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私と未来④~泣くとかダッサと思う私が離婚前後で一度だけ泣いた時の話~

前回の涙のツボの話で、私はなかなか涙が出てこない事を書いた。離婚の際にも夫の前では泣いていない。しかし一度だけこんな事があった。

夫に離婚話をして承諾してもらい、その数日後くらいか。次女と夫はその前から一緒に映画を観に行く約束をしていたので、予定通り二人は出かけることになった。その日の朝、当時小学5年生の次女が私に聞いてきた。「パパに映画の後お寿司を食べようって誘われたんだけどさ、私もお金持っていたほうがいいかな?」

色々な想いや感情が一気に湧き上がってきて、私は思わず次女に言ってしまった。「何言ってるの!?あなたが出す必要ないでしょ!あの人にお金を出しちゃダメって言ったでしょ!全部払ってもらいなさい!男に簡単にお金を出しちゃダメだよ!」そして二人が出かけるまでに、次女に落ち着いた言葉をかけることも出来なかった。

私はその日、バイトが終わった長女と、外で待ち合わせをしてランチを食べる約束をしていた。そしてバイトが終わり私を見つけて、ニコニコしながら近づいてくる長女の顔を見ると、私は思わず大泣きしてしまった。

5年生の女の子が父親と出かけるときにお金の心配をするなんて、私がそういう夫婦関係をずっと見せてきてしまったこと。自分のその悔しさを、全く冷静になれずに、何も悪くない次女に思わずぶつけてしまったこと。私は泣きながら長女に話した。

長女は私を受け止めてくれた上でこう言った。「ママは泣けていいよねー」長女は下手すると私よりも人前で泣けない人なのだ。その長女の胸を、私はその時完全に借りてしまった。

映画を観て、無事父親にお寿司をご馳走になり、次女はわりと機嫌よく帰ってきた。私は自分が言ったこと、思ったことをそのまま次女に伝えて謝った。


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