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6from HiGH&LOW THE WORST

脚本に理性がある!!!

おっきい声で言いたい。HiGH&LOWシリーズで一番綺麗にまとまり、出した要素を全て回収して言いたいことを言い切って帰ってった。6fromの通りに六人の幼馴染全員から外に向かって広がる世界の話を6話でやってのけたので見てる最中ずっと「面白いよね?!?!」って言い合ってました。本当に面白かった。他のタイトルが面白くないわけじゃなく、群を抜いて整ったストーリーに圧倒された。

無印にあった勢いって大事だけど勢いだけではままならないよね、という話を踏襲して何かを叶えたいなら時間をかけて努力すべきだし、何かを得たいなら出し惜しみしてはならないし、思いっていつかは報われるし、大切なものは表面的なものじゃ無いよねっていうのを3時間ちょいでやりきってたしそれを言葉じゃなくて事象で示してたのですごい…どうして…HiGH&LOWとかepisode0はそんなことなかったじゃん…と思ったんだけど各話に10分くらいの喧嘩シーンがなかったからかも。合わせて1時間あれば大切な話ができるのも当たり前かも。そうかも!!!!

しかも喧嘩シーンがないわけではなくモトアキと楓士雄との神社でのやりとりは喧嘩の形をした対話であり救いであり楓士雄が彼の目線に立って手を差し伸べてる結果として殴り合っていて、HiGH&LOWがずっと言ってる「喧嘩したって何にもならないなんてこと分かってる」への特大アンサーだった。

そういう喧嘩もある。そういう喧嘩は相手への理解で発生する。相手を拒絶しないで受け止めるから、形として暴力だとしても最後に和解が待ってる。これって楓士雄がモテモテな理由の一つでもあるんだけど、モトアキくんが暴力しか持ってないから、楓士雄もそれで返してくれるわけで、彼が疲れ切って傷だらけになった時は同じく疲れている楓士雄が立ち上がるために手を差し伸べてくれるんですよね。楓士雄っていつでも待ってくれてて…俺を…俺を待ってくれてて…。だって全部知ってたら「いいんだ!!友達になろう!!」を開口一番してもいいわけじゃないですか。しないんですよ楓士雄って、俺のことを…俺を見ててくれて…。楓士雄の舎弟ってみんなこれなんだろうな…。俺の好きなものとか全部言った見てくれて、何もわからなくても俺が楽しそうでいいな!!また誘ってくれよとか言ってくれるんだろうな…。なんかこの話を考えるたびに楓士雄の舎弟になる夢が混ざり出している。俺が困ってたら困ってどうしようもない間は楓士雄って隣で一緒に悩んでくれて…。でも幼馴染6人にはなれないし、司くんみたいに晩御飯を食べにきてくれない。晩御飯ってなに?!?!!???!まどかちゃんが「彼の家から帰ってきたとこ…♡」って言ったとに「つかさんち」ってワードが出てきたから一瞬動揺した。何食べたか教えて欲しい。


2代目大大亭としてやっていってほしすぎる

一晩経ってもやっぱりここのアラタとマスターの息子さんの2人がいい。

そもそも「大大っていうのは2人の名前から取ってる」の時点で「そんなに仲が良かったんだ…」って思ったし、その死んだ相方の息子がふらっと現れて泣きながら自分のオムライス食べたりなんかしたら人生がめちゃくちゃになる。

そもそもここに至るまでの話の繋げ方がいい!、!冒頭に10年前に埋めたタイムカプセルを全員で見直すことで6人がどんな人間で、その夢は今の当人たちに取ってどう映っているのか?って話をしたから未来に進む物語として綺麗にスタートして大団円で着地している。まどかちゃんは昔から変わらずお父さんとの絆として、そうでなくても自分がなりたいからクラリネットを続けているし、アラタは自分が料理を好きなことを忘れていたけど今はみんなのおかげでそれを思い出す余裕ができて、それって今はいないお父さんとの思い出で、つまりなりたい世界一のコックは父親のことを指してるんだ。みたいな話の動線がめちゃくちゃうまい。どうしたんだ。本当にどうしたんだ。未来へ進む話を一旦過去から始めることで全員の視線の向きを揃えたりするのなんてそんな、SWORDって全員好き勝手やってたからしっちゃかめっちゃかだった二の舞にはならないってこと?すごすぎるな…。

worstの映画で道を踏み外していたアラタだけど、この時期まで彼が何者でもなかったのは大大亭に連れてきてもらってマスターに出会うためだったし、道を踏み外してたからこそ、お金が必要だったからこそ、息子さんに説教できるだけの経験があるし、彼に取って何が悲しいのかを当てることができる。すごくない?!?!!?どんな人生も無駄じゃないし、時期ってあるし、出会いってあるし、それに辿り着けたのは幼馴染5人がアラタのこと見捨てなかったからなんですよ?!!!!HiGH&LOW…!!!!!HiGH&LOW…!!!!

息子さんとアラタの関係はそのまま大大亭をやろうとした一つ上の世代であるマスターからは眩しいし、それって鬼邪高校の次世代は誰でどんな姿なんだと問いかけてるworstの「次世代への希望」を再演してる気がする。そういう幸福で待ち侘びた世代交代もある。何かを引き継ぐことは感謝と出会いに満ちてる。凄すぎる。

愛がなくて余裕もなくてお前しかいない

モトアキくんってさ…!!!!!!

HiGH&LOWには笑いながら喧嘩して血が出ても骨が折れても喧嘩を続行するやつが5人はいるんですが、そいつらとは完全に違う、多様性のある喧嘩狂いだった。戦いに喜びの類を見出していない、喧嘩しか手にしてないから笑うしかない。ドラマが進むにつれ、初登場時のトリッキーさが嘘のように悲しくてひとりぼっちで動けない様が掘り下げられていく。掘り下げ?!?!!??

掘り下げ?!?!!!?私たちはコブラのこと何も知らないのに!!!!

モトアキくんが全てを失ったから、自分を拒否した他人の中で唯一「俺のとこ来いよ」って言ってくれた楓士雄を頼りに地元に帰ってきている。だから初めは不気味な言動も「助けて」と「こっち見て」なるのがすごく良かった。それに答えてくれる楓士雄もセットだから尚更好きな展開だった。

記憶なんてさ!!!!!!!って言える幼馴染強すぎ

だって幼馴染の強みというか縁って長い時間を共に過ごして幼い頃も今も知っていてなお隣にいることなんじゃ無いんですか??!?

違うわけ!!!!!!!!!!そんなもんじゃないわけ!!!魂を愛してるからさ!!!別にいいわけ!!!!

記憶を取り戻すのか?のフェーズが6話にきたからもしかしてworstのクロスってその話もやるのか?と思ったら解決せずに解決したの凄すぎる。別にいいんだよ。俺たちの間にあるのは記憶だけじゃないからさ。

ずっと楽しかった。本当に楽しかった。どのエピソードも好きだし話として綺麗だった。worstクロスが楽しみ!!

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