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HiGH&LOW THE MOVIE2/END OF SKY

マグさんとみた!年末から新年にかけてインフルと原稿に追われてお休みしていた鑑賞会を再開させてもらったんだけど一発目がザム2だったせいで全てをぶん殴られた。

「説明してくれ、新登場が多すぎる」

多い。本当に多い。

いや、ザムを初めて見た時の「なんか2ダースくらい人いない…?」からみたらもちろん新登場は10人くらいなんだけど、シリーズもので10ってあり得ないですからね。普通ないよ。

でもどうなんだろう、LDH主催のコンテンツなことを思えば「今回初登場はこの10人!!」みたいな感じで厳選されてるだろうし(いっぱいいることしか知らない)、女の子はほぼ増えてないしまだまだファンとしては「出してくれ〜!」って思ってる人たちいそう。それはそうとザム2っていう状況においても「流石に顔を知ってる」みたいな人が2人くらい出てきて層の厚さをひしひしと感じる。本当に無知の状態でHiGH&LOWを見てるので「あーーー!!??知ってる!!!、」みたいなわくわくをずっと抱えてます。

そんな私の横で一緒に見てるマグさんが「この俳優さんをサイレントで追加することある?!?」ってずっと驚いてるので俳優さんの方もめちゃくちゃ追加があるっぽい。

ホワイトラスカルズとか増えてたよね、減ったからその後ろにいた人たちの顔が見えるようになっただけかもしれないけど…。あそこの減った見た目重視の4人組、正史に飲み込まれてバンドマンになったし多分この後にホワイトラスカルズでの経験とかを活かして女々しくてをリリースして大ヒットするんですよね…。

LDHとしてのメンバーとかアクションのできる俳優さんをめちゃくちゃ増やしていくコンテンツではあるんだけど、なにせHiGH&LOWは「…頭文字をとってSWORD地区と呼ばれた!!」がメインだし、彼らの絆を描く話なのでこの5グループは基本的に追加ができないからグループそのものを増やすしかなく、あと7龍くらいは出せるヤクザの他は何が出るんだろ〜!!!って思ってたら

SWORD地区には2つの刑務所がある…!!!

って始まったからHiGH&LOWってすごいよ。どこなんだよここ。

この展開で登場した明らかに悪そうな感じで喧嘩しているジェシーが敬虔な信徒っぽい言動をしてICEと仲良しだからキャラクターの作り方がめちゃくちゃいい。SWORDと敵対しがちな彼らのヘイト管理を「かっこいい音楽をかっこよく歌えてパフォーマンスも最高」と言う方向で調節してくるし、それって自社商品への自信と誇りだから応援してる側としてはもちろん嬉しいし当然彼らを憎めない。

それはそうとザム2の詰め込まれた脚本において「一旦MIGHTY WARRIORSのかっこいいライブシーンやるから見てよ!!!」って3分くらい音楽だけ聞かせにくるの強気すぎる。実際めちゃくちゃかっこいいからめろめろになるんだけどさ…ほんとにかっこいい…。

ジェシーがMIGHTY WARRIORSのライブ会場で静かに笑ってるところまではまるで一触即発だったのにICEが「おかえり兄弟!」って言って彼に向けたなんかすごいダイレクトな親愛ソング歌うところ、ジェシーが「仲間と音楽とファッションを愛する彼らに認められてる」「前科もちとか気にしない信頼関係が彼らにはある」「時間とか距離は友情に関わらない」を一気に示されたしそのあと「あいつ(関口メンディー)をMIGHTY WARRIORSに入れてくれ」を快諾したので「人間を見る目を信用してる」まで追加されたのであの10分くらいでムゲンと山王がボロ負けしている。メンバーを見極める余裕がなく、ノボル(前科持ちの友人)とうまく会話ができず、離れてた時間だけ引きずる、仲間の言い分を素直に信じられないの彼ら、普通にMIGHTY WARRIORSにこの時点で負けている。

だからこそ明らかなんだけどMIGHTY WARRIORSのかっこよさも在り方も完成してる様と対応してまだ未熟で割り切れない山王とかが見てる側としては応援したいし、彼らの頑張りに感化されるし、葛藤してくれるところにもどかしさを感じつつも嬉しくなるんですよね。再開発と商店街のことで板挟みになる様は等身大だけど、メンバーがヤクザの幹部になってても「単に今はここにいないだけ」みたいな無言の信頼を寄せれるところはちょっと離れ技すぎるから…。

でもMIGHTY WARRIORSのそう言うところがめちゃくちゃ好き。劉さんがヤクザになってることをずっと心配してたけど「あぁ、あいつ?いま九龍だよ」って答えられる信頼って本当にかっこいい。しかもジェシーがこの質問するので付き合いの長さとかを一気に語るシーンなのもいい。幼馴染なんですよ彼らも、1人だったところに集まって居場所を作って今に至るんですよ。山王じゃん…。

あとHiGH&LOWは当然本業が俳優ではない人たちがたくさん出るし、その人たちにあんまり演技をさせないところがあるんだけどその筆頭は今回出てきた関口メンディーだと思う。別に彼の演技力がどうとかではなく、声音とか喋り方がいい人すぎる。一瞬出てきた回想シーンの子供のためにご飯を持ってくるところとかが素の喋り方に近いっぽいし、それ以降2単語以上喋らないの、かなり彼が気のいい兄ちゃんの喋り方がだからだと思う。喋り方以外にもインスタで見たら「思ったより爽やかな青年だな…」みたいな人たちいっぱいいるからこの作品はメイクとか衣装とか目つきでHiGH&LOWをしている。

「俺やっぱ車ダメっすわ」

価値観が違うからSWORDとは喋らないMIGHTY WARRIORSに対して、世界観が違うから同じ画面にいることはないでお馴染み元ムゲンの2人と雨宮兄弟のターン、話の根幹に関わるので絶対やるけど本当に絶対同じ画面で喧嘩しない。

喧嘩シーン、一対一の拳の殴り合いは常に華としてラストに今作のメインキャラがやる(今回だとRockyと蘭丸)けど、乱闘シーンはわりと派手にインフレしているから武器ぐらいなら持つし瓶は割る傾向にある。だけどこのインフレの余波を一身に受け、インフレさせてもいるのが琥珀九十九ペアで、九十九さんは今回に関して言えば車に轢かれても回避したしなんか電流の流れる棒で殴られても殴り返してたし、事故った車から無傷で出てくる。なに????

この人たちをSWORDの乱闘に打ち込むと話が終わってしまうので基本的によそで喧嘩をしているのだいぶ面白い。その代わりに三階から落としても死なない不死身侍が彼らの前に投入されたりとかしてバランス調節を図られており、かっこよくて最高だけど何?とも思う。

Rockyがこの映画のラストに蘭丸に殴られても倒れず、不利な状況でも退くこともなく、白い服が他人に汚されてもなお立ち上がり続ける様を描いた30分前に不死の侍が琥珀さん追いかけ回し、琥珀さんは琥珀さんで彼にオーバーキル喰らわせて、侍はそれでもなお生きてるのを見せたとは思えないよ。この辺、時間を空けることで世界観の調節をしてるの今気がついたけど荒技すぎる。みんなコブラとテッツが喧嘩してることに気を取られてRockyがボコボコにされてるのと同じ量殴られてる琥珀さんが無傷でイトカンに来てることに気がつかせてもらえてない。

あとやっぱり兄貴の仇とはいえ武装ヤクザ集団を壊滅させた雨宮兄弟、何してもいいと思われてるし実際なんでもやる。しかも兄貴を探すっていう物語的な位置エネルギーを失ったにも関わらず「兄貴の意志を注ぐ」って人が琥珀さんの横にいるだけで文脈が乗るし、なにより雨宮兄弟の伝説はマジなので全員が「雨宮兄弟…?!」みたいな反応をしてくれるのがだいぶ美味しい。多分ザム3もバリバリ登場する。

あと九十九さんがさ!!!!九十九さんが琥珀さんの横にいてくれて嬉しいよ。今回に関しては「行くぞ」って声もかけてもらってますからね。声以外もかけろ。労とか労え。

琥珀さん、どこまで行っても動機に「タツヤを、」がある人でありそんな人が「喧嘩することは間違ってても、喧嘩したいと思うことは間違ってない」って言うことに意味があるのはめちゃくちゃわかるし、感動するし、変わってるんだなこの人も…!と思うんだけど九十九さんの方ももうちょっと見てほしい。頼む。九十九さんは琥珀さんに「俺やっぱ車無理っすわ」って弱音を申告してるんだぞ…。お前もしろ…!!

でもこの人(中の人)がMariaの作詞と作曲をしてるので全部許してしまう。ぜーんぶわかっててやってる。青柳翔にMariaを歌わせた上で会話せずにいる。ずるいよ…。

「スモーキーの代理だ」

インフルで死んでた年末年始にサントラを上から聞いてたのでメインの曲がだいぶ分かるようになった。特にルードボーイズのイントロは鬼邪高校くらいわかるようになった。

あのハイテンションに心音が止まってる時の心電図みたいなイントロと歌う前の英語のパート→get down!って始まる曲のげっだん!と一緒にルードボーイズが出てくるので画面に彼らが出てくるより前に「ルードボーイズだ!!!!!」って思えるようになっている。あとMVも見てるから流れるたびに「セレブ王子の声だ…(Prince of legendは見てないです)」と思ってる。HiGH&LOW見てる最中に各チームのテーマソングがなぜかルートボーイズだけいかつくないなあと思ってたら歌ってるチーム?が違うのをやっと知りました。そうなんだ、GENERATIONSっていうんだ…。

サントラがとにかく楽しい。各チームのテーマソングはフルで流れるほど時間がない作品だから(MIGHTY WARRIORSの曲はほぼフルで流れる)、達磨一家とかいちごみるくの曲は聞くと楽しい。あとMaria。Mariaってすごいんですよ、九十九さん本人が無力感と寂寥感とそれでも追いかけてそばにいたい心境を歌ってる。やばすぎる。私に都合がいい。ずっとこれを聞いてはめちゃくちゃになってるしザラのDVDも買ってる。

メインテーマでいうとサントラを聞く前から達磨一家の曲が好き。voice of red、かなりダイレクトに達磨一家のことを歌ってるしタイトルもかっこいいし「だ る ま い っ か !」って締めのおかげでチーム名を覚えたのもある。あと達磨一家、引っ越してなかった?なんか知らん場所に居を構えてなかった?ザムで寺が焼けたから???なんかネオン輝く麗しくて怪しい繁華街の真ん中に日向さんがいてびっくりした。

SWORD地区はカジノの再開発を受けるらしいけどもう達磨一家が丁半博打はやってそうな雰囲気だった。なんだったんだろうあれ。ホワイトラスカルズとは違う雰囲気の店?地区?を経営してることで今回の「蘭丸と旧知の中の日向さん」がホワイトラスカルズ、ひいてはSWORDの側にはつかないかも!と言うのが可能性として浮き出てて楽しかった。

蘭丸さん、ダウトの創始者でRockyと因縁のある人物であり傭兵を雇うような人間であり九龍とは関係がない立場で、あんまりに便利。すごい。この人だけで映画が回ってるようなもん。この人がいるおかげで琥珀さんとか雨宮兄弟を絡めることなく本編が進んでる。あともしかして戦国HiGH&LOWってこの人を起点に信長様とか出ますか?

蘭丸さんのモチーフカラーが赤であることも好き。達磨一家も赤だし、なによりRockyと戦うシーンの画面がめちゃくちゃかっこよかった。普段はダウトと白黒で対立してるホワイトラスカルズの「潔白」を赤白で「汚れが目立つ覚悟」みたいな感じで返り血も土汚れも背負ってるRockyさんがふらふらになるたびに本当にかっこよかった。そういうところを知ってるからあの4人組も決死の覚悟でルードボーイズを頼ったんだろうし。

ザムはお祭り映画の側面もあるからいかに「全員大集合させるか」ってところもある。冒頭のコブラが「SWORDで同盟を組もう」はその理由づけでもあるし、彼の「親友の居場所でありたい」って思いから一歩踏み出した証拠でもある。だからそれだけでもテッツに対して反論できる気もするんだけど、それをしないのはコブラの「それだけで言い出したわけではない」って実直さだし、九龍への反感がノボル由来で存在することは無視できないし、なにより直接彼らのことを救える最善手ではないし、もっと言えばコブラは琥珀さんやノボルの一件で「何もかも全てを救えるなんてことはない」って知ってる節がある。HiGH&LOW自体がそういうテーマを背負ってるし、タツヤさんも雨宮の長兄も死んだし、琥珀さんは2度とあの快活な兄貴分には戻れないし、ノボルはずっと罪悪感を背負ってるし、それらを取り戻せなかったことに対する自分の後悔も消えない。でも正しいことはなんらかの形で報われると信じてる(ドラマとかザムとか)コブラはそれを言わないし、今回の救えない要素は自分への信頼がなくなることだと腹を括ってそう。商店街のことを考えてないわけじゃないだろうけど最善を尽くしたら立ち行かないことはないと信じてあの言葉を言ったところはあるだろうし、つまり、最善を尽くせてしまう所がコブラの強いところで「お前にはわからない!」って言われる所以でもあると思う。みんな消えたりなくなったりすることに対して真正面に向き合えるわけではないことを、知ってるけど、知らないというか…。強いから強いんですよね、だから「強いことが強いことを証明できればいい」鬼邪高校のトップである村山くんに好かれている。

ザム2、楽しかった〜!!!!!!!ザム3もみます。

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