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VRChatでウワサのお砂糖はお塩の味がした。溶けないお砂糖があればいいのにね。思い出は調味料に還元できないからBlenderを始めた話。

巷でウワサのVRChatをプレイした。

"お砂糖"とか"Just"とか、界隈のバズワードについては事前に調べてあった。

なので、世界最大のVRワールドに降り立って最初にしたことは、それらについて無邪気に質問したり、ワールドを訪問してみることだった。その節はごめんなさい。

人見知りで恐怖症の私にそんな事ができたのは、その世界の人達がすごく優しく迎え入れてくれたから。

VRChatは海外のゲームで、日本人のコミュニティは小さい。ふと見ただけではどこに存在するのかもわからない。知らない世界に独りぼっち。
初めて日本人が集まる隠れ家的な場所に案内してもらったとき、こんな場所があったんだと感動したのでした。

そこには色んな人がいて、才能に溢れていたり、才能がない才能を発揮できたり、寛容で、居心地がよくて、素敵すぎた。

たまたま同じ学校に通っていて、そこに居合わせたという奇跡だけで繋がった、別々の道を歩むであろうクラスメイトとの奔放な時間。わたしは唐突に、まるで放課後みたいですねと言った。何人かがこちらを振り向いて、静かに首肯した。

「VRChatは失われた青春ともいわれているんだよ」
「現実の青春も謳歌したけどな!?」
グループの長のような人物と、その親友のような人が楽しい掛け合いを見せてくれた。ごちそうさま!

それから、VRChatの日本人コミュニティで起きている情緒的なイベントを、ほとんどぜんぶ体験した。

お砂糖

尊い。とても甘美な響きで、私もあわよくばドロドロの糖分にまみれてみたい。

なかよしはいいものだ。それがたとえ何だったとしても、人畜無害な愛情の交換には人を癒やす力がある。

好きが高じての、人の奪い合い。独占欲、寂しさ、嫉妬、書けないようなこともある。なんてリアルなんだろう。

かすかな違和感を、あえて考えないようにしていた。

いい。だから、なかよしは尊い。

お塩

お砂糖にはお塩がついてまわる。

辛い別れにお塩を振って忘れていく、そんな健気さが好きな言葉だけど、体験したくないなーーーと思う。

お塩が辛いからお砂糖はしないという人がいる。私もそう。

結局!
思い出は調味料に還元できないのだ。私にもVRChatじゃないけどずっと帰りを待ち続けている友だちがいる。どうしていたらよかったのかと、半年経ったいまでも反芻してしまう。

😭溶けないお砂糖があればいいのにね。それは常にあとになってからしかわからない。100年後も溶けなかったお砂糖。そんな実例もいつか語られるようになるのかな。

ロマンチック。

Just

Just◯◯。

果敢にもプライベートで潜入してみた私は、そのJustさに思わず赤面してしまった。思春期か。

Justを揶揄しながらも界隈への愛の深さを伺わせる、シニカルなネーミングのワールドもたくさんあった。

なぜかこの系列のワールドはおふざけっぽさの割にクオリティが高かったりして、尊敬の眼差しを送りました。


Blender

Quest2のサイバーすぎる形に戸惑いながらも、偶然レンズを覗く機会を与えられた私はすっかり虜になっていました。

すべてがカンバスになったような空間に、小さな頃にぬいぐるみ遊びで空想したキャラクターや、顔が良い人、部屋、街、世界、物語とかも作りたい。
そのためにBlenderをはじめました。

最初のオリジナル3Dアバター。アホなので試着のたびに自画自賛して鏡の前で悶えました。もっと可愛くしたい。

癒やし

そのような人たちが作ったコミュニティは優しさに溢れてて、そこから出たくなくなる沼のようでした(言い方)。赤ちゃんと親の関係のような、極度に私的で安全な世界。

こういう世界の礎になりたいと思った。たった一人で、どこか抜けてるポンコツで、まだ砂浜の小粒ほどの効力すら持ててないですけど。

ずっと未来に、現実と仮想現実が切れ目なく繋がって、何も取り合わず、誰も取りこぼされずに癒される空想が具現化したころ、社会が幸福に満ちる白昼夢を見た。この世の天国、いなくなった人との再会はそんなふうに訪れるのかもね、などと思いながら。

おわり


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