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ミドルトン家の財産を築いたパーティグッズの通販会社 キャサリン妃物語 続編101/360

ごきげんよう、観世 (かんぜ) バタコです。

前回の記事に引き続き、

イギリスの次々期王女になられる見込みの、キャサリン妃物語 (特にステージママともいえる母キャロルさんに重点を置いて) 書いています。

<全体目次>
第1部 オフショア経済がイギリスを支えてる
1. キャサリン妃の実家の資産について
 1.1. キャサリン妃について、簡単な説明  
                                         ←ココまではコチラの記事でお読みいただけます。
 1.2. 「無形資産」キャサリン妃は「決意と努力のヒト」その裏に母キャロルさんの薫陶と決意が・・
 1.3. キャサリン妃の父マイケルさんはアッパーミドルクラス出身
           ←ココまではコチラの記事でお読みいただけます。

 1.4. そして大本命の登場:キャロルさんとマイケルさんが連名で起こした会社Party Pieces

本題:キャサリン妃の実家の資産はどれくらいか
   なにでお金持ちになったのか?(「生まれつきの貴族」ではない)
についてググってみたところ
分かったのは、「ミドルトン家の資産の額は一切公表されていない」こと。
(推定額、は出回ってるみたいですが。)

パーティグッズの通信販売会社の売り上げ、
「会社」なんだから資本金とか役員報酬とか分かるでしょ?と思うのですが

 1.4.1. Partnershipまたは合名会社

「会社」のステータスはPartnershipとなっています。
日本で言うなら多分一番近いのが「合名会社」
ウィキペディアによると

「会社法が用意する四つの会社類型の中で最も原初的なもので、個人事業の事業主が複数人になり、共同事業化した状態を想定した会社形態である。社員は、無限責任を負い、原則として各自が業務を執行し、会社を代表する。」

夫婦や家族などでやるのに向いていそうですが、
倒産すると債務等は個人が全額返す羽目になりますし、
不仲や離婚などが起きてしまうとかなりハイリスクな形態です。
この形でやっていくことを決めたからには、かなりの覚悟があったんでしょう。

イギリスでは法人格の一番単純な形態Limited Companyというカテゴリで
会社を立ち上げると
決算書、社員役員の給料、社長の生年月日、登録住所などが公開され
誰からでもネットで検索されちゃうようになっています。(丸見えですね)

日本でいわゆる「法人化」と呼ばれる手続きですね。

コチラなどに詳しく解説があり、ちなみに
個人事業主 → 法人化 のタイミングは
「コンスタントに年収500万円」のラインとされています。

コレはおそらくイギリスでも似たような額なのではないでしょうか?
            (完全に想像です、責任取れません)

で、上述の解説によると「法人化」の
メリット1)節税  
   ←コレが一般的に最大のメリットと考えられていますよね
メリット2)経営リスク軽減
   ←個人事業主が倒産した場合、自分の資産全てを使ってでも
   借金清算しなければならないが、法人の倒産であれば
   個人に責任は及ばない

いわゆる一般ピープルの感覚では、事業を起こして年収500万円 (注:年商ではナイ) が稼げるようになったら嬉々として法人化しそうな気がします。
このメリットを無視してでも、
「Partnership」として会社経営を今日まで続けてるParty Pieces

じゃあ逆に「法人化しない」ことのメリットは何だったのか?

合名会社、だから会計等の内情が公表されない

は、上述のように、大きいでしょう。
キャロルさんは子供たちを私立に通わせ
私立に通う階級・資産規模の人たちに囲まれた人生を歩ませる、と
どこかの時点で決意を固めたんだと思います。

 1.4.2. パブリックスクールに通う身分の人々の住む世界

私立に通う人々の住む世界というのは
      (バタコの子供たちは公立小学校。今後、中等教育もほぼ確実に
      ずっと公立に通う見込みです。
      知り合いも少ないので直接は知りませんが)
私立に通う学費が出せるというだけにはとどまらず
      ※イギリスの私立校「パブリックスクール」の授業料の目安は
     前の記事に書きました。
そこに通う人々と肩を並べるあるいは上に出る資産規模であることが
ほぼ必須条件です。つまり、ライフスタイルすべてが関わってきます。
    ※イギリスは、「階級社会」だけど意外に
    「リベラル」な国でもあるし「ノブレッスオブリージュ」の
    長い伝統も持った国です。だから、超名門パブリックスクール
    ハロー校などには
    ロンドンのスラムのような街からの青年を入れる奨学制度も
    ちゃんと存在しているようです。
    が、ここでしているのは「自費」派のハナシです

私立に通う人々の間ではほぼお約束のように、定期的なお休みには
(大体6週間ごとに2~3週間の休み、プラス長い夏休みがあるのが常)
ほぼ必ず、一家そろって、別荘地でバカンスします。
この別荘地の行先がイケてるかショボいかなどは
「誰の目にもあきらか」なマウンティング案件になりえます。

ハリポタは「学園モノ」で
主人公ハリーは孤児なので、休暇は学校で過ごしたりしてますが
人間の世界だと学校で休暇を過ごすわけにいかず
休暇に何をするか、ひとによっては友達一家に
休暇に招かれたりすることもあったりして
結構大事なトピックなように思います。
   ※数年前にパブリックスクールに通うティーン男児が
   いじめを苦に自殺する事件がありました。
   実に悲惨なSNSいじめにあっていた模様です。
   いじめの理由なんて「どうでもいい」場合が多いですが
   そのどうでもいい理由の一つとして
   「休暇旅行の行先がcoolじゃない」というのも上がってました

ハリポタでも出てきてましたが、寄宿生には、両親から
「小包」が頻繁に送られてきて、入ってた食べ物を分け合って食べるとか
そんな場面もあったりして、
持ち物 (実家、車、服装含む) などにちらつく親の財力は
陰に陽に「スクールカースト」の要因なんだろうな
と想像されます。

バタコは中・高と私立通いでしたが
    (もちろん親には感謝していますが)
日本の私立の授業料ってイギリスほどえげつなくないし
  (どうでしょう、月2-3万円くらいじゃなかったっけ?
  イギリスだと通学でも年400万とかですからね!?)
期間の半分は奨学生でタダでした。
公務員家庭のバタコは、医師・歯科医師・建設業など
羽振りの良い家庭出身のお子さんたちと混じって
決してカースト上の方ではありませんでした

イギリスで子育てすることになって
「あの楽しかった中高時代を子供たちにも
経験させてやった方がいいのだろか?」
等と思い、私立高に子供を通わせる人生を
(アタマの中だけで) シミュレーションしてみましたが
■金額的に絶対無理だなと思ったし
それ以上に、
■「ギリギリ払える程度」で子供を通わせると
かえってみじめな思いをするかもな~
という思いを強く持ちました。

有名どころのイートン校などには
アラブの大富豪の息子さん、イギリスの貴族子息など
世界中からすごいレベルの人が集まります
   ←だからこそ!投資する価値があるのですよ!
   もちろん。出せる人にとっては「いくらでも出します!」
   という世界です。
   その後、一生に渡って、ビジネスでも使える人脈を育てる
   貴重なチャンスですから・・

そういう中に混じるにはそれなりの度胸と貫禄が居るでしょう。
「銀のさじ」をくわえて生まれることによって
   ←born with a silver spoon in one’s mouthは
   裕福な家庭に生まれ育つことを意味する慣用句
ある程度は度胸と貫禄って身に付くんだとバタコは想像します。

脱線しましたが、
キャロルさんが「合名会社」格で登記をした理由は

そういう階級の人々に囲まれ
親同士の付き合いなども盛んになる将来を見据えて
「先祖代々のお家柄ではなく『商売人』として資産を築いたと見下されるのは避けたい」と思ったのか?
「資産規模丸見え」状態は避けたい、と先見したのか?
このあたりは想像するしかありません。

 1.4.3. 合名会社の経営利益はオフショア金融で管理?

ちょっとリンクが見つからないのですがバタコの読んだ新聞記事 (ミドルトン家の資産ってどれくらい?というお題) では
会計の専門家に聞いた結果として次のような解説がありました。

「会社から上がった利益に関しては
確かに個人として所得税を支払う必要があるが
一切金額を発表する必要はないし
額も完全に一存で決めることができる。
あくまでも個人のおカネなので
海外の口座にて管理する、つまり
オフショア金融に回すこともできる」

    やっとオフショア金融につながった・・

※コチラの記事から本シリーズは始まってます。

先ほどの新聞記事での会計専門家のコメントは、制度上の「事実」を単に述べただけです。
ミドルトン家の皆さんが実際にどうおカネを管理してるかなんて
ご本人と、関係金融機関でしかわかりえないことです。    

が、予測としては
多分、海外預金・投資してるね、ってこと。

バタコの「しろうと」目線で見ると
「Limited Company (2006年以前の「有限会社」)」
にしてしまうと、

儲けは会社のもの。
会社はイギリスの法制度化におかれ課税・管理される。
社員はサラリーをもらう。

それにたいして
「合名会社にすると、売り上げをどれだけサラリーにするかは
公表する必要がなく
一旦、給与として個人の収入になった後は
イギリスの税制度の外に持ち出すことが可能」
    ※これはLimited Companyから上がった収入についても
    いったん個人のものになったら同じですけどね
ってことなんでしょう。

長くなったのでいったん切り上げます。次回は、パーティグッズ通販会社Party Piecesの沿革、からお届けします。


ではまた明日!


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■関連記事:イギリスでどうしてそんなにパーティグッズの通販が流行るのか?についてはコチラの記事もどうぞ

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