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私は、Vtuber業界やVtuber文化のために金や時間を使うわけじゃない

 Vtuberの声優は交代できる!声優を交代できるYouTuber!企業にとって美味しい!

 そんな幻想、誰が思い付いたのだろうか。

 アニメですら安易な声優交代は炎上や人気の低下を招く。そんなことは過去何度も繰り返されてきた。しっかり理由を明らかにしたドラえもん等ですら、かなりの反発があったのだ。

 アニメどころか、Vtuberの圧倒的大多数はYouTuberやアーティストや配信者に近い存在だ。YouTuberやアーティストや配信者は当然ながら交代などできない。

 Vtuberの声優交代なんて、「台本オンリーの動画勢で、ファンが納得するくらいのバトンタッチが為されれば、なんとかファンの何割かは二代目に引き継げるかもしれない」という程度だろう。

 声優交代できないVtuberなんて企業として旨味がない、これでは企業の新規参入なんてないという声もある。確かにそうかもしれないが、YouTuberも声優もアイドルもお笑い芸人も交代なんてできないが、それに関わる企業はなくなっていない。Vtuberに必要な経費が、YouTuberやアイドルと比較して高いのか安いのか、そんなものはケースバイケースだろう。化粧や衣装はガワであり、ステージの確保は配信環境の確保だ。むしろ、安価に参入できるなんて理由でVtuber業界に手を出すような企業には不安しかない。

 今勝ち残っているVtuber運営達ですら、リスナー達の多くが務める企業では想像できないような杜撰な状態であろうことは想像に難くない。界隈を燃やすような企業にはこれ以上入ってきて欲しくないと本気で思う。まずは今残っている企業がまともな企業になるために、ノウハウを学び、スタッフを教育し、スポンサーに半年ROMらせるくらいの時間が必要だろう。本業の片手間にVtuberを使ったサントリーやヤマサ、タツノコプロや茨城県庁等が大した炎上もないのは、まともな組織や契約形態が以前から成り立っていたからであろう。

 私はVtuber業界やVtuber文化のためにカネや時間を費やしているわけではない。Vtuber業界やVtuber文化が私の推しを潰すくらいなら、業界や文化をぶっ壊してでも推しを救いたいと思うだろう。

 声優以外の沢山のスタッフの努力が声優一人に集中してしまうなんて話もあるが、それはアイドルやお笑い芸人も同じことだ。裏方の仕事は裏方の仕事なのである。歌ってみたの概要欄に書いてあるクリエイターの名前を何回読んだことがある? 映画のスタッフロールの名前を何人覚えている? 世の中の圧倒的大多数の人間はスタッフロールにも概要欄にも載らない。

 これからも、Vtuberに声優交代なんてことが根付かないことを私は祈り続ける。