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今、現代科学で最もセンセーショナルでぶっ飛んだ心脳論はいつ誕生するのか?

2020年にノーベル物理学賞を受賞したロジャー・ペンローズは物理学界の超スーパースター。ノーベル物理学賞の対象となったのは彼のブラックホールに関する理論研究だったけれど、そもそもペンローズが主張しているのは、「人間の心の解明は人工知能研究なんかではできない。量子力学理論が完成しない限り人の心は解明できない」ということだった。あまりの論理の飛躍でほとんどトンデモ説と紙一重だけど、それを主張しているのが超が3つつくほどの天才科学者ペンローズなわけで、現代科学で最もセンセーショナルでぶっ飛んだ心脳論はいつ誕生するのか? 世界中の知性が固唾を飲んで見守っているというわけなんですね。
そんなペンローズの主張を簡単に要約して箇条書きすると、

1)この世の中には数学的論理思考だけでは証明することができない命題があることが、他ならぬ数学的論理思考で証明されている(ゲーデルの不完全性定理)。

2)ぼくたち人間の意識や心はコンピューター機能の複雑化したものなんかじゃない。コンピューターに処理できないこと。つまり計算することができないことを処理することができる。

3)抽象的な数学の世界での計算不可能性が、現実の物理現象に顔を出している場所がひとつある。物理学の最先端の量子力学の世界。量子論の波の収縮。量子である電子は観測する前は波のように広がっているのに観測したとたん、なぜか一点に収縮してしまう。つまり観測によって干渉をうけてしまうわけで、つまりは本当の状態を知ることができない。現代物理学がぶち当たってしまった壁。

4)現代物理学ではそんな理論化が不可能な場所があるということ。そこに現代物理学のほころびがあるという事実。
しかし、ぼくたちの人間の意識を生み出す脳という器官は前述したように計算することができないことを処理することができる。それならばそれはまだ現代物理学が到達していない未知の科学理論によって機能しているはず。

5)ということは脳の機能をもっと重点的に研究することでなにかが見えてくるかもしれない。ペンローズいわく、ニューロン内部の微小管といわれる部分が怪しい。ここに現代物理学が理論化できないなにかがある。ここを解明することで物理学のパラダイムシフトが起こるかもしれない。

と、ついていけないほどラディカルな推論なわけだけど、繰り返すけれどもそれを主張しているが超が3つつくほどの天才科学者ペンローズなわけで(主張の根拠となる理論武装も超一流で)、もしも凡庸な科学者がそんなことを主張したら、ソッコーでトンデモ説として片付けられてしまう。
あまりに先端過ぎてぼくらのような凡人にはついていけないけれど、ペンローズが、ガリレオ、ニュートン、アインシュタイン、ボーアを乗り越えるかもしれない場所に立っていることは間違いないのかもしれない。すごいですね、最先端は。ワクワク。

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