マグさんとみた！！ドラマ版を見終えた今なら新たな発見も仰山あるだろうと言うことで見ましたが九十九さんしか見えなかった。

目が足りない

1回目は「人が多いな〜！！」で終わってたシーンの全ての人物の顔と名前が一致してるので見ても見ても目が足りなかった。大乱闘シーンは特にそうで、古屋さんがチハルを庇ったりヤマトとRockyが話してたり日向がパルクールでもないのに２メートルくらい転がり落ちてコブラに助けてもらったりしてて本当にすごい。古屋さんはチハルが鬼邪高校を追われた原因でもあるのでこの辺がかなり熱いし、ダンのことは知らなかったのにヤマトのことは知ってるRockyとかテンション上がるし、日向さんってどこで戦っても日向さんなんだ…になる。コブラはおそらく達磨一家のヘイトを全て受けても日向さんこと助けるし…凄くて…。ここの情報量の多さに気がつけただけでも見直せてよかった。

あと乱闘シーンはよく見ると全員割と殴られてるし蹴られてるし鉄パイプがバンバン当たってたりする。なんか…華麗にかわして立ってるとかではなくて普通に殴られてるし蹴られてるし相応の打撃音も鳴ってるけど全て無視して全員喧嘩を続行させてる。怖すぎる。でもS1E1の時点で鉄パイプ集団に素手で山王が勝ってたりするからな…普通か…。

あと雨宮兄弟まわりも、「まあこんだけ尺咲いて喋ってるんだしドラマではもっと出てくるんだろう」と思ってたら本当に映画で初めてお出しされてる情報ばっかりだった。兄を探してることとか一人称がお兄ちゃんとか振り回しがちな弟とかここで初めて確定している情報だった。言ってないことないけど…メインじゃないので流してない情報だった…。

雨宮兄弟、あまりに強くてあまりに強いから動機が全然なくても美学なり意志を貫き通せるのでそれだけでHiGH&LOW内では格が高くていい。もちろん彼らが主役の映画もあるらしいのでそこで語られるんだろうけど、この世界観において強いから御託を並べなくていい。みたいな態度はかなりかっこいいと思う。ムゲンに喧嘩売ったのも「群れてて気に食わない」以外になさげだし、今回参加したのも「兄の情報があるから」以前に「家族が大事なんだ」っていうルードボーイズの在り方に胸打たれちゃったから、の方が正しい。

あとマイティーウォリアーズのSWORD地区喧嘩売りRTAの鮮やかさにはびっくりしました。女の子を攫い、関ちゃんを殴り、本堂を燃やし、無名街を焼いた上でララを誘拐するその手腕と悪辣さには舌を巻くしもっと控えめにやってたらどこかは参加しなかったかもしれないんだから本当に隙がないよ。まあこの地区が欲しい！って言ってるのに全員に喧嘩を売らない、なんてダサいことマイティーウォリアーズはしないよ。わかる、かっこいいMVいっぱい見たからこの人たちがなんかダサいことしないことだけは本当にわかる。

セイラさんがほぼノーダメで映画を終えてたのもめちゃくちゃよかった。アイスもボロボロなのに彼女は大乱闘の末にヒールでしゃんと立ってたのが本当にかっこいい。夢女子をやるならセイラさんって決めてるんですけど本当にかけらも望みがないのでテンション上がってる。女の子なら誰でもセイラさんに助けられて冷たい眼差しで一瞥されてそれっきりになりたいと思ってると思うししかたないよ。

九十九さん！！！！！！！！

九十九さんのこと、初見では目に入ってなかったし琥珀さんの付き人くらいに思ってた。冒頭ナレーションで眠ってたけど本編中では起きて情報を言ってくれる人。どうやら琥珀さんと長い付き合いらしい。みたいな認識だったのでその人さえ琥珀さんに刃向かうくらい今の琥珀さんはらしくなくて…。ってそういうふうに解釈していた。

でもそう思いませんか？何回見ても琥珀さんってタツヤさんの名前しか呼ばないし仕方なくないですか？？？？九十九さんのこと本当の本当に見てないんですよ？！？！！！！！

九十九さんにとって琥珀さんに助けてもらったこととか居場所をくれたこととかは人生最大の恩義で、タツヤさんに「琥珀のそばにいてやってくれ」って言われたことを抜きにしてもあの人を1人になんかしないって思ってたろうに琥珀さんときたらタツヤさんの命日に死のうとしてるんだから本当にやるせない。

あと琥珀さんはなんだかんだ時間差心中のためにSWORDのことを調べたり気にしたりしていたけど九十九さんは本当にその辺に興味がなかったし、琥珀さんが海外マフィアと手を組んで幸せになれるならそれでもいいかも…嫌だけど…その辺は自分で見極めないと…と思ってるだけだから劉の「終焉をご覧に入れましょう！」に対して温度が0なのがめちゃくちゃ面白かった。琥珀さんならなんか気の利いたコメントしてくれたかもしれないですけど九十九さんは別にこの地区のことあんまりどうも思ってないのでルードボーイズがやや壊滅しかけても興味がないんですよ。びっくりするかもしれませんが…。

山王のことはもちろん気にかけてくれてるけど、あれだってコブラとヤマトが顔見知りってだけなので他のメンツの前に姿を現したりはしないので九十九さんって…本当に…琥珀さんのいく先と幸せのことをめちゃくちゃ考えていて…タツヤさんは時間差心中なんて望んでないことを言い切れるくらいムゲンのメンバーのこと好きで…。

琥珀さんがこんなふうに闇堕ちした原因の一つに「形あるものに執着してしまう」があって、それはムゲンって組織でもあるしマークでもあるんだけどなにより「九十九のために売ったバイク」でタツヤさんに切り札と思われてるくらい執着が強い。でもこれを親友ってこういうところあるよね、で笑っていられたタツヤさんと違って、自分がどれだけ隣にいても「その時」が訪れることはなかったのを冷静に判断し続けて最後にはコブラに託したずっと顰めっ面の九十九さんのこと本当にずっと考えてる。

タツヤさんって最後の最後まで「琥珀ならわかるよ」って言っていて、「元の琥珀に戻るよ」みたいな言い方をしたことないはずなんですよ…。人間って変わったら元に戻ることなくて、乗り越えることはあってもそれは「戻った」じゃなくて「変わった」の一環だと思ってるタツヤさんは親友がどんなふうに落ち着いても受け止める気があったけど、九十九さんはその辺「元に戻ってくれよ琥珀さん」って言い続けていたあたりも本当につらい。その一歩がタツヤさんじゃないところだし、「あんたは戻れるはずだ」って信頼と愛だし、九十九さんも何かに囚われたまま動けずにいるから2人では救われないところなんだと思う。めちゃくちゃしんどいし、本当に、本当にこんな関係をしっかりやってくれることの嬉しさがある…最高…！！

映画が始まってから終わるまで琥珀さんの後ろにいてその執着の強さを見続けていたし苦言も呈し続けていたけど何も琥珀さんに届くことなく、きっと今の自分ではタツヤさんの残したものを使いきれないともう1人の恩人の一手を無駄にできなくて最後には「邪魔をするな」とまで言われたのに立ち上がって対話を諦めなかった九十九さんがさ〜！！！！！

家村会に琥珀さんが乗り込んでるシーンも「なんか後ろの人たち喧嘩してんな〜」くらいだったのに2回目は「九十九さんがいる！！？！！、」になったし「まぁ九十九さんはいるか…琥珀さんがこんな危ないところに行くのに1人にするわけないか…」と思った。琥珀さんがヤクザの本丸に乗り込もうと別に本人の身体の心配はしてないけど、九十九さんがついてきてるのは「こんな状態の琥珀さんを蔑ろにされないため」くらいだし、琥珀さんが馬鹿にされた時だけヤクザに喧嘩売る。まあ琥珀さんは死にたいのもあってやり返すんですけど、その時の九十九さんの「まあ琥珀さんが言うなら俺は黙っときますよ」みたいな顔してるしさ〜！！！ほんとさ〜！！

九十九さん、ホワイトラスカルズみたいに「生い立ちを知らなくても信念に惚れてついてくる」とか、鬼邪高校みたいに「強さを信じて中身が多少不安でも飲み込む」とか、達磨一家みたいな「志への執着を支えてる」みたいな所にいることができず、「ムゲンは誰かが上につく組織じゃなかった」って言い続けて「後ろじゃなくて、」を抱えてるからこそ「琥珀さんの後ろに立ってる九十九さん」がひたすら哀愁が漂うことになってる。

まあこの辺はルードボーイズの「俺のためだよな、ありがとう。…ごめん」ってみんなの前で頭を下げれるような愛されてる自覚とか、山王の「俺らはノボルの帰ってくる場所のためにやってた」って堂々と宣言できる素直さを琥珀さんが持ってないことも原因なのでお互いちょっとずつ不器用で上手くいってない。

しかも当の琥珀さんはタツヤさんの命日に死のうとしてるんだから本当にやるせないですよ。しかもコブラから鍵を渡される前も後もモノローグでタツヤさんの名前しか呼ばないし…。

でもエンドロールの後に1人でいる琥珀さんの横に黙って座るのは九十九さんだし、タバコを差し出してるのは九十九さんだし、歩き出した琥珀さんについていく時の顔が嬉しそうなのも九十九さんだからもうあの2人はそうなのかも。20話と映画一本かけてようやく九十九さんの存在に目を向けることができるようになった琥珀さんがいるだけでそれってムゲンの人たちからしたらすごいハッピーエンドなんですよね。琥珀さんは1人じゃなくなったから…。

でも優しさって余裕だから、余裕がない琥珀さんにノボルが帰ってきて明らかにウキウキしてるコブラがその引導を渡すのは正しいのかも。琥珀さんだってタツヤさんがそばにいた時は全員にカリスマ性をバラまけたわけだし、こう言うのはタイミングだと思う。

それで言うとずっとまっすぐ生きて後悔がほぼないヤマトが琥珀さんに呼び出された時に「琥珀さん！久しぶりじゃないですか！！」って本当にウキウキで話しかけたのとか今でも悲しくなる。ヤマトは琥珀さんが変わってるとは一ミリも思わずにここまできててさ…。

あとこの男男巨大感情映画が最後に「戦いとは全てに」みたいなこと言って見てる側の生活とかもひっくるめてThe movieにしてくるところとかかなり好き。剛腕すぎ。