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陰極まりて、陽となる。~死に方を考えたあの日~


「痛いのは嫌だから、、、やっぱり薬と炭だろうか」



日付けが変わる頃、朝かろうじて用意した
昼休憩用の弁当を家で食べながらふと思う。

自分の成長もたいして感じられず、
もう何年も同じことで部下を注意している日々。

それも1人や2人ではない。
こちらの指導不足と言われてしまえば
それまでの話だ、しかしそう簡単な話でもない。

この日もまた、部下のミスをカバーし
他部署とのイレギュラー対応に"わたし"は追われていた。

「朝用意したお弁当を帰ってから
食べることほど、悲しいことはないよな…」

マンションのエレベーターでそんなことが
頭をよぎった瞬間、部屋の扉を開ける頃には
ボロボロに泣いていた。

手持ちの荷物を全て投げ飛ばし、
声も涙も抑えきれずに部屋で泣き叫ぶ"わたし"がいた。

「いい大人がなにしてんだか」
誰かが見ていたら、きっとそう言うに違いない。

隣室に聞こえることなど構うことなく
ただただ泣き叫ぶことしかできない"わたし"に
部屋の時計はもうまもなく日付の変更を告げる。






「ここ4階だから…落ちてもせいぜい寝たきりかな。

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