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文化的節分のルーツ、脳科学から見た祈り。良いお経とはなんなのか。

2月3日、節分のお話。
鬼は外、福は内で無病息災を祈る日ですね。

季節の変わり目、気圧

こういう「風習的行事的によくないと言われている期間」は気圧に注目しているとけっこう乱れていて身体的に影響が出やすい時期となっている場合が多いです。

人体は60%が水分でできていて、気圧によって血管が広がって血液不足になると三半規管が乱れてめまいや頭痛がするので、平安時代、室町時代から感覚的なものとして理解していた可能性もあるんじゃないか、と思ったりしています。
なくはないでしょう。現代人よりもよほど自然の微細な変化に敏感だったので。

2/1の気圧

2/2の気圧。

2/3の気圧。

筋肉量が少ない女性のほうが、気圧変化によって影響を受けやすいですから、気圧の変動が激しい時にはなるべく外出を控えるなどしてほしいものです。

鬼とはなんなのか。陰陽師、民俗学。

「鬼は外」の鬼はなんなのだろう、という疑問に対して、なんとなく「邪気」であるとか「赤い顔をして金棒を持って大きい体の」とかいろいろ思って「外から来るもの」な気がしますよね。

日本文化や氣学を学んでいる人であれば「牛の角にトラの毛皮のパンツは鬼門が丑寅の方角であることを表している」とか「鬼ケ島に向かう桃太郎のお供のキジとサルとイヌは酉、申、戌の方角で鬼(丑寅)を成敗して桃は邪気を払う果物である話」とかいろいろ面白い一大テーマではありますが

陰陽師的には年の変わり目に陰陽のバランスが崩れて「れい鬼」という鬼が活動して人に害をなすので「儺(な)」を行うものなのだそうです。鬼は外からやってくるのを追い払うのではなく、中に発生するのを追い出すと。

そして延喜式によると、どうも鬼を追い払う「追儺(ついな)」も本当は追い出したり撃ち殺したりするのではなく、説得するとのことです。鬼の住処を日本の国の外に作ってあげて、たくさんの食べ物を用意してあげるからそれぞれの家に帰ってくれと説得する。優しい儀式なんですね。だから、豆はぶつけるものではなく鬼にあげる食べ物なんだそうです。

つまり、鬼のことをけっこう大事にしているというか、丁重に扱ってるんですよね。やさしくなだめて、ちょうどいい距離に離れてもらう、というニュアンス。

フォルム的な話をすると異形の姿、筋骨隆々、色が日本人と違う、目がギョロッとしている、会話が通じる、日本の外に居場所をつくってあげる。地方によっては役に立つ鬼もいる。

こういうことから民俗学的には「鬼」は「漂流した外国人」だったんではないか、と言われたりもしていて興味深いところです。


脳科学から見た祈り

そんな文化的にも非常にロマンのある「鬼」あるいは「節分」ですが、こういった行事をして「祈る」という行為は、脳科学的にも幸福になりやすいという実験結果があります。

脳科学者の中野信子氏の著書から引用します。

脳には、自分の行動をいちいち記録したり、評価したりする部分があります。そして、この部分が自分の行動を「すばらしい!」と評価すると別に誰かから褒められなくても、非常に大きな快感が生まれるのです。

『脳科学から見た祈り』 P7
 

では逆に、ポジティブな祈りは脳にどのような影響を与えるのでしょうか。
まず、「ベータエンドルフィン」や「ドーパミン」「オキシトシン」など「脳内快感物質」と一般的に呼ばれる一連の物質が分泌されます。

『脳科学から見た祈り』 P21

最近はSNSなどで芸能人の不祥事を「よくない!」と匿名で言って憂さ晴らしをするような人もいて、友達がいなくても敵がいなくても正義の味方をやることができますが

「鬼」を「追い払う」という正義執行は儀式として集中してやれば「祈り」に分類されます。

そして「良い祈り」は「自分が幸せになれますように」とかではなく、例えば敵とか、恋人の浮気相手とか、嫌な上司とかでさえも「みんなが幸せでいられますように」という祈りなんですよね。

「自分が幸せになれますように」だと、「自分以外の敵や嫌な人が、嫌な目にあいますように」なんていう方向にいきがちで、そう祈ってしまうと、幸せホルモンではなく、闘争のホルモン、アドレナリン、ノルアドレナリンの過剰分泌で、怒りや逃げるといった行動につながってしまいます。

アドレナリンやノルアドレナリンはすぐに筋肉が使えるように血糖値を上げたりするのですが、高血圧、糖尿病、脳出血などのリスクを高めます。

だから、母性のホルモンと呼ばれるオキシトシンを分泌させるためにも、敵の幸せも祈るのが大事なんです。

そう考えると本当は「鬼を追い払う」のではなく「鬼を接待して、食事を出して、家をつくってあげて、説得する」というのは紛れもなく敵の幸せを祈る、ことなんですよね。脳科学と年中行事がリンクしていきますね。

というわけで、ちょっと節分の見方が変わりますね。終わってから教えてすみません。来年からは思い出してくださいね。

以上。節分と祈りと脳科学でした。

以下、スピリチュアル話。

2月3日の節分当日に毘沙門さんのお参りに行くと、他の日にお参りにいくよりも段違いに効く

と聞きました。理由は毘沙門さんは戦うひとで、お寺としても活躍どころで見せ場だから、節分までの1か月、寒垢離などで力を高める修行をしている。とのこと。

そして今わたしは、じつはけっこう戦いの真っただ中と言いますか、お茶の選手権だったり、仕事のやりとりだったり、緊張を緩められない日々を過ごしていますので、できるならご利益の高い日に行きたいです。現世利益は多めに。

行ってきました。

勝運


1000円で買えるお経

毘沙門さんのお経や般若心経が入ってます。

2000円で2冊経本を購入し、3000円で一般祈祷をお願いして、お唱えをしました。計5000円。

お唱え後、おみくじを引きました。すると100番まであるうちの、1番の大吉。今日は毘沙門さんのご縁日で500人くらいの参拝客が来たうちの、3人くらいしか1番の大吉は出ないのだとか。ラッキーだよ、と売り場のおじいさん。


1番の大吉


あごの毛並みが重力に従っているタイプの少し珍しい狛犬。

毛並みが珍しい狛犬


口を開いている風神・雷神。どっちも「阿」なのだろうか、、阿吽は、、

風神


雷神


最近とくにいろいろとできごとがあり「お経を唱える」修行をはじめているのですが、今回のことで分かったことがあります。

1、お経を通すには意識の方向が必要
2、毘沙門さんの祈祷で唱える般若心経は戦車。勝ち名乗り、予祝。
3、良いお経には倍音がある

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