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#26.【明日のジョー〜ゴロマキ権藤の渋さがめちゃ好き】

・華やかさはないが爽快感や人生観が詰まっている

きっかけは忘れたが、明日のジョーが好きだ。漫画はあまり読んだことはないが、アニメ版は何度も見たことがある。リアルタイムではないので当時の雰囲気とかはあまり知らない。でも力石徹(漫画キャラ)の葬式が、当時、実際に漫画ファン達で執り行われたことは社会的に有名な話ではないか。

ストーリー自体はキラキラした感じや華やかな感じは全くなく、終始ジメジメとした雰囲気で話が進んでいく。一見、地味な感じだけに見えるが爽快感があったり、生き様について考えさせられることがある。

・サブキャラだけどインパクトが強いゴロマキ権藤

矢吹丈の泥臭い生き様ももちろん好きだが、「ゴロマキ権藤」も好きだ。

ケンカの腕だけで全国を渡り歩くプロの喧嘩屋だ。矢吹丈が力石との一戦を経てやさぐれていた頃、街のヤクザが用心棒として金で雇い入れる形でジョーと対面した。対立する組で散々暴れ回っていたウルフ金串(以前、矢吹丈と対戦した怪我でボクサーを既に引退している)を喧嘩殺法で相手取るところ(パンチを交わし、ウルフの顎を蹴り割る)は思わず息を飲んだ。

そしてウルフに対して下記のような発言をしていた。

「ああいうタイプの人間がきらいなんでね。昔の華やかな思い出話と愚痴しか言えねえようなクズは…」

ウルフ金串は過去に対戦した矢吹丈との試合について、紙一重のところで負けてしまったことや、あと一歩踏み込んでパンチを撃っていたら試合は変わっていたなどと過去の栄光や、「たられば」の話をヤクザのチンピラ達相手にダラダラとしている様子をゴロマキ権藤は見ていた。

「過去ばかりを見て、現実に向き合っていない眼が腐ったような奴には負けない」とゴロマキ権藤は悟り、勝てる相手だと判断してウルフ金串を相手取り、見事に倒してしまった(ゴロマキ権藤は勝てない相手には手を出さないと言っている)。

その結果、矢吹丈の怒りを買い、ゴロマキ権藤はジョーからボディーブローを受けてしまうのだが、ゴロマキ権藤の言いたいこともよく分かる。

・ゴロマキ権藤の言動からの考察

自分も安全な場所で毎日生活していないだろうか。過去の栄光にすがることはないだろうか。何かに挑戦しているだろうかと思うことがある。逆に過去の過ちを引きずるようなこともしていないだろうか。

もちろん挑戦といっても、自分自身のことを傷つけるようなことをしたり、自分らしさを失うようなことはしてはいけないのだが、しっかり前を向いて生きているかを確認しないといけないなと思う。

また明日のジョーの中でこういうセリフもある(表現が強いので一部修正済み)。

「あした」……といっているわね しきりに……
「すばらしいあした」は
きょうという日を
きれいごとだけ……お体裁だけととのえて過ごしていては
永久に やってこないわ
血にまみれ汗や泥にまみれ
キズだらけになって……
しかも他人には変人扱いをされるきょうという日があってこそ
……あしたは……
ほ…ほんとうのあしたは…

ここでいう「あした」が日常生活でいうところの「明日」とは若干意味合いは違うが、「今日という日を毎日全力で生きることでないと、自分が望む将来的な状況、立場、感覚等(総称して「あした」と称する)は掴み取ることが出来ない」というように読み取っている。そのためには今現在の自分が出来る最大限のことを全力でし続けるしかないのである。

・終わりに

明日のジョーは他にも面白い話や良い名言がたくさんあるので、ぜひ観て欲しい。なおゴロマキ権藤も先程の話だけ取り上げると、問答無用に無茶苦茶するような人物に見えるが、完全なる極悪人ではなく、筋の通った男で、矢吹丈に降りかかる問題の解決策を提示する重要な人物なので、好きな人は結構いるのではないかと思っている。ハリマオ戦の時の矢吹丈とのやりとりは特に好き。


 

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