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(セレモニーではない) イギリス公立小学校の卒業生を送る会  140/360

ごきげんよう、観世 (かんぜ) バタコです。

小学校の「卒業生を送る集会」に出てみた

イギリスの公立小学校は
Reception, Year 1 ~Year 6まで7学年が通います。
ウチの長男はY3、次男は最年少学年です。
というわけですでにこの学校に4年関わっているのですが
今年初めて「卒業生を送る会」に出てみました。

   (ちなみに、イギリスの新学期は9月はじまりなので
   7月の今が「卒業」シーズンに当たります。)

田舎の村の超・ミクロンサイズ校であるウチの仮名L(エル)小学校
卒業生はたったの2名です。

そもそもL小学校では通常毎週Assemblyと呼ばれる
生徒全員の集会があり、保護者は自由参加。
所要時間は30分以内、となっています。

日本では「卒業式」と言えばかなりきちんとした行事でしたが
(少なくとも、バタコ現役の「昭和」においてはそうでした)
L小学校の「卒業生を送る会」は
この通常の週例集会とほぼ同じ体裁にて行われ

■生徒全員、普段の制服
■先生たちも完全に普段の平服
■卒業生の保護者 (2名+α、祖父母?)も
 それ以外の常連参加保護者も
 全く普段の「田舎に住んでる人々のカジュアルな」いでたち
■室内の装飾や特別な演出もゼロ

たったの2名しかいないということで
各自に7分程度?持ち時間が与えられ
Leavers Presentationと題しパワポでプレゼンがありました。

(バタコは出ていないのですが
もっと卒業生の多い年には別の構成となっているのかも。
いずれにせよ、お決まり・伝統の式次第はナシ、
各校、その時の担当者の手づくりに任されている印象)

卒業生によるパワポでのプレゼン(卒業制作?)

Benedict君 (11歳) のプレゼン
■Receptionからのざっくりとした思い出話
 かなりかわいい写真
 仲の良かった友だちや流行ったゲーム
 ハロウィンや演劇での「仮装」披露
 各学年の担任教師
■今やっていること:
 読書好き、スキなテレビ番組、ギター、
 ピアノ(録音披露←日本の感覚で言うと6歳くらい?のレベル)
 ※でも、イギリスのこういうトコロは悪くないとバタコ思います。
 え?下手じゃん?みたいな冷たい反応は少ない気がする。
■来年進学する学校の制服披露

かなり「笑いを狙った」楽しいノリでした
趣味の一つがコンピュータと言うことで、結構凝ったプレゼン。

ちなみに!「ありがとう」はなかったですね。親にも先生にも。

Annabelちゃん(11歳)のプレゼン
全体的に、Benedict君のを参考にした感じで
ほぼ同じ構成でした。
卒業1泊研修の思い出 (先週) が長かったかな。

先生からのメッセージ

その後に、担任の先生が、
「素晴らしい生徒をもって本当に光栄だった。教えがいがあった。
これからも頑張ってね!」「いつでも遊びに来てね!」
(プレゼント:本数冊。在校生・教師全員分のサインの書かれたカード)
校長・主任の先生が、
「素晴らしい未来に向けて頑張ろう! 
(児童絵本Dr Zeusからの朗読)」

      ※超小規模校なので校長は兼任で、他2つの学校と掛け持ち

という感じでした。
ほのぼの暖かい会でしたが!

昭和の日本育ちのおばちゃんにはかなりの違和感・・

日本の卒業式と違う!親が「思い出にひたれない」

素のバタコは「肩の凝る場所は嫌い」
「『式』系統は苦手」というぐーたら人間なのですが
でも!だけど!
やっぱりこの「卒業生を送る会」のそっけなさは
「そりゃないよ~」と思ってしまいました。

日本の卒園式、小学校入学・卒業式、
中学そして高校の入・卒式など
「ない」国で暮らしていて
ぶっちゃけ楽な部分はとてもあるのですが

参列しながら、入・卒式の役割って
その1) 「入・卒生本人にとっての区切り、通過儀礼、
     そして思い出の句読点」
その2) 「両親その他育ててくれた人への謝意の表明」
なのかな~と、考えていました。

卒業生が7年を振り返る良い機会

その1)についてはBenedict君のプレゼンが
「とても良い例」なのでは。


各学年の担任の先生や仲良しのおともだち
行事、当時の流行ゲームや好きだったこと
を振り返ることができて

自分も母親として、
長男ジミーの4年間にわたる生活
Receptionの年はあんな感じだったなぁ
Y1の一番の思い出はこれ
Y2はあの事が楽しかった
Y3は・・
って振り返れるだろうか?ないかも・・
デジタルデータばかりでアルバムも作ってないしなぁ
と我が身を振り返ってしまいました。

  ※今夜にでも、ジミーと一緒に
  手書きノートで思い出をつづってみようかな
  と思いました。

また、担任の先生も、
「ナイスなプレゼンでしたね、
今、前の席に座ってる低学年の皆さんにとって
将来を思い描くいいチャンスでしたよね~」
ってコメントしてました。

全ての点で、保護者への感謝の念が感じられない

昭和の女バタコが一番違和感を感じたのは
その2)の「育ててくれた人」への配慮
■子から親への感謝の機会
■親自身が達成感を感じられる節目
ですね、というキモチが全く感じられなかったこと。

Benedict君のお母さん (しっかりもの・死別シングルマザー)
明らかに目頭を熱くしてました。

バタコも、こういう時もらい泣きするタイプなんで
かなりこらえ気味でしたが

自分が親だったらなぁぁ
(確かに、当事者だったら絶対泣きはするだろうけれども)
どう考えても、親への感謝・配慮が
なさすぎないですか~~?
横で記念撮影する立て札もないし
壇の上に登って卒業証書を受け取るシャッターチャンスもないし
有って欲しいとは言わないけど「軽食」「お食事会」もないし


普段なかなか言うチャンスが無いからこそ
こういうハレの場において、コテコテに盛って
華々しく、感謝の表明をするんじゃないんでしょうか!


別に、
「お礼が言われたくてやってるんじゃない」と言えばそう
確かに、
「産んでくれと頼んだ覚えもない」と言われればそう

なんだけれども!
なんだかなぁ~~

・・いやいや、そういう愚痴っぽいこと言うのはやめましょう。

学生時代の幾多の「式」に今更ながら感謝の念でいっぱい

バタコが改めて思ったのは、
これまで生きてきた中で、あまり深いも考えなしにこなしてきた幾多の
「入園式」「卒業式」

あれって、

当事者たちが、心の中で区切りをつけるために
保護者関係者の思い出つくりのために

(ばかばかしいと思うヒトも居るかもしれない)
準備、段取り、式場の演出、たくさんの人の正装、スケジュールのやりくりなど・・大変な手間が積み重なってたんだなという
圧倒的な感謝の念でした。


今まで本当にありがとうございました。

深い意味も分かっていなくて大変失礼しました。




入学式・卒業式と言えばアナタにはどんな思い出がありますか?


ではまた明日!

★追伸
今これを読んでいます

人生究極のセレモニー「葬儀」
送る人たちの心に寄り添うプロたちのお話
これを読んで儀式の大切さを痛感してるので
こういう感想になっちゃったのかもしれませんね~

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■関連記事:バタコの卒業式の思い出

■関連記事:小学校の普段の全校集会のようす

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最後まで読んでいただいてありがとうございます!