2. 色の読解と構築|『配色の設計』

空は青。森は緑。私たちは出会った色を1つの言葉で表しがちだ。色を1つの色として切り出して語る。しかし、Albersはそんなことはできないと批判する。

楽曲を単なる単音の集まりとして聴いている限り、私たちは音楽を聴いているとはいえない。音楽を聴くということは、音の並びや間隔、つまり音同士のあいだを認識することなのだ。文章を書く場合でも、スペルの知識は詩の理解につながらない。同様に、ある絵に描かれた色彩が実際に何色なのかを識別することができてもその絵を深く味わったことにはならないし、色彩の作用を理解したともいえない。

『配色の設計』ではしばしば音楽と色彩の比較が行われる。たしかに両者には興味深い共通点と違いがあって面白い。音楽を単音として切り出してみてもなにも面白くない。人工知能はきっと音楽を非連続な0か1としてしか捉えられないのだろうから、本当に可哀想だ。色についても同様だ。

私たちの色彩の研究は、色材(顔料)を分析したり、物理的な性質(波長)を解明したりするのとは根本的に違う。私たちの関心は色の相互作用にある。つまりそれは、色と色のあいだで起きていることをとらえることなのだ。

邦訳はしばしばテーマとの整合性よりも、市場での受け入れやすさを取る。『配色の設計』の原題はInteraction of Colorであり、ここでその意図が明かされる。

私たちは、単一の音を聴くことはできるが、ほかの色とつながりも関連もない単一の色を見るようなことは(特別な装置でも使わない限り)ほとんどない。色は、隣り合う色や環境の変化によって絶え間なく変わっていく。結果としてこのことは、(中略)「色の読解」にとって大切なのは「what」ではなく「how」だということを証明している。

名言だ。色は単体でも語っても意味がない。常にその色にとっての環境と合わせて読み解かないといけないということだ。今度からは、howを意識して世の中の色を見てみようと思う。

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真に器量の大きな人間は「できる」と思わせてくれるものだ―トウェイン
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敢太

Human Color Interactionの実験

ジョセフ・アルバース『配色の設計』(Joseph Alberth "Interaction of Color")を参考に、色と色、色と人のインタラクションについて実験します。
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