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ステロイド軟膏の賢い塗り方解説

 ステロイド軟膏は積極的に使用したく無い、でも使わないと炎症が治まらない、どうしたらいいの〜(>_<) これ店頭でよく相談受けます。今回はステロイド軟膏の賢い使用法をお伝えします。

この使い方はアトピー性皮膚炎に限ったことではありません「接触性皮膚炎(かぶれ)」「脂漏性皮膚炎」「酒サ様皮膚炎」「乳児湿疹」「自家感作性皮膚炎」「虫刺され」などステロイド軟膏を使用する多くの皮膚病に当てはまります。

簡単にステロイド軟膏の効果と特徴おさらい

①ステロイド軟膏の特徴的な効果は血管収縮作用
 (これにより炎症や痒みを和らげます(もちろん他の作用もありますよ))
初めて塗って3〜4日が一番効果(血管収縮効果)がしっかり出ます
③塗り続けると血管を収縮させる力が弱くなります(炎症再燃)
④ステロイド軟膏を約4日連続で休むと血管収縮力は回復します
 (個人差ありです)
⑤皮膚に使用したステロイド軟膏は2〜3日は皮膚に残ります
 (個人差ありです)

以上の①〜⑤は非常に重要です。覚えておいてくださいね。

どんな時にステロイド軟膏を使用するか

①痒みでかき壊してしまい傷やかさぶたがひどい
②かき壊した場所からジュクジュク滲出液が出る
③炎症がひどく腫れて痛みがある
④滲出液や痒み、痛みで眠れない

以上の様な症状をステロイド軟膏を使用せずに放置すると、かき壊すなどして患部を刺激し、どんどん症状の悪化を招くだけです。ステロイド軟膏を使用して炎症や滲出液、痒みを抑え眠れる状況を作ることが重要です。

では「ステロイド軟膏の効果と特徴」と「どんな時使うか」を踏まえて

ステロイド軟膏の賢い塗り方

ステロイド軟膏は血管収縮作用の強さで5段階に分かれます。体のどの部分にどのランクのステロイド軟膏を使用するかは以下を参考にしてください↓

まず
A. 炎症、痒み、滲出液がある部位に適切なランクのステロイド軟膏を選ぶ

B. 3日間連続でしっかりステロイド軟膏を塗る

C. 炎症、痒み、滲出液が軽減したら4日間連続でステロイド軟膏を休薬する
(ステロイド軟膏使用中もベースは保湿剤 休薬中は保湿剤のみ使用)

D. 炎症、痒み、滲出液が酷くならなければ保湿剤継続
  炎症、痒み、滲出液が再び酷ければ A に戻る

『なぜステロイド軟膏の連続使用が3日で休薬が連続4日?』

思い出してください
①ステロイド軟膏の効果は血管収縮作用
塗って3〜4日効果しっかり
③連用は血管を収縮させる力が弱くなる
約4日連続で休むと血管収縮力は回復
⑤ステロイド軟膏は2〜3日皮膚に残る

これを踏まえると使用する日が3日で休む日が4日納得いきますよね

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ここで注意!

注意1 3日使用で4日休むは症状が軽い時、炎症や滲出液が酷い場合は止むを得ずステロイド軟膏を5日使用して2日休む場合もあります。逆に症状が非常に軽い場合はステロイド軟膏を1日使用し6日休む場合もあります。

注意2 思い出してください「皮膚に使用したステロイド軟膏は2〜3日は皮膚に残ります」ですから1日おきにステロイド軟膏を塗る→休む→塗る→休むはステロイドが肌から消失していないため毎日塗るのと同じです。

注意3 ステロイド軟膏使用時でもベースの保湿はお心がけ下さい。その際、保湿剤を全身に使用してから炎症、痒み、滲出液のある部位だけにしっかりステロイド軟膏を使用しましょう。ステロイド軟膏を使用してから保湿を行うと使用しなくて良い場所にまでステロイド軟膏を広げてしまいます。

注意4 ステロイド軟膏は炎症がない場合極力使用を控えましょう。ステロイド軟膏を使う1番の目的は炎症を抑えること。例えば、乾燥して痒く炎症がない場合には保湿剤や非ステロイド軟膏で十分です。炎症がないのにステロイド軟膏を使うのは副作用のリスクを高めるだけです。

いかがでしょうか?「ステロイド軟膏の賢い塗り方」参考になりましたか。
実際はステロイド軟膏だけではなく、『亜鉛華軟膏』『サリチル酸ワセリン』『プロトピック軟膏』等を上手に使い分けたり併用すると早く症状の安定が可能ですよ。

*あくまでも参考です。ご自身の判断だけで使用せず、必ず医師、薬剤師、登録販売員等に相談の上ご使用ください。

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