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前略、関東平野#43 ユンボ安藤

【甲子園】
高校生たちが白くて丸っこい硬えのを投げたり、8〜90センチ位の金属で棒状の硬えのを振り回したり、白い正方形の柔らけえの踏んでみたり、戦いに勝利するとセンター方向に整列した後、ユニゾンで歌を唄い出したり、敗れたチームは暑さで気でも触れたのか、テレビ中継もされているという公衆の面前で戦場の土を号泣しながら掻き集め集団泥棒して立ち去ったり、大の大人が働きもせず平日の昼間から、そのヨソの子の部活動を固唾とビールを飲んで見守るという数々の奇行溢れるこの国の夏の風物詩である。

凄まじき高校野球人気。
大会中は毎晩、「熱闘 甲子園」というダイジェスト&ドキュメント番組が放送され、しかもそれは何十年と続いています。

弓道部や茶道部ではこうはいきません。
「熱闘 茶道部」
ありえません。
「熱湯 茶道部」
こっちですね。

安定のリアルエンターテイメント。
甲子園は毎年裏切りません。

古いお坊さんは言いました。
「甲子園と夜更けのブルボン」は裏切らない。
今の今というのならば、私はルーベラが食べたいです。

「ユンボ・ブルボン・ランキング」
通称「ユンボラン」
(読み方、アクセントは「T-BOLAN」風で問題無いです)
ユンボランはランキングの移動が非常に激しいのです。
ユンボランに絶対王者は有り得ないのです。
夕方まではバームロール一択でした。

醍醐味。
そのひとつは逆転が多いことが挙げられます。
逆転が多いというのは高いレベルの中で、高校生ならではの精神の華奢さが出てしまうのでしょう。

大事な場面で、「この子、エラーしそうだな」なんて思い見ているとホントにすることがよくあります。
あきらかに「オレのとこにボール飛んでくんなよ」ってな顔をして守っている子もたくさん見かけます。

まだ何も失敗はしていないのに、医療ミスでも犯したかのような悲壮感溢れる顔をしています。
グラウンド上の9人が9人、医療ミス顔をしている時もあります。
とんでもねえ総合病院です。

ただ、中にはミスをする前から早くも言い訳を見つけ安心している子もたまに見かけます。
たいした野郎です。
将来も安心ですね。

しかし試合を決めるエラーをしてしまった子は気の毒です。
夏休み中は逃げ切ったとしても、9月に学校が再開して卒業までは結構、時間があるのです。

私が当事者だったら即転校しますね。ええ。
一切の余韻、メモリーを残さず、バイバイ母校!
知らない街を歩いてみたい。
転校先ではカタコトの日本語で日系だと言い張るつもりです。
「コウシエンテナンナンデスカ?」

最後に冒頭で書いた試合に勝ったら謎の大合唱という奇行の件。
校歌を歌っている後ろに審判団が並んでいるというのも爆笑ポイントとなります。

何故、まだいるのか?
この日焼けしたおじさんたちは、この時点ではもう関係ないのではないか問題勃発です。

そのような高野連の規定なのか、慣習なのか、おじさんたちは試合後もまだ炎天下に立たされています。
田舎のバス停のように、ちっとも来ないバスを待っています。

審判団だってなんの縁も所縁も無い学校の校歌なんて聴くより、早く冷たい麦茶でも飲みたいハズです。
あるいは、次の試合の賭博予想に早く入りたいハズなのです。

例えば校歌斉唱中、審判団も要所要所に合いの手で参加するとか、簡単な振り付けを試みるとか、小声で球児たちに歌詞を教えているとかならわかりますが、おじさんたちに明確な役割は与えられていません。

「滅多なことすんじゃねえぞ!」
見えない権威、権力に、自由と主張を完全に握られているのでしょう。
おそらくです。
なので他言は禁物です。
人が離れていきます。

そこに立つことだけを許された4人の日焼け。
真っ黒な顔をして、同じウェアを身に纏い、一列に並んだ4人の姿は、黒人コーラスグループにも見えます。
「西宮プラターズ」誕生。

主審にいたってはマスクを被っていたので、網焼きグリルみたいな日焼けをしていることもあります。

「誰か、この方たちを早く日陰へ」

そろそろだ。

高校球児諸君、この夏も頼むよひとつ!

コトだぜ!


本日の【前略、BGM】
「(Sittin' on) The Dock of the Bay」
忌野清志郎 with Booker T. &the MG's


今週の【前略、備忘録】
6/8
夕方。上野広小路亭。
『祝・立川吉幸真打昇進 ダーリン寄席32』立川吉幸、立川左平次、大本営八俵、東京ぺールワン、ビフテキ、原田豪紀 、ゲスト・こばやしけん太

吉幸師匠、真打昇進おめでとうございます。
大切な会。ご来場の皆様どうもありがとう。

楽しい打ち上げ後。おかみさん、ベンさん、吉幸師匠、左平次師匠ともういっちょ。

もういっちょ大好き。
往生際の悪さは北半球選抜なのだ。

6/9
梅雨入りしてんのか。
傘、大嫌い。手ブラの敵。
東京なんか大抵、なんかしらの屋根、アーケド、軒先があんからあんま濡れない。
本日は濡れる。終盤、ビチョビチョ。
そろそろ考えを改める時期に来たのかもしれない。みっともないし。

爆音サージェント・ペパーズ。

作業。

6/10
昼過ぎ。新宿。飲みに。早い。
もういろいろ早くなってきた。なってきた。ケチャップリンがなってきた。
とにかく早い。
そのうち午前中に夜更かし始めんじゃねえかな。ガラクタかもしんない。
まあ、なんでもいいや。

6/11
昼過ぎ。ユンボ銀河スタジオ3。
「拝啓」収録。2本。

夕方。下北沢。ミネルヴァ。
『東洋太平洋ライブ』

本番前。喫煙所。
ガッポリ小堀最高顧問とモクモクトーク。
顧問曰く。
「こないだサラミと真剣に話したけどよぉ、一番のダメ人間はサラミと安藤とオレってことになったよ」
オレも結構なダメ人間ぷりを発揮してるけど、21世紀にもなって栄養失調にはならないし、お寺の柿は盗まない。
小堀の旦那が一等賞。

トップで漫才やって新宿へ。

『西口プロレス 猪木酒場大会』
アントニオ猪木酒場
全2試合、解説を。

メイン。途中。酔っ払いのお客さん乱入ありでノーコンテスト試合。
その後、延長戦。
アクシデントはめんどくせえけどワクワク楽しい。
ほどほどに。ホントはダメよ。

下北沢、新宿。ご来場の皆様どうもありがとう。

酔っ払って店を出て猪木酒場大会に出場していたドンの家でこちらも延長戦。
アイツが作る卵焼きはなんてうめえんだ。籍、入れちゃおうかな。

帰り。ドンママ特製らっきょをいただく。
ドンの母さんが漬けたらっきょ。
これもうめえんだよ。
久しぶりにいただいた。
やっぱ籍入れよう。
ドンかドンママか。
どっちでもいいや。

6/12
作業。
お団子食べて寝る。
クラシカルスタイル。

6/13
夕方。チャリンコでコケる。
今回はチャリンコだったけど、もういろいろポンコツになってんだろう。
この間は、ボタン一個ズレのくせにイキがってた。
よっぽどいい気なこと言ってた。
一個ズレなのに。
なかなかダセえ。
イニシャル晩年ワルツ。

6/14
夕方。後楽園ホール。みちのくプロレスへ。
ドン、KIDと。
KID。短パン、タンクトップで現れる。
早いよ!
南のバカの子だ。
観戦。毎回の大堪能。

右や左の旦那様、どうかこの惨めで哀れな三人にお恵みを・・・