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ホテルチェーンの巨人Accorグループはいかにしてヨーロッパのコワーキング市場を支配するか

※この記事は、ニュースレター「ちょっと先行く海外コワーキング&コリビング最新情報 — Issue #20 」から、一部編集して転載したものです。
※ Photo by Darren Nunis on Unsplash

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「ホテル+コワーキング」の典型的なコラボがヨーロッパで始まる。フランスの大手ホテルチェーンAccorが、今後3年の間にヨーロッパの1,200ヶ所のホテル内でコワーキングスペースを展開する。実現するとヨーロッパで最大のコワーキングチェーンになる。

Accorは2017年に不動産開発会社のBouygues Immobilierと組んで、以前はNextdoorと名乗っていたコワーキング運営会社に投資しており、今後、Wojoと名を変えて主にノマドワーカーにフォーカスしたサービスの提供をそのパートナーシップで行う。

「我々の顧客はただのホテルルームではなく、新しい体験を求めていることに気づいた」と、AccorのヨーロッパCEOであるFranck Gervais氏は語る。Wojoへの投資は顧客の次世代ホテルでの体験にフォーカスしたもののひとつとのこと。

「これはローカルコミュニティと我々の顧客(宿泊客)が活気あるハブでつながるために、国際的なホテルチェーンとコワーキング・ブランドがパートナーとなるはじめてのケースだった」

このローカルとリモートワーカーの接点となるハブを作る、という着眼点は鋭い。ワーカーのビジネス・リレーションシップをサポートするというコワーキングの本来の役割を果たすことになる。しかも、それが1,200ヶ所もネットワークされるとなれば利用者にとってはこの上ないビジネス環境になる。

そして、現代のビジネスパースンは移動する。つまり、「移働」者だ。

ちなみにシェラトンは世界の400ヶ所のホテルでワークスペースを作り始めているし、マリオットもミレニアル向けのホテルにコワーキングを作っている。

Wojoとして2パターンのコワーキングを設える。ひとつは、ホテル内の有効活用されていないエリアをコワーキングとするWojoSpot。もうひとつは、最小100㎡(約30坪)以上のプライベートルームのWojoCorners。日本のホテルチェーンも、これはやってくるのではないかと思うがどうだろうか。

さらに「WojoConersは当面、ホテル内に設営していくが、これは大きな可能性を秘めている。いずれは鉄道駅内や空港内などさまざまなところでもできるだろう」とWojoのCEOであるStephane Bensimon氏は言う。これも、日本で一部試験的に行われているところもあるが、そろそろ本格的なプランニングで現れても不思議ではない。

そういえば、空港でのコワーキングの展開を香港の企業が検討しているという記事が5月に載ったばかり。ここでは、collaborative workspaceあるいはflexible workspaceと言ってるが、要するに共用ワークスペースのことだ。ちなみに、そういうスペースで仕事するワーカーのことを、Flex Workerと言い出した。

先行するVARIDESKはダラスのフォートワース空港にコワーキングを開設しているし、Regusはロンドン・ガトウィック、ダブリン、ブリュッセル、ルクセンブルク、コペンハーゲンその他の空港でワークプレースを開いている。

リモートワークがほぼ支障なくできるようにテクノロジーが後押しし、自分の居場所を自由に選択して仕事もするミレニアル世代のワーカーが増えることで、こうしたワークスペースもその需要が増すのは自明の理。今後はそこをしっかり見越したスペースの展開が必要だろう。

※この記事は、ニュースレター「ちょっと先行く海外コワーキング&コリビング最新情報 — Issue #20 」から、一部編集して転載したものです。
※ Photo by Darren Nunis on Unsplash


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