見出し画像

就職氷河期世代の苦悩について考える

皆さんこんにちは。かんおさです。

お隣の国が大変な状況なので、私としてはそちらも気になるのですが、その関係の記事がずっと続いてしまっているので、今回は我が国日本における大きな問題について当事者の一人である私なりの目線で、勝手に語ろうかと思います。

《注意》
今回は鬱積していた本音を出しましたので、少し闇と毒の要素が強いです。ある程度理性的に書いたつもりですが、やはり負の感情も出てしまいました。覚悟してお読みください。

就職氷河期とは?

まず就職氷河期を知らない方は多くないとは思いますが、それでもピンとこない方もいらっしゃると思います。
何が問題なのかも含めて、こちらの記事が解り易かったので、ご紹介させて頂きますね。良かったらお暇な時に目を通してみて下さい。

簡単に申し上げれば、就職氷河期とは以下のような状況でした。

・正規雇用求人が圧倒的に少なくなり、逆に就職希望者が圧倒的に多かった
→結果として、正社員になれる人が極端に減った
→あぶれた人の多くは、非正規雇用(含むアルバイト)へと流れた

言葉にすると簡単なお話なのですが、実はそんな簡単な話では済まないのですよね。

と言いますのも、この時代を生きた私達の世代は、団塊Jr(だんかいじゅにあ)世代と呼ばれておりまして、まぁ、それは同年代の人口が多かったんです。

今でこそ少子化とか叫ばれてますけど、私達の世代はそんな風潮は全くなかったんですよね。

小学校のクラスとか酷い所だと、1学年9組あって、一クラス40人弱とかでした。正に寿司詰めのカオスな状況。あれで良く授業が出来たなって本気で今でも思います。

そんな多くの人たちが、就職活動をしようとしたらあら大変。

折しもバブル崩壊からの日本経済が完全に停滞した時期と重なってしまったため、企業が採用を大幅に減らしてしまったんですよね。

結果として、100社応募するのは当たり前。全部お祈りされても(って言うか3分の2くらいは返事すら帰ってこない)、そこからが本当のスタートラインだ的なノリで、もうメンタルも夢も希望もガリガリと音を立てて削れて言った時代です。

私は、当時研究職を希望していましたが、強力なコネが無いとどうやっても就職は無理だという事が分かってしまったので、早々に見切りをつけて全く未知の分野であったIT系へと舵を切って就職活動しました。

まぁ、結果としてはブラックに次ぐブラックで、心身を共に致命的なまでにやられてしまったので失敗だったのかもしれませんが、それが無いと今の私にならなかった事を考えると何とも複雑な心境です。

同じ様な経験をされた方はごまんといると思うので、この辺りはまぁ、そういう物だった位で流しておくとして(本当は書こうと思えば幾らでもネタは有りますが)、問題は、何故、今もそんな状況を引きずってしまっているのか? という事です。

神話の崩壊と現在の価値観

あの就職氷河期世代に至る迄、日本には信じられていたある神話とも呼べる物がありました。

・真面目に勉強し、一流大学を出て、一流企業に就職すれば人生安泰
・大企業に就職すれば、一生面倒を見て貰える
・良い会社に勤め、結婚をし子を育て、年金で老後を過ごすのが普通の生活

まぁ、その昔、一億総中流何て言葉がありましたが、それを絵に描いたような生活です。

今の若い方は、この神話を見て、どう思われるでしょうか?

「え? 何言っちゃってんの? 無理に決まってるじゃん」

って思う人、凄く多いんじゃないかと思うんですよね。
反対に、

「そんなの当たり前でしょ。何で皆もっと努力してそう言う生活を手に入れないの?」

とか少しでも思えてしまう人がいたら、かなりその考え方は古いですよ、と突っ込まざるを得ません。

実際、凄く努力して頑張って、充実した上の神話のような生活を送っていらっしゃる方もいらっしゃるかと思います。
ですが、一方で、そうでない方の数が圧倒的に多いという事実から、目を背けない方がよいかと私は思います。

今の時代、もう昔から言われている普通は、幻想になってしまっていると私は思っています。って言うかぶっちゃけ、かなりハードルが高いです。
それは色々な理由があるんですけど、昔と今の労働環境の変化が一番大きいと私は考えています。

根本的な問題は人的資源を切り捨てた事

これは当事者である私が最も感じている事の一つなんですが、あの大不況の時期、企業達……とりわけ本当に大手の大企業は、真っ先に労働者の解雇に手を付けました。

とは言え、費用が最もかかるのが人件費な訳ですから、そこに手を付けること自体は仕方のない事だというのは、私は理解できます。

ですが、その規模と速さがまずかったんです。

本当にあの時代、リストラという言葉が飛び交う状況で、多くの労働者が野に下りました。

企業はその存続をかけて、それこそバッサリと労働者を解雇しまくり、先程にも書いた通り、新規採用を絞りました。

その結果、起こった事は以下の通りです。

・今までしていた仕事を少ない正社員で回す必要が出て来た
→非正規雇用で足りない労働力を補い、ぎりぎりで回す状況が生まれた

・労働者がいっぺんに居なくなった事で、技術やノウハウ、人脈の繋がりが一気に崩壊した
→生産性が著しく低下し、場当たり的な対応が増え仕事の精度が落ちた

・正社員の仕事が相対的に増えた事で、新人を教育する余力を失った
→会社に良い様に使いつぶされる新人、見切りをつける新人の増加。

・非正規雇用の台頭で、仕事内でスキルを磨く機会を喪失
→仕事に対するモチベーションと労働価値の低下。

とりあえずざっと思いつくだけでもこんな感じです。
そして、特に今の若い方はお気づきになるかと思いますが……「あれ? これって今の普通の事じゃないの?」って思う方は多いんじゃないかなと。

いや、少なくとも過去の労働状況を知っている私からすれば、普通では無いですよ。
恐らく氷河期世代の人たちも、この異常な状況を理解しつつも、日々の生活を生き抜くために、歯を食いしばって頑張っていらっしゃる方が多いんじゃないかというのが私の見解です。

何で、今の若い人も含めて、私達のような就職氷河期世代が苦労しているかと言えば、以上のような状況が全く改善されず今日まで至った事が最大の要因であると私は考えます。

じゃあ、どうすれば良かったんでしょうか?

これも実はそんなに難しい話では無くて、やってしまった事と逆の事をすれば良かったんです。本来なら。

つまり、雇用を回復させ、早期に労働力を確保すれば良かったんです。

しかし、実際はその機会は訪れませんでした。
何故なら企業は知ってしまったからです。

あ、労働力極限まで抑えても何とか仕事回るし利益出るじゃん

アホかと(毒

その結果がこれです。今の若い方が苦労し、私達も苦労し、企業も人材が育成できずに詰んでいる状況です。

その結果、多くの方の年収が低下し、しかし物価は下がらない為、生活すら維持するのが困難なレベルの方も多く出る状況です。
そうした方が増え続け、そして年を取り婚期を逃した人が多くなった結果が、この笑ってしまう程、急速に進んだ少子高齢化と、労働力の不足状態です。

ちなみに、こうなる事は、就職氷河期の世代の方は多くの方が危惧していました。
ですから、そう言った危惧が高まって運動が苛烈になった結果、あの民主党(笑)とか言う、近代史に汚名を残す様な酷い政権が誕生してしまったのだと私は解釈しております(支持者の皆さんごめんなさい)

で、これまた生まれた政権が本当に張りぼてで、何も考えてないと分かってしまい大失敗したがゆえに、我々就職氷河期世代が委縮してしまった面もあると私は思っています。トラストミーは、私の中で一生忘れられない言葉となりました。

いや、もう全国民に謝罪したい。本当にごめんなさい。あんな政権を産んでしまってすまん。という思いが少なくとも私にはある訳で。(個人の感想です)

なので、そういう失敗例やら過去の痛手やら、現在のこの悲惨な状況を全て鑑みて、私達の世代って声が出せてないんじゃないかとも私は思ってるんですよね。

話を元に戻しますが、そう言った訳で、今の企業の体質を作り上げて来たのは、間違いなく雇用を絞った事が原因であり、それに胡坐をかいて何もして来なかった企業の責任であると私は考えます。

同時に、その状況をみて見ぬふりをした政権与党のせいでもある訳ですね。

だから私は、自民党と安倍さんが大嫌いなのです。
(けど不本意ながら今は支持しています)

そんな就職氷河期世代の一人として思う事

という訳で、そんな状況を生きる氷河期世代の中でも、見事に転落し底辺をさ迷う、私のような一個人が思う事は以下の事です。

もう私の事はどうでも良いから、若い子達を何とかしてあげて

割と本気でこの一言につきます。
色々とそうなってしまう理由があるのですが……一番、大きなものとしては

もう手遅れ

というどうにもならない、諦めの気持ちが強いからなんです。
そんな事書くと、色んな方面から怒られてしまいそうなのですが少なくとも私はそう思っておりますし、こういう人、意外と多いんじゃないかなって思っています。

あ、けど貰えるならお金は欲しいです(ゲス

まず、根本的な所をお伝えしておきたいんですけど、勿論、今のこの生活をもっと何とかして良くしたいと思っている事は事実ですし、実際、その為に頑張っている方も、気っといらっしゃると思うのです。

なのでそういう方々の気持ちや頑張りを否定するつもりは全くございません。って言うか応援したい。是非、氷河期の星として、世の中を見返してやって欲しいという、ある意味で邪な思いもあります。

でも、転じて、じゃあ自分はどうなのかって言う話なんですけど、

もう良いかなぁ……って言うか静かに生きて静かに死にたい

という消極的な心境であったりします。

と言いますのも、私は本当に幸運な事に、かなりギリギリな収入ですけど何とか独立して生活を維持できております。
ちなみに参考までに、私はWワークのフリータなのですが、年収は200万に届かないです。家賃は5万ほどなのですが、切り詰めれば何とか死なない程度に生きられる状況を維持できてます。

こういう状況を見て、うっわ底辺と思われる方も多いと思うのですが、そこは私が一番自覚しているので、まぁ、笑って流してやって下さい。

なぜそういう状況なのかと申しますと、原因不明の発作が不定期に起こるからなんです。
まぁ、かれこれ10年ほどの長い付き合いなので、対処の仕方も分かっておりますし今のところ、死んでないのでそこは楽観視しています。
問題は、発作が起きると強烈な頭痛に加え発汗と悪寒、しかも嘔吐しまくる上に思考力と気力が著しく低下して、まともに仕事が出来なくなるという事なんですよね。
前にも書きましたが、塾の講師もしておりますので、授業中に発作が出ると悲惨です。生徒からめっちゃ心配されるし(滝のような汗が出続けて顔が真っ青になる)、授業も満足にできなくなるし(けど逆に生徒が頑張ってくれる矛盾)で、もう大変。けど、首にしないでいてくれる教室には感謝しかありません。
一時期パニック障害なのかと思ったんですけど、お医者さんいわく違うらしいです。ついでにその系統の薬も全く効かないというオチがついて、現状、お手上げです。

これせいで、フルタイムの道が完全に閉ざされております。

大丈夫な時は1月ぐらい起きないんですけど、駄目な時は1週間連続とかありますし(この時は流石にぶっ倒れて救急車からの入院・点滴コースでした)。なので発作がいつ起きても問題ない状況を作れる仕事って言うのが本当にないんですよね。ましてやポンコツな頭も回らない様なおっさんですので、余計にお荷物にしかなりません。

で、これは別に私の事を憐れんでほしいからとか、不幸自慢したいがために書いたのではなくて、私の様に

普通に働けなくなってしまった人は沢山いる

って事を知って欲しいから書いたんです。
就職氷河期を頑張って生き抜いてきた方の中には、私の様に普通に働きたくても働けない人は多くいる筈なんです。皆、精神科のお世話になってますよ。いや、割と本気で。
ちなみに私の様に稼げない人は、精神科にすらお世話になれません。治療費出すなら美味しいもの食べます。潜在的にはそういう状況の方が多いんじゃなかろうかと。

あの時代のあの無茶な働き方をした人が、身体と精神を壊さずに今も元気に働いていられるとか、私は思えないですし、引きこもり云々の話にも直結して来ると思うんですよね。

また今は大丈夫でも、ある日突然、私の様にぶっ倒れて生活基盤を失う人なんて、今後も今の労働体系が続くなら吐いて捨てる程出て来ると私は確信しております。(嫌な確信ですけど)

だから、今、政府が打ち出している就職氷河期対策については、効果は余り無いでしょうね。一時的に伸びるでしょうが、無理して正社員になった方が、パタパタとやめていく姿しか想像できないです。だって今の環境だと正社員だから仕事が楽になる訳じゃないんで。むしろ、過負荷が上がって倒れる人が頻発するんじゃなかろうかと。

そして、政府の方も実態を全く理解できてないという事が浮き彫りになった形かなって思います。
もう遅いの。皆、ボロボロなの。そこから、更に働けー、正社員だぞーとか言われても、昔から頑張ってた人は、「あ、そう。けど私には無理」ってなるんですよ。

あと、私の様に普通に働けない人は、今の現状を壊すリスクが取れないという問題もあります。

私は今の職を失ったら、同じ様な待遇で働ける場所を確保するのは難しいと思っています。
今、何とかぎりぎりで頑張っている皆様も、恐らく同じ様な心境なのかと思います。

仮に好待遇の求人が目の間に出て来たとしても、今の不安定でギリギリな状況を壊すリスクを背負ってチャレンジできる人がどれだけいるのやら。失敗したら即、生活保護に転落という状況下で、そんな綱無しバンジーみたいな事出来る人って少ないと思うのですよね。

特に私の様に独り身ならまだしも、家族を抱えている方なら、その苦悩は更に深い物となるでしょう。

そういう様々な要素が重なった結果、今の現状が生み出されている訳です。

潜在的な労働力は多く眠っていると思うのですが、今の働き方ではそれを掘り起こす事は出来ません。
週1からでも、気が向いた時にとかでも、もっと気軽に働ける環境が整備されない事には、この眠った氷河期世代の労働力を活用する事は難しいでしょう。

賃金が上がれば云々という話も、一定の効果はあるでしょうが、本質的な所は、そこに尽きると思います。

もう日本古来の普通の働き方、やめませんか?

そうしたらもう少し生産性もあがるし、幅も広がって行くと思うんですけどね。

今回の記事はここまで。
お読み頂き、ありがとうございました。

こんにちは! 世界の底辺で、何とか這いつくばって生きているアラフォーのおっさんです。 お金も無いし、健康な体も無いけど、案外楽しく生きてます。 そんなおっさんの戯言を読んでくれてありがとうございます。