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【相談vol.5】ブスがイケメンを好きになってもいいぞ

【質問】

イケメンを好きになってしまいました。 よくネットで"ブス 恋愛 うまくいく方法"なんかで検索すると、ブスは立場をわきまえて謙虚にいけば恋人が叶うとか書いてあることが多いですし、容姿だけで釣り合う釣り合わないって言う人いますよね。 私は自他共に認めるブスで、顔面偏差値でいうと差がありすぎます。 彼と会うときはメイクも頑張ってかわいい服も新調します。足が長く見えるように高いヒールもはきます。 でも私はやっぱりブスです。 偏差値差はいつまでたっても埋まらないのです。 告白したいけど、でもブスだから申し訳なくてできません。 恋愛に向いてないんでしょうか?

釣り合う釣り合わないはどうしても気にしてしまう問題ですよね。極端な話、500円しか持っていないのにハイブランドのお店に行って、お店の人に買ってもいいか聞くような心許なさがあるのです。

でも、安心してください。ブスでもイケメンを好きになって大丈夫です。

人間はハイブランドのバッグと違って、値札がついている訳ではありません。

野球選手だとか、青年実業家だとか、決してイケメンじゃないのに美しいアナウンサーやモデルと結婚する例はたくさんあると思います。

それを変だと感じる人はそんなに多くないでしょう。むしろ、美貌の方が足の早い資産なので、全然悪い取引ではないのです。そして、そもそも本当は取引でもないのです。ただ、持っている魅力の形が違う2人が惹かれあっただけなのです。

恋愛という市場は、一見容姿という通貨での取引で成り立っているように見えますが、それはほんの一部です。それだけで成り立っている場所もあります。デイトレードのような短期間で勝負をかける場所では、確かに分かりやすく確実な容姿という評価基準は魅力です。でも、恋愛は人間関係の一つの形に過ぎないのです。友人を容姿だけで選ぶことはないでしょう。それとなんら変わりません。

そして、自分の容姿に合わせて釣り合った容姿の相手を選ぶのも愚策です。それは容姿で好きになる相手を制限するという意味で容姿差別に他ならないからです。ブスだからイケメンには申し訳なくて告白できないというより、この人なら釣り合うだろうなと思って告白する方がよほど失礼で無意味です。恋愛において釣り合う釣り合わないなんて好きな気持ちに勝てるような価値はありません。

容姿が異なるだけで人間の中身は大して変わりません。これは良い意味でも悪い意味でも。容姿の良くない男だって美人が好きなことが多いです。多分、イケメンと変わらない確率で。ただ、倍率が違うだけです。倍率が高いから叶いにくいだけです。この条件は美人にとっても、普通の子にとっても、可愛くない子にとっても変わりません。

私はイケメンを好きになったことはないのですが、若き日にうっかり、イケメンの自認が強すぎるしょうもない男を好きになってしまったことがあります。

実際はごくごく普通なのですが、イケメンという自認が強すぎる上に他人の容姿に厳しく、顔面偏差値が釣り合わないからという理由で降られました。いたく傷ついて体重も激減し、容姿コンプレックスの大きな原因としていまだに根深く残っています。

そんな奴が5年後の今どうしているかというと私に片思いしています。いま、このエッセイはそいつからの求愛LINEの通知を横目に書いています。でも、もう本当にどうでもいいことです。むしろ、これだけ強く成長した私と昔となんら変わらない、ただ私よりまともな容姿であるだけのお前が釣り合ってるとでも?という気持ちでいます。

どれだけ容姿を重視するクソ野郎ですら、容姿以外で人を好きになることがあります。一度好きになってしまえば、あとは補正でどうにでも見えます。容姿は一つのきっかけに過ぎません。

ただ、容姿を重視する人がいるのも事実です。傷つくこともあります。でも、恋をしなくても傷つく世の中なので傷ついて傷ついて生きていきましょう。傷ついた時に耐える必要もありません。ブスだから振られたとしたら一緒に大暴れしてキレ散らかしましょう。

また、性格が良くて頭のいい朗らかな美人もエントリーしている可能性があるので熾烈を極める戦いになることはあります。そういうときはもう仕方ないです。また誰かを好きになれると信じて拳を固めましょう。

最終的に好き合った人だけが運命の人です。運命というとロマンチックで甘やかな響きがあるので、宿命とでも言い換えましょう。自分で考え自立した人生を送れば、だれか共闘してもいいと思える人が現れると思います。現れなかったとしても焦ることはありません。多分強くなりすぎて会えなかっただけです。

結論としては好きになって何の問題もありません。告白しても何の問題もありません。可愛い服を着てメイクをして変わっていくこともあります。勝てなくてもよくやったなと自分を認めるためにも。容姿はまあ、パッとしないかもしれないけれど、私にはそれを補って余りある価値があると言える人生をつかんで行きましょう。まだまだ人生は長いので。

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