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長男2回目 3

再び小児科へ

長男はインフルエンザが治った後、中1の2月にはほぼ完全に登校できなくなっていた。電車に乗らなくても頭痛と吐き気が続く。昼過ぎにならないと起きられないし、動けない。
そんな長男の姿に、何か重病が潜んでいる恐怖を感じながらも、別の言葉が再び脳裏をかすめるようになっていた。
「起立性調節障害」
まさか2回目なんてあるはずないと勝手に思い込もうとしていたが、目の前の長男の状態は、どう見ても小学校のあの頃を彷彿させた。

私が直感的に「この先生だ!」と感じた、小児科主任のI先生。
I先生が担当されている曜日に長男を連れて再び総合病院に向かった。
早速、I先生にこれまでの経緯と現状を話した。I先生はじっと話を聞いてくださり、時折長男にも優しく話しかけてくださった。
しかしその間ずっと、長男は目を逸らしたまま気だるい様子で座っていた。

検査

私が懸念していた頭部についてはCTを、そして同日に血液検査、尿検査が行われた。またI先生は長男の体型(肥満)から腹部CTも実施された。そしてもちろん、起立性調節障害の検査も。

起立性調節障害は、成長期に起こる自律神経の機能障害だ。
主な診断は、まず10分以上横になり、安静時の血圧・脈拍を測定する。そして立ち上がった後に再び血圧・脈拍を測定する。
起立すると血液は足の方に下がる。血圧が下がった状態になるが、本来ならばその血液を押し戻そうと血圧が上がってくるはずなので、血圧の回復時間や脈拍をそこから10分後まで測定する等によって行う。

当日すぐ判明したのは「起立性調節障害 体位性頻脈症候群(POTS)」ということだった。幸い、頭部に異常はなかった。
POTSは、起立時に血圧低下はなく、脈が速くなる頻脈とふらつき、頭痛などの症状がある。起立時の心拍数や、心拍増加の指標で診断する。
足元に下がった血液を上半身に戻したいが、自律神経がうまく作動しない。血が足りないと判断した脳は、心拍をできるだけ上げて血を巡らせようとする。結果、心臓は空打ち、脳には血が巡らず、貧血のような状態になっているから、頭痛もするし吐き気もする。

そうか・・・やっぱり調節障害だったんだ・・・第二派がくるなんて誰が予想してたんだ??
途方に暮れはしたけれど、確定診断がついてホッとした方がどちらかと言えば大きかった。

その日は、起立性調節障害用のお薬をいただいて帰宅したが、やっと自分の中で理解できたことがあった。
電車を乗り過ごして2県越えてしまったあの時、あれは寝過ごしたのではなく、ほぼ貧血で倒れた状態、意識がを失っていたのだ。
長男はそんな状態になっていたのに、なかなか診察に踏み出せなかったなんて、私は母親失格だ・・・。
(この感情は今でもゼロにはなっていない。思い出すだけで申し訳ない気持ちになってしまう・・・)

次の診察の日に、残りの検査結果を聞いた。
朝は食べてもすぐ吐いてしまい、昼には空腹でドカ食い、かつ運動もできなくなっていた長男。しかも私が仕事に出ているので家ではほぼ飲食フリー。
長男の肥満体型を気にして検査を追加されていたI先生の読みは大当たりで、血液検査と腹部CTはおよそ中学生とは思えない、このままいけば確実にメタボリックシンドロームで病気になる!というレベルになっていた。


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