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長男と次男 9

息を吹き返した長男と、ゾンビな私

夏休みが終わり、慌ただしい日が始まった。
崩壊していた私は体を引き摺るように
生活していたように思う。
私自身がクリニックに通うようになり、
薬を飲みながらも、仕事は特に休まなかった。
いわゆる動けなくなるタイプではなく
ゾンビタイプらしい・・・

秋には高2長男は「勉強合宿」があった。
これまで学校行事にはことごとく不参加だったのが
やはりこれは大きな変化、
「参加する」
と言い出した。
出ておかないと後で大変と思った・・・
というのも理由の1つではあるようだが
休憩時間に話せる友達ができたことは
学校生活でのハードルを著しく下げたことは確実で
そのおかげで参加を決意できたのだと私は思う。
N先生も長男の変化を喜びつつ、
「ほんとに来るんだな?」
と、入念に確認されていたらしい(笑)

合宿は数日間。
長男がいないと、なんだかんだと次男がかなり静か。
次男が大きくなったので、ケンカもたまにしているけれど
お兄ちゃん大好きは原則今も続いている。

次男中学生、思春期に入り、ほんのり反抗期。
それでも、家族が揃っていることが
次男にとっての幸せであるのに変わりないのだ。

スクールカウンセラーさんとの新たな出会い

次男のスクールカウンセリング(SC)が始まった。
SCさんに対してはいろんな意見を持つ方々がいて
X等の不登校界隈でも賛否両論あり。
私も最初は少し不安ではあった。

長男の時は、本人がなにより学校に行くことが
辛い状態だったので、SCさんを頼らなかった。
(別でカウンセリングや小児科に通っていたから
というのもあるが)
でも次男は、学校に友達もたくさんいる。
また、学校に少しでも行くという事実が、
自分を許す行為にも繋がっているようにも見えていた。
それならば
「学校に足を踏み入れる機会を増やす」
という意味もあり、SCさんの面談を予約してみた。

SCのI先生。
次男個人との時間と、私だけとの時間を取ってくださる。
最初、次男はやはり緊張していた。
でもひとりで部屋に入っていった。

戻ってきた次男の表情は穏やか、かつにこやか✨
いろいろ話して、過大評価でも過小評価でもなく
そのまま受け止めてくださった。
次男はもともと、何が起こるかわからない
突拍子もない子供達が苦手で、
のんびり穏やかな空気が大好き。
そんな空間を作ってくださったようだ。

私とのお話の時間。
次男の状態と、これまでの我が家の経緯をご説明する。
この作業が仕方がないが、なかなか大変…
長男の2回の不登校、家庭での怒号の時期、
そして次男の小5での学級崩壊など
経緯を話すだけでもかなりのボリューム。
そして次男の現状。
…私が少し気にしていた次男のLD的な部分や
ASD傾向に見える部分についてもお伝えした。

SCのI先生は次男に診断をつけるようなことはなく、
(精神科医ではないから当たり前ではあるが)
まったく「これ」と決めつけることをしない。
ただ、次男と話して受けた印象、状況、私が話した経緯、
これらをベースに

「じゃぁこういうのはどうですか?」
「あーいいですね、それはいい傾向ですね!」

決して決めつけず、無理強いをせず

と、ふんわりと包むようなヒントをくださる。

何回目かのカウンセリングの時、
気付けば、私は自分のメンタル崩壊のことも話していた。
話しながらボロボロ涙が止まらなかった。
I先生は私に対してもそのまんまを受け止めてくださった。

「崩壊されたことはしんどいかったですね。
でもそれもね、見方を変えると
『新しい私、こんにちは』ということですなんですよね!
大丈夫、おめでとうございます!」

拍手までくださった

私は、自分のメンタル崩壊で子供達に迷惑をかけた、
ずっと申し訳ないなと思っていた。
それはもちろん今もあるけど、
確かにI先生が言うように、新しい私になれるチャンスだ!
めげているより、前に進めばいいんだ・・・と
目からウロコが落ちた。
以降、次男も私もI先生に寄り添っていただくようになった。

SCさんにしろ、親の会にしろ、
自分や子供に合う合わないというのは絶対にある。
薬を飲んでも、効き目がある人ない人、絶対出てくるのだ。
それは人間なら当たり前。
だから一括りに「あれはダメ」「これはダメ」ではなく
いろいろな選択肢を準備し、
合うものを選ぶことが大切だと私は思う。
「不登校」と一括りにできないのと同様、
人との相性というのは間違いなくあることが前提で
良し悪しを確定する前に、いろいろ工夫してみるのも
良いのではないかと思う。


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