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長男と次男 2

学校に行けない理由とは・・・

長男がダイエットに成功するのと逆に、運動しなくなった次男は、どうしても丸くなってきた。
それを一番アレコレ注意していたのが実は長男で、
「あんなに(自分のこと)太ったら痩せるの大変やぞ」
「こら、おやつ袋以上食べるな!」
「おかわりそんなにするんか?体重測ったか!?」
など、まるで「おかん?」というくらい、次男に声を掛けていた。
次男も鬱陶しいと思っただろうし、今も時々プチ喧嘩はしているが(笑)、当時は昼間仕事でいない私にとって、長男の声掛けは非常に助かった。

長男が学校に行けなくなったのには、結構ハッキリした理由があった。
1回目は先生と合わないこと、2回目は起立性調節障害が酷くなったこと。
でも次男は、明確な理由があるというよりは、たくさんの傷が入りすぎていて、もはやどれが決定打かよくわからなかった。
でもその傷の多くの部分は、家庭に安心できる空間がなかったことによるものだと私は認識していた。

長男が中3のあるとき、何がきっかけだったか忘れたが、また父と兄の大喧嘩が始まった。次男は半泣きになりながらとっさに逃げていた。
子供がふたりとも不登校になってしまってメンタルが不安定になったのは、恐らく主人もそうだったのだろう。仕事も忙しかったのかもしれないが、私の目から見て子供に八つ当たりしている風にも見えた。
長男はそういう大人の理不尽が許せない、妙に正義感が強いタイプ。
だからこそぶつかりあう。
双方の言いたいこともわからないわけではないが、私からすると
「いつまで同じやりとりを続けるんだろう、いつまでやり方を変えずにいくつもりなんだろう」
という感情だった。
こんなに次男が傷ついてきたのに。

・・・とっさに私が怒鳴っていた。
「あんたらがいつまでもそうやって歩み寄って話し合おうとしないから、次男がずっと怖がったままで、不安に駆られてパワーを失ってきたこと、なんでわからんの!!いつまでこんなこと続けるの!!」

これの私の行動が正解だったかどうかはわからない。ただこの後、少しずつ争いは減っていったように思う。(それはどちらかと言うと、長男が大人の対応をとれるようになったからだが・・・)
またそれには別の理由もあった。

新しい家族、登場

次男はずっとペットを飼いたいと言っていた。
が、命は大切にしなくちゃいけない、欲しいという気持ちだけではダメ。ちゃんとお世話できるようにならないと、ペットが可哀想だから、と言って、止めていた。
しかし、次男が家にいるようになり、心優しい次男にはペットがいると癒しになる、アニマルセラピーになるかもしれないと思うようになった。
あたたかみを感じられて、家の中で飼える子、そんなに手がかからず子供でもお世話できる子がいいな・・・と検討した結果、昔から主人が何回か鳥を飼っていた経験もあったので、鳥をお迎えすることにした。
ペットショップで鳥について情報収集を繰り返し、次男はついに運命的な出会いをする。
「この子がいい!」と即決されたオカメインコ。
我が家に新たな家族が増えた。

次男が選んだオカメさんは、渋色でした🐤

実は当時、いきもの全般に心を閉ざしていた長男は大反対。
「嫌だって言ったのになんで!」と激怒。
でも私は信じていた。だって昔はあんなに動物を可愛がっていたもの。
きっと長男の氷のような心も融かしてくれるに違いない。

1ヶ月も経たないうちに予感は的中。
我が家にやってきた小さなアイドルは、次男、長男だけでなく、大人たちもメロメロにした。
共通の話題も増えて、みんなが優しくなっていくのが目に見えてわかった。

奇跡を運んでくれたオカメさん。
幸せを運ぶ渋色の鳥。
次男は昼間、苦しい気持ちが溜まってくると、オカメさんに少し話を聞いてもらっているようだ。

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