1.雨に紛れて


雨に紛れて消えていけたなら
この涙も隠せるだろうか

花びらに光る朝露のように
ひとりの心にとどまりたい
浅い夢に頬濡らす春の雨を
目が覚めぬようそっと拭うよ

雨に紛れて消えていけたなら
その悲しみさえも連れて
君は眠りの中 悟られぬよに
口ずさむ歌は雨音に隠して

後悔や虚しさ、ひきずる影も
今や誰の物でもなく自分だけの物
とけ残りわだかまる哀れな冬を
優しく抱いてはうなだれるよ

微睡みの中目覚めた君は
起き抜けの姿のままで
辺りを見回して誰を探してるの

雨に紛れて消えていけたなら
この涙も隠せるだろうか

雨に紛れてとけていけたなら
君の好きな白い花に
雨に打たれて肩を濡らす日々に
見つけてくれるだろうか
微笑んでくれるだろか
口ずさむ歌は雨音に