的に聞かれるこの質問に、ゆるりと向き合ってみようと思います。


はじまりは「dre」

学生時代、俳優を志して演劇系大学に進学した私は、在学中に演劇の閉塞感に疑問を抱き、とあるイベントの企画をはじめます。

「演劇を観に行く」、「公演を観に行く」という動機以外に、演劇や朗読に触れるきっかけをつくれないか。入り口を増やす、広げることはできないか。と考えて企画したのが"癒し"をコンセプトにしたカフェ空間づくり。

私ごとではありますがーーそもそもこのnoteの話題自体が私ごとですが、私が小学生の頃はじめて演劇のレッスンに通い始めたときに触れたものは"朗読"でした。
本に書かれている言葉たちが、声に出して表現されることで立体感を帯び、包み込まれていくような感覚に魅了されたのを今でも思い出します。

その原点に立ち返り、「かしこまらず、朗読を楽しんでいただけるイベントを企画したい」と思い準備を進めました。
そこで入り口となるコンセプトにおいたのが"癒し"でした。
朗読のほかに、作品をより深く味わうことができるやさしい弾き語り演奏、ほっとひと息つけるドリンクメニュー、香り、照明、空間装飾、足湯などを用意し、空間全体に"癒し”の要素をつめ込みました。
この企画は冬季に一日限りのイベントとして、3年連続で開催しました。

そんな企画を実施する団体名が"dre(はんぶんのゆめ)"でした。
……団体といっても、所属しているのはわたし一人でしたが。

"dre"は皆さんに「ドリ」と読まれていましたし、わたし自身も「ドリ」と言いがちでしたが、「はんぶんのゆめ」と読みます。

ある日、大学からバイクで帰宅している途中、ふと「あ、"dream"って半分にすると"dre"にできるじゃん」と思いついたことがはじまりでした。
もうすぐ帰宅するというところでしたが、どうしてもそのまま考えを巡らせたくなり、ちょっと遠回りして「dream(夢)」をのせた月がはんぶんになっているロゴも思いつきました。

この団体での企画は、"癒し"をコンセプトにした上で、「心もからだもほぐれて、夢うつつな気分になれる空間」を目指していました。
"dre"は、はんぶん夢に入っていく感覚を表す言葉として思いついたのです。


dre(はんぶんのゆめ)


夢を形にする"am"

前置きが長くなりました。が、もうすこし続きます。
大学卒業とともに活動を休止した"dre"。その言葉から離れて5年と少しの時が経ち、私は会社員を卒業することになります。

「屋号を考えよう」と思ったときに真っ先に思い出した言葉が"dre"でした。

ただ、"dre"は、あの癒しをコンセプトとした企画をまた実施するときにのみ使いたい。そう考えた時にあらためて「dream」の単語を見つめてみました。

前述した通り、"dream"の手間にある方の"dre"は、これから夢に入っていく夢うつつな状態を表しています。それを見返した時に、そのあとに続く"am"を、"dream"という単語を締めくくる=形づくるものだと捉えてみました。

"dre"は眠るときに見る"dream(夢)"に由来する言葉ですが、"am"は、憧れ、思い描く方の"dream(夢)"に由来する言葉です。

私は"心底惚れたモノコトを作り上げるため・届けるために活動する"を人生の活動の軸として置いています。
夢を形づくる意味をもった"am"という言葉はまさに自身の軸も表している、と感じてまずは個人事業の屋号に採用しました。

そしてその一年後、「合同会社am」として法人を設立したのです。


am


amのロゴ

"dre"のロゴはバイクに乗っている時に思いついたという話を書きましたが、実は"am"のロゴもツーリング中に第一案を思いつきました。
最初のamのロゴは丸いものでした。

初期amロゴ

会社員を卒業して間もない頃、「かゆいところはありませんか?」というキャッチを個人事業のコピーとして掲げていました。
当時は、学生バイト戦士時代や会社員時代に培ってきた経験をもとに、風呂敷を広げ、「"心底惚れたモノコトを作り上げるため・届けるために"私のもつスキルをフル活用していきます!」「足りないところに愛を持って入り込んでいきます!」という考えのもと活動していました。

「かゆいところに手が届く」。ええ、そうです、孫の手です。
自宅近くの100均で孫の手を買ってきて、当時持っていたCanon EOS M100のセルフタイマーで撮った写真が上の写真です。懐かしい。

ロゴのデザインも孫の手をモチーフに作ってみました。

そこから法人化するにあたって少しデザインを整えようと思い、"am"のアルファベットも取り入れてリニューアルしたのがいまのamのロゴです。

ちなみに、リニューアル案は温泉に浸かりながら考えつきました。


デザインの知識もなければ、コピーライトやネーミングのスキルもない私ですが、自分のやりたいこと、軸にしたい考え方と向き合って考えたもののため、今のところは名前もロゴもしっくりきています。

これからも心底惚れた素敵なモノコトの夢の実現に寄与できるよう、愛をもって全力を尽くしていきます。

お取引先のみなさま、今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
そして、「なんか気になるな」と思っていただいた方、いつでもご連絡ください。


2024.01.07 松井花音


この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?