ハリー・ポッターと謎のプリンス

マグさんと見た。

マグさんはヴォルデモートのこと「おヴォル」って呼ぶんですけどいい感じに不敬で好き。

なんか面白くない??


この辺から暗くてあんまり見返してないのもあり、初めて見る気がするシーンとかがかなりあった。かなりあったんだけど謎のプリンスってこんなに面白い映画でしたっけ?あの作品が面白医のもあるんですけど日常パートのコメディがノリノリでびっくりした。

幸運薬をロンに盛る振りをするハリーってそもそも「ロンには実力がある」「ロンは思い込みが効く」を確信しているから行動に移してるので本当にロンのこと信頼してるんだね…。ハーマイオニーは信頼してないのでオーディション対抗相手に錯乱の魔法をかけます。
この試合が終わってからラベンダーって彼女ができるロンのメロメロでベタベタな感じって「初めて彼女ができた!」だし、「自分を見てくれる女の子が現れた!」なんだけどロンの魅力に6年目で気がつくの結構遅いし、ハーマイオニーは2年目からロンのこと好き。

倒れたロンの上で口論を始めるラベンダーとハーマイオニーの「ロンが最近面白くなったから近づいてきたんでしょ!」「は?違うわよ。〜ちなみにロンは昔から面白いわ」の掛け合いかなり愉快だった。好きとか片想いし続けてるとかそういうのは口に出せないけどロンを見てなかったと言われるとムカつく心境とマジでラベンダーちゃん自身のことはのこと歯牙にかけてない態度が一気に出てた。あそこでロンが名前を呼ぶのはハーマイオニーなの、ハーマイオニーの5年間のアタックが報われた瞬間だった。あの場面でハリーの名前が呼ばれてたら本当に肩身が狭かったと思う。

ラベンダーといちゃついてるところから逃げるハーマイオニーが「あのバカ女に捕まる男のことまだ好き…」って泣いてるところ、ハリーがなんでハーマイオニーが泣いてるのか初めのうちはピンときてないところもジニーが好きなのハーマイオニーにはバレてるところもそれでも隣にいるのも「親友」の行動なので友情が綺麗で恋の前には破れてるあたりが青春って感じで見ててうきうきした。その後2人でいるところをロンに見られてキレるところ含めて最高。
ロンをクリスマスパーティに誘えなかったハーマイオニーが自分に気がある上でロンが気になってる男を誘うやつ、炎のゴブレットでも見た挙動なんだけどハーマイオニーってロンのことかなり高く評価してるので今持てる手札の中で1番ハンサムで優秀な男の子を当てつけに選ぶところがある。そういう感情の機微に疎いのでロンは「大好き!!!」って言ってくれる女の子に一旦靡いてしまうのでハーマイオニーは一つも悪くないけどアタックの方法変えないの一生振り向いてくれなさそう。

ジニーがずっといい女だった。ハリーより背が高くて、クディッチの副キャプテンやってるっぽくて、話してたら楽しくて魅力的で肌が綺麗な女の子になってた。必要の部屋でキスした後に「これもここに隠そうか?」って囁くところ、ちょっと敵わないよね…。
ハリーとジニーがくっつくのは覚えてたんだけど、炎のゴブレットで「ハリーの宝物ってロンなんだ…」という気持ちに支配されてて「いやウィーズリーの女の子選んだらロンを選んだようなものだろ」くらいに思ってたんだけど、ジニーは当然ウィーズリー兄弟なので彼女固有の魅力があり、ロンに生まれた時から勝っていて、不死鳥の騎士団でチョウと居残るハリーをじっと見たまま何もできなかったところからハリーの心を射止めるのをやり遂げる。本当にすごいよ…。
部屋で寝ながら「ジニーのどこがいいんだ?!?」ってなるロンに自然な口調で「彼女は魅力的だ」を言えるのにその話がハーマイオニーに向くと「はだがきれいだよね」くらいの気持ちが入ってない喋り方になるの本当にハーマイオニーのことそういう風に見たことなくて笑ってしまう。怖いしねハーマイオニーって、あとずっとロンのこと好きだし…。

クリスマスパーティのシーンずっと面白くて、ハーマイオニーが自分で声かけた男に困ってるシーンから、そいつがスネイプの服に嘔吐したあと「すんっ…」って顔してるところまでずっと笑ってた。みんな6年生なのでスネイプ先生に怯えたりしない、平然としてれば案外いけるというのを覚え始めている。

後半が暗い

なんでトムリドルの声優さん石田彰から福山潤に変わったんだろ…。

記憶の中の福山潤の声で喋るトムリドル、本当に人狂わせで魅力的。ゆっくりと話しかける声が甘くて、信頼が滲んでて、聡明さが溢れていてこれに質問されたら答えずにはいられないと思う。原作のどこかに「ヴォルデモートの魅力とは『この人のことは私だけがわかってあげられる』と思わせるところにある」って言われてるシーンがあるはずなんだけど、ああいう感じで全員口説いてたと思うとまあ仕方ないかな…。

そのトムリドルの真似をして先生に秘密の話をねだるハリー、言葉は早いし気持ちがこもってないし余裕がないしで全然ダメだった。本当にハリーって媚びるの向いてなくて…スリザリンの素質があるってだけでもう6年グリフィンドールやってて…。好かれてる人に好かれてたら人生をどこまでも燃やし尽くせるグリフィンドールの気質があるので、自分を遠巻きにする人に対する歩み寄りの技術が0すぎて笑ってしまう。
ダンブルドアにはさまざまな思惑があり、それを成功させるだけの力がありますがハリーがハニートラップ下手すぎるのはかなりハラハラしたと思う。尾形と菊田さんくらいスパイ向いてなかった。

ダンブルドアが今年に限ってハリーとよく話をしてたの、諸々の行く末を見通してのことで、つまり仕事にかかわらせることで責任感を植え付けて分霊箱探しを始めることを決意させることにゴールがあったような気がしてならない。ハニートラップを仕掛けさせたのも、恩師に水を飲ませないと出れない部屋に連れて行ったのも「こんなことをしてるダンブルドアの意思」を深く植え付けるためだった気がする。だって恩師に水飲ませないと出れない部屋にマクゴナガル先生連れてってマジで殴られながら水飲む方が明らかにスムーズだもの。マクゴナガル先生はやるよ、躊躇とかないよ。

恩師に水を飲ませないと出れない部屋。なんかずっと、ずっと特殊性癖を浴びてる気分だった。5年間に渡りいざという時は駆けつけてくれて、誰もが尊敬して畏怖すら覚える偉大なる魔法使い アルバス・ダンブルドアがただのおじいちゃんになって「やめてくれ…」「頼む…」「殺してくれ…」って嘆願するのもそれを説き伏せて水を飲ませ続けるのも、なんか、えっちでしたね…。尊厳凌辱って人気タグなんですよね…。

マルフォイに関するさまざまなこと、スネイプが身を挺して守ろうとしたこと、それを跳ね除けたこと、葛藤の末にヴォルデモート苦手なくてホグワーツにデスイーターを呼んでしまったこと、ダンブルドアを殺せそうになかったところ、全てのシーンで泣きそうだったことなどが初めて見た時より重く刺さった。

ハリーはこの5年間でいろんな事件を経て去年の終わりには「守るものがある」って決意して戦いへの覚悟を決めたけど、多分普通に学生生活を送っていたマルフォイは父親が捕まったこともその後に自分が指名されたことも初めての事件で、それがダンブルドアの暗殺まで来てしまったあたりに彼の不幸がある。段階を踏むことも時間で納得することも悩めるような時間も相談できる友人も存在しなかったマルフォイがそれでもいろんなことをしたのにダンブルドアに「生半可で中途半端だから殺す気がないのかと」って見破られて他のがかなり可哀想。

半純血のプリンス

映画で飛ばされたけど、ルーピン先生に「半純血のプリンスって知ってる?」って聞いたハリーが「選ばれた子だけじゃ物足りないのか?」って返されるシーンかなり好き。このシーンがなかったので「プリンスの正体は…スネイプ?!?」みたいな雰囲気で終わってましたがあの男、自分のこと半純血のプリンスって呼んでたんですよ。いいんですかスルーして。

来週は死の秘宝です、合わせて4時間40分あるらしい。すごいよ

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