スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース

連休の時に親友と見てきた。
何みよっか?って時に「スパイダーマンバースを今アマプラでみてから2時間半後の新作を一緒に見て欲しい」ってわがまま言って見てもらいました。ありがとう!!!アイアンスカイの時もこれやったけど楽しいね!!

続きものだった

知らなかった。
グウェンの前作から今作までの語られてない話が丁寧で、赤と青の対比を使った外と自分との乖離の描写をたっぷり見せてくれて初めからしんどくて泣きそうだった。ここのグウェンがミゲルに拾われるまでが結構長かったので今作はグウェンが主人公なのかと思ったら普通にマイルズだったし、前後編だった。
グウェンの抱えてる悩みが「1人きりであること」と「1人じゃないことを知ってること」なのが本人と世界との色合いの違いで表現されてるのがめちゃくちゃ良かった。本来ならあの色合い一本で美術を乗り越えられるくらいなんだろうけど今作はスパイダーマンバースなので表現の一つでしかない。すごすぎる。
グウェンは一作目だとクールで頼りになって隙のないスパイダーウーマンだったけど、多分一作目の時点でもかなり見栄を張ってギリギリの時とかあったかもしれないし、おばさんとBJにBパーカーがめちゃくちゃになってたけどグウェンも親友がこれくらい雑だったら今も生きてたかもとか、あの世界の死んだピーター・パーカー見て自分でなければ彼はもっとうまくやっただろうかとか思いもしなかったことにぶち当たってたかもしれない。

グウェンとお父さんの関係もかなりしんどくて、お父さんに憧れて手伝いたくて始めたヒーローだったのにそれが認められなかった時に生まれた世界の未練が完全になくなってしまって吸血鬼忍者スパイダーマンについていってしまう。吸血鬼忍者スパイダーマン?!?!?なに??!?私がめちゃくちゃな聞き間違いをしてない限りそう言ったと思うんですけど本当に何?!?
ミゲル・オハラ的にあのグウェンと父親のシーンは「娘を見捨てた父親」なのでグウェンの力量不足が明らかでも見捨てられないんだけど、ミゲル・オハラなので「父親から娘を取り上げる」をやってしまっていて本当にだめ…。

スパイダーマンみ〜んな明るい

本当に明るい。めちゃくちゃいたスパイダーマンの中には常時暗いやつもそりゃいるだろうけど基本的にみんなから人気で明るくて前を向ける人間を捕まえて曇らせる作品なので本当に明るい。カルマイベントさんはいい趣味してる。

追加スパイダーマンのホービーとパヴィトラもめちゃくちゃアッパーなの本当に最高。あの2人が主役の作品がめちゃくちゃみたいけどホービーの世界を作品にするのちょっと反逆精神強すぎるかもしれない。
パヴィトラの「スパイダーマンを始めて半年…」に「半年?!?」ってマイルズがびっくりするところも今思えばマイルスの伏線なの本当に丁寧な作品。それにミゲル・オハラは全てのスパイダーマンを掌握しようとしてるっぽいのがなんか必死でいいですね…。なんの話してもミゲル・オハラに戻ってきてしまうな。

ホービーがめちゃくちゃ好き。本当に好き。私は2枚目で気障すぎる山寺宏一のことが好きだし軽快でロックな木村昴が好き。
自己紹介のリリックをどうにか公開してほしいし、設定資料があるならめちゃくちゃ読みたい。自己紹介中に「おっと、自分から言うことねえな」みたいなことを言ってて、彼はスパイダーマンとしてあの時代の正義のシンボルマークをやってるけどそれはそれとしてバンドマンというか運動家としてもめちゃくちゃ名を馳せててその時と同じ発言して匂わせるなんて粋じゃないからセリフを切ってるところがあって本当にそういうところがいい…。かっこいい…。マイルスはおじさんの影響で自由でちょっと悪い感じの年上の男性にめちゃくちゃ弱いのでホービーのことも当然好き。グウェンに恋心みたいなのを抱いてて完全にスルーもされてるから気が気じゃないのにホービーのかっこよさで一旦どうでも良くなるシーン大好き。

ホービーの「指先だけじゃなくて手を使うんだよ」を捕まった時にジェスチャーで教えてくれる下り、マイルスが「大きな力に逆らおうとしたから」助言してくれているあたりが一貫性があるし、そのあと「俺は降りるぜ」って時計を外して自分の次元に帰るのも本当に良い。自身が「大いなる権力」側にいるのを拒否するあたり、おそらくスパイダーマンバースの中でも「それから○年間、たった1人のスパイダーマン」ってセリフを追い求めてる人だと思う。なんだかんだ言ってミゲルに集められたスパイダーマンたちは根が明るくてみんなの中心!みたいな人間の集まりだろうから一緒にいることに拒否感とか示さないだろうしなおさら特異だと思う。それはそうとどのスパイダーマンも「たった1人でも立ち上がる」はするので本当に怖い集団だとは思います…。

アメコミ最強ランキング!みたいな話って無限にあるだろうし、私が見てる中ではドクター・ストレンジとか無法だと思うんだけど「傲慢さで職を失った外科医が魔法使いに転職する」っていう話から繰り出される当然のメンタリティと能力の強さは確かだけど、「大切な人がいる青年」って前提条件しかない人たちが「蜘蛛に噛まれただけ」で世界を救おうっていうんだから振れ幅的にはこっちの方がやばいし、敵に回したくない。
ただの青年が生活を守るために全てを投げ捨てたら世界はどうにかなる、っていうことに読者が望みをかけてるのもあるので特別なことができなくても彼らってちょっと怖いくらい強いと思うな〜実際、ミゲル・オハラってただの父親が次元由来の技術力を使ってるだけなのであの次元に生まれたスパイダーマンってみんなああなる可能性がある。生活のために全てを使うので…。

ミゲル・オハラ、確固たる決意で各次元のスパイダーマンを集めてマイルスに絶対反論させない理論武装もあるのに、戦闘シーンに入るとホログラムの女の子とかグウェンにも口論に負けるところがある。その上、戦ってる最中は割と軽快な話し方をすることもあり、その様がBパーカーにめちゃくちゃ似てるので本来はBパーカー寄りの男が世界を一つ壊した結果ああなってるのかもしれないって勝手に思っている。昔の自分みたいな責任のなさで娘と楽しくやってるBパーカーのこと嫌いだけど、子供のことは憎めないのでおそらくどんな粗相されても一切怒らず、そういうところだけ見てBパーカーに「いいやつだな〜」と思われてそう。

アース42

終盤あたりでグウェンとマイルスがすれ違いが判明して、おじさんとマイルズが向き合って「アース 42」って出るところ、かっこよすぎてどうにかなる。ちょっとダークな色合いと世界観と生きてる人と死んでる人、いるべき人がいない世界に放り出されたマイルス。が終盤あたりでお出しされた時は流石に「終わるのかこの映画…?!」と「まだ面白くなるのかこの映画!!」って思ったけど終わんなかったしまだまだ面白くなる。
アース42がうっすら治安が悪いのか、スパイダーマンがいないからあんなに治安が悪いのかわからないけど、どっちにしろ「透明になれて機械を壊せる」能力が必要とされる世界な訳だから相当過酷なのは確かなので〜死なないでくれマイルス…。

めちゃくちゃ楽しかった、本当に新作が楽しみ

追加

吹き替えで見たんだけど家族がスペイン語を話すシーンに字幕がなくて、何言ってるのか分からないのが印象的だった。お母さんは自身のルーツを大事にしてて、それをマイルスにも感じて欲しい。ってシーンで多分「愛してるわ」から「聞いてるのかこのバカ息子」まで色々言ってると思うんだけどスペイン語知らないので実際にはなんて言ってるかさっぱり分からない。これってミゲルの指示でマイルスを追いかけてきたスパイダーマン達のほとんどに原作があるけど知らないと分からない。と構造が同じで、知ってることで広がる世界があってそれぞれに大切にすべき物語があるよね、みたいなことだった気がする。

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