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国家資格キャリアコンサルタント受験に向けての学習法 その2:論述の学習法

キャリコン受験に向けての学習法、第2回、今回は論述についてです。
論述は筆記試験ではありながら「実技」に分類されます。
内容としては、面接(カウンセリング)に関する問題に対して解答していく形です。
キャリコン試験には、このほか実技面接というのがあります。
その面接試験がたったの15分なんですよね。
通常カウンセリングの初回面談がだいたい60分くらい、と考えると、半分も進まないところで打ち切られるんです。これもこれで「辛ー」な感じです。
だって、初めて会う人と15分で話せることって限られてて、15分の中で話を大きく展開していくことは難しいですよね。
そういう面接実技の状況もあることから「15分後以降にどう話を展開させるのがキャリアコンサルタントとしてふさわしいのか」を理解できているかを判断するため、実技の補助として論述がある、そう私は考えています。

キャリアコンサルタントの受験団体は実は2つある。

論述問題は逐語録を読み進めて問題を解いていきます。
が、キャリアコンサルタント試験の実施団体は2つあります。
◆日本キャリア開発協会(JCDA)

◆キャリアコンサルティング協議会

https://www.career-shiken.org

実はこの2団体で論述の問題の傾向が全く異なります。
団体の特徴が大きく表れるのがこの論述試験です。
キャリコン受験の際に「どちらにしようか」と迷う人も多いのですが
たいていの方がこの「論述」問題が自分にしっくりくる方で受験することが多いです。
ですので、方向性を決めるためにも論述試験の勉強は早めに始めることをおすすめします。

入手できる過去問は全て解いてみる。

どちらの団体で受験するか決めるためには、どちらの団体の問題も解いてみる必要があります。
まずは各団体で過去3回分の過去問題が公開されているので、解いてみましょう。
やってみると問題の傾向も違うし、なぜか問題数も違うし、それによって書く文字数も違う(JCDAの方が解答欄の行数も多く、解く前に読まなきゃいけない逐語録の文字数も多い)ので『なんだかこれで公平な試験って言えるのかな、国家試験なのに』とか疑問を感じたりもするのですが、それはとりあえず置いといて、やってみると自分の中でどちらの団体の方が逐語録(CC協議会は面談記録)の読みやすく内容の理解しやすいかが見つかってくると思います。それを見つけるために過去問をまず解いてみましょう。

私の見解としては、論述問題の違いを一行で答えるならば
キャリアコンサルティング協議会は「今ここ」から未来へ
JCDAは「今」を知るために過去を掘り起こす
という感じでしょうか。
(あくまで私の見解です)

本当の正解はどこにも出回っていない

論述については残念ながら、各団体から解答(模範解答も)が出ていませんので、自分で書いた内容がどこまで正しいのか、実はわからないという不透明な試験です。
私の場合は養成講座で過去問と模範解答が配布されましたし、授業ではその模範解答になる経緯、考え方、また逐語録(面談記録)で見落としてはならないポイント(=実際のカウンセリングでも聞き流してはいけないよ、というポイント)などを教えていただきました。
文章の書き方として、ひとつの見解として書くものなので断定の文ではなく、「ひとつの見解として自分はこう考えた」という内容にするといいね、ということも教わりました。模範解答もそのような形式で書かれていたので、それをひとつのお手本としました。
ただ、しつこいようですが、それが本当に満点の模範解答かどうかも、団体から模範解答が出ていないのでわからないというのが正直なところです。

思考をスピーディに文章にまとめる力、それをスムーズに書く力が求められる

模範解答はあくまで模範解答で、試験では自分で問題を読み解き、それを文章にまとめ、さらにはスムーズに書く必要があります。
そのための練習方法をこれから記していきたいと思います。

1. 過去問をまずは時間を測らずに全て埋めるように解いてみる。
  論述試験は50分間しかありません。
  その中で、逐語録(面談記録)をまず読んで、その後に問題を読んでそこにふさわしい答えを文章で記入していく。
 1秒でも無駄にすると最後まで解ききれないくらい50分は短いものです。
 私が初めて論述の過去問を解いた時には、1時間半、所定の時間の約2倍かかってしまいました。
 でも最初はそんなものです。時間を気にしてると最後まで解けません。
 論述試験では、解答用紙にある行数分をきっちり埋めて答えることがまず大前提です。
 それくらいの行数を使うべき問題が出されていると思って、きっちり埋められるように練習しましょう。
 逆に行からはみ出した分は採点されないので、はみ出し禁止。
 ということはきっちり収まるような文字数で書かないといけないということです。
 これが案外、大変です。文字の大きさも練習の中で決めていく必要があります。
 なので、まずは時間は計らなくてもいいので、問題用紙をきっちり埋めていく練習をしましょう。
 普段は手書きでそんなにたくさん文字を書く習慣も無くなってきた現代です。
 書く、という行為だけでも慣らしていくのに結構時間がかかります。
 どれだけ自分が「文章を手書きする習慣」がなくなっていたかを体感できます。
 なので論述学習はお早めに始めた方がいいですよ。

2. 「逐語録」「面談記録」にマークをつける練習
 過去問の「逐語録」「面談記録」にアンダーラインを引いたり印をつけたりすることで、読みながら内容を整理していくと、記述のスピードが上がってきます。
 実際の試験ではカラーペンなど禁止なので、鉛筆1本で内容の区分けができるように自分でルールを作って見ましょう。
 例えば
 「相談者の現状(事実)」についてわかるところは直線ー
 「相談者の気持ち」についてわかるところは波線〜
 「主訴」に関連してると思われるところには星印★
 「事実」と「気持ち」の関連がわかるように矢印で繋いでおく
 などなど自分のわかりやすいマークでいいと思います。
 本試験も問題用紙には何を書き込んでも大丈夫(ただし鉛筆のみ)なので問題用紙にはどんどん書き込むのが情報を整理しやすくおすすめです。

これらをとにかく繰り返す。
同じ問題も2度3度と繰り返し解いたとしても、一度として同じ解答にはなりません。文章の書き方が格段にレベルアップしてるのが目に見えます。
そして、2回目からは時間を測りましょう。最終的に45分で解けるようになって本番を迎えれば、自分で少し安心感が持てます。
実際には本番で練習よりも時間がかってしまって見直しの時間が取れない方も多いようですが、私は本番で練習よりもスピードが上がり、見直しもできる余裕がありました。結果として本試験が今までで最も高い点数をとることができました。

自分の逐語録も論述の練習に使えます。

論述試験で大きく問われることは、どちらの団体も
◆相談者の訴えたいこと(主訴)
◆キャリコンから見た相談者の問題点
◆今後どう支援していく
というカウンセリングの基本となる点なので、そういう意味で自分のカウンセリングロープレの逐語録を使って、論述問題に沿って自分の逐語録を分解していくことも非常に勉強になります。
「ここが相談者の主訴だな」
「この質問は後の流れを考えるとあんまり相談者の気持ちに寄り添ってなかったな」
など自分の逐語録に書き出していくことで、面接のスキルアップにも論述のスキルアップにもつながります。
なので、ロープレの時は相談者役の方に録音を許可いただいて、実施後に必ず逐語録を作ることを強くお勧めします。
仲間同士でロープレ練習をしていると、意外に録音しない方が多いのです。
えーもったいない!と思うこともしばしば。
自分が実際にやったことから学ぶことがたくさんあるので、相談者役の方にご協力いただき録音することも、その後逐語録を作ることも怠らずやり続ける。
プロになってもやることは勉強中でも怠らないということが、大事な姿勢のひとつではないかと私は考えています。

出回っている模範解答はあくまで参考でしかない。

過去問の模範解答を出しているサイトも探すと結構あります。
それらを見比べるとひとつとして同じ解答はありません。
このことからも「絶対」はないということです。
養成講座で「断定言葉で文章を締めくくるより、ひとつの見方として述べているような文末の方がいいよ」と教わりましたが、ある人は「断定言葉」で模範解答を出していたりもします。断定が点数を下げるかどうかも、団体から何も出ていない限り分かりませんから、断定がよくないとも言い切れないということです。

ただし、主訴についてや、相談者への寄り添い方、などについてはどれも大きくかけ離れているものはありませんでした。
大事な点を押さえていれば、あとは文章の書き方は自由であるということ。

でも、例えば「逐語録から具体例をあげて」など問題に何らかの「条件」が入っている場合にはその条件に沿って答える必要があります。

また、基本的には逐語録で用いられている言葉を大切にすること、あえて自分の言葉に置き換えずに素直に出てきた言葉を使って解いていくことが重要です。
私も演習で、「自分で言葉をつくらず素直に」とアドバイスを受けました。
自分で言葉を作りがちな方は、面接ロープレの口頭試問でも自分の言葉で答えがちになります。それも「本当に話聞いてましたか?」と評価の分かれ道となることもありそうですから、「目の前に出ている言葉」を使えるように練習することをお勧めします。

まだまだ書いていないこともありそうな気がするので
思い出したら追記していきます。

実技(面接)についてはまた第3回でお話したいと思います。


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