【Member’s Story】日本をもう一度、尊敬される国へ。MESON代表・梶谷健人が「AR」で世界に挑む理由

こんにちは! MESONで広報&ライターを担当する小林香織です。

今回から始まった【Member’s Story】では、MESONメンバーのキャリアストーリーをインタビュー形式でご紹介します。第一回目は、MESON創業者である梶谷健人が登場。

「世界で戦える会社を作りたい」。そんな野望を持つ梶谷が、これまでどんな道を歩み、なぜARにフォーカスすることを選んだのか。これまで語られてこなかったエピソードも盛り込んで、お届けします。

〜梶谷健人プロフィール〜
東京大学卒。日本・インド・アメリカのスタートアップでサービスデザインとグロースハックに従事した後、2017年にMESONを創業。「グロースハックの教本」の著者。

起業までの5年間は、「3つのピース」を手に入れるための修行期間

—MESONを創業するまでは、どのようにキャリアを築いてきたのでしょうか?

僕のキャリア形成におけるキーワードは、「グロースハック」「サービスデザイン」「グローバルビジネス」の3つです。東京大学経済学部を卒業したあと、国内外のいくつかの企業で経験を積み、これらのスキルを手に入れました。

そもそも、なぜこの3つに絞ったかと言うと、世界で戦える会社を作るのに不可欠な要素だから。起業していた父親の影響で、小学生時代から起業願望があった僕は、その目標のためにキャリアを構築してきました。

—サンフランシスコとインドのスタートアップでの勤務経験があるそうですね。現地では、どんな仕事を担当していたんですか?

サンフランシスコでは「Tradecraft」というサービスデザインのブートキャンプのプログラムの一環として、現地のスタートアップにジョインし、サービスのリデザインを手がけました。インドでは日本のメルカリのようなサービスを運営している企業にジョインし、ここでもサービスデザインとグロースハックに取り組みました。

サービスの検証で行ったのは、現地でのゲリラユーザーテスト。ショッピングモールや公園にいる人たちに声をかけて実際にサービスを使ってもらい、生の声を集め、サービスに反映しました。

その結果、インドで扱ったサービスはユーザーの翌日継続率が2倍に、登録から10日後の既存顧客維持率が4倍にUPするという成功例を作ることができました。

前列左から2番目が梶谷

—海外での経験から得られた学びや価値観の変化はありましたか?

ポジティブとネガティブ、両面での学びがありました。前者は、どの国で仕事をしても成果が出せる感覚を獲得できたこと。環境も文化的背景も異なる異国の人々を相手に、結果を残せたことは大きな自信になりました。

一方、ネガティブな学びは、強烈な悔しさを得られたこと。アメリカで「日本から来た」と言うと、大多数の人は「無関心」か「蔑み」のどちらかの反応を示します。インターネット産業以降、日本からは世界的なスタートアップが全くと言っていいほど生まれていないからです。世界に出て初めて、こんなにも日本が低く見られているんだと知りました。

高校時代にテキサスに交換留学したときはガラケー全盛期で「日本のテクノロジーってクールだよね」と言われていたのに、たった数年でここまで変わってしまうなんて…。そのときの強い悔しさが、創業の原動力になっているんです。

自分が存在する世界と存在しない世界の“差分”を生む。MESONの創業ストーリー

—キャリアからは非常にアクティブな印象を受けます。3つのピースがそろったタイミングで、創業を決意したのですか?

起業に必要な武器を手に入れたことに加え、海外で3回死にかけたことも1つの契機になっています。一番強烈だったのが、世界一周中に訪れたブラジル。真っ昼間にナイフを持った黒人5人に囲まれて、胸元にナイフを突き付けられて、身ぐるみを剥がされるという経験をしました(笑)。

幸い命拾いしましたが、「自分も一定の確率で次の瞬間には死ぬんだ」と死を間近に感じました。それから「何のために生きているのか」を真剣に考え、「自分が存在している世界」と「存在していない世界」の正の差分を、いかに広げられるかに人生を捧げようと決めました。

「世界を驚かせるような偉業を成し遂げ、もう一度、日本を尊敬される国にしたい」

そう考えたとき、もっともインパクトがあり、夢中になれて、自分が培ってきた能力を活かせる分野がARだったんです。

—そんな経験があったんですね…!「ARはもっともインパクトがある」という言葉の真意を教えてください。

デジタル革命の視点でお話すると、人間の情報処理能力と知性を拡張していくのが、基本的なデジタル革命の流れで、ARはそれを次のステージに引き上げるものだと思っています。

突き詰めるとインプットとアウトプットの2つ。これまでのインプットはキーワードを入力するなど、何かしらの情報を与える必要がありました。その点、ARでは現実世界の情報やユーザーの行動がそのままインプットになる。例えば、ランチ時に渋谷を歩きながらカレー屋の看板をよく見ている人がいるとすると、位置や視覚の情報がインプットになり、ベストな回答を導き出せるようになります。

アウトプットに関しては、フラットに無理やり圧縮された状態から、人間が自然に処理しやすい立体形状で空間に映し出せるようになる。この2つの変化がデジタル革命の最大の波だと捉えています。

他のテクノロジーとの比較で言うと、ARはより出口に近いイメージで、現実世界とデジタル世界をつなげるパイプになり得るなと。AI、IOT、ブロックチェーン等は、現実とデジタルの対応を記述する技術であり、ユーザーが最終的に利用する出口の技術を担うのがARです。それが、先程もお話した“差分”を生むことになると考えました。

大手ファッションブランドとの協業で実現した「ARファッションショー」

—MESONがメインで行っている「AR/VR技術を使った他社との取り組み」の実例を教えてください。

大きな案件ですと、2019年の春に博報堂DYホールディングス様と協業で、ARクラウドの体験型コンテンツ「AR City in Kobe」を制作しました。神戸市の展示会でお披露目したところ、多くの方から反響をいただき、今後も博報堂様との取り組みを続けていく予定です。

また現在、大手ファッションブランド・オンワード樫山様とのコラボレーション企画「PORTAL」も進めています。これはAR技術を使って店舗内で3Dファッションショーを体験できる斬新なサービスで、8月に銀座と六本木の最大規模の商業施設で試験的に導入します。

この2つのサービスはAWEという世界最大のARカンファレンスのアワードで、SnapchatやMagicLeapなどと並んでソフトウェア領域では日本で初めてファイナリストに選ばれています。

—3Dファッションショーについて、こだわったポイントはどこですか?

ファッションサービスということで、クリエイティブに注力しました。一番のこだわりは、ファッションデザイナーやアーティストとしても活躍するKEITA OSADAさんに、アートディレクターとして入っていただいたこと。

OSADAさんは2013年に放映された、きゃりーぱみゅぱみゅさんが出演するauのCMのクリエイティブディレクターを担当された方で、これは僕が一番好きなCMなんです。スマホと連携して増上寺をプロジェクションマッピングで彩るっていう。当時、ものすごく興奮したことを覚えています。

その他にも、サウンドデザイナーに入ってもらいBGMや効果音をすべてオリジナルで作るなど、通常のサービスではあまり見ない越境的かつ、豪華な人材と手を組んだことで、他と差別化されたAR体験になったと思います。

—私は実際に体験しましたが、現実空間に3Dのモデルさんが出現する様子は近未来感があり、不思議な感覚に陥りました。

小売全体のトレンドとして、店舗はモノを買う場所じゃなくなっているんです。顧客が店舗に行く目的は、いかにブランドと深く関わるか。その流れを汲んで、今回の体験サービスが生まれました。

店舗がランウェイになり、目の前に憧れのモデルが現れる現実離れした空間を、ぜひ1人でも多くの方に体感していただきたいですね。

「死なない戦略」と「UXの知見」を武器に、世界を見据える

—もう少しMESONについて教えてください。自社ならではの強みといえば?

主に2つあり、1つは「死なないための戦略」が明確にあること。まだ市場ができあがっていないAR領域で戦うには、とにかく会社を存続させることが大事になります。ARグラス等のデバイス、5G、ARクラウドという技術インフラがどう出そろってくるかが未確定な状況で、死なずに勝負し続けられるのは、最大の強みだと思っています。

じゃあ、その戦略が何かと言うと、さまざまなパートナー企業と組んでサービスを作りながら収益をあげるキャッシュエンジンを構築できていること。自社のARサービスの開発も進めていますが、戦略的に他社との協業をメインにしています。

もう1つは、ARにおけるUXのノウハウを早期に蓄積していること。これは、いざAR市場が立ち上がったときに、圧倒的な競争優位性になると確信しています。

—投資を受ける予定はありますか?

現段階では考えていません。投資を受けると、投資家のタイムスパンと思考性に左右されてしまうので。自社サービスが形になり、あとはグローバルでスケールするだけというタイミングで、うまく投資を活用していきたいですね。

—現在、メンバーは9名とのことですが、カルチャーはできつつあるのでしょうか?

先日、ちょうどMESONのカルチャーについてブレストしたんです。MESONの良いところをお題にしたところ、失敗を怒らない、常に笑顔、ストイック、ディティールにこだわる、未来志向、イエス・アンドの雰囲気など、相当数の意見が出ました。「MESONっぽいよね」っていうカルチャーが育ちつつあるなと感じています。

スタートアップが絶対に成功する方法は存在しませんが、一つ挙げるとすれば、強くて良いカルチャーがあることだと思うんです。強固なチームを作るために、カルチャーデザインには意識的に時間を割いていますね。

—採用活動中とのことで、求める人物像についても教えてください。

自ら自分の領域を広げられる人が理想です。ARは五感のデザインであり、マルチスキルが求められます。仲間になっていただく方には、現状に満足せず積極的にスキルセットを広げてほしいと考えています。

もちろん、経験値の少ない若手の方にはスキルUPのための方向性を提示しますので、熱意とハングリー精神、素直に学ぶ姿勢を持って来ていただきたいですね。

—最後に、今後の展望をお願いします。

短期的には、他社との協業事業をさらに加速させ、プロトタイプやサービスの開発を進めていきたいです。

中長期的には、自社サービスの開発にコミットしていきたい。ARグラス、5G、ARクラウド、AIの4つの軸は押さえつつ、to Cでグローバルに展開できるサービスを作ろうと意気込んでいます。

*MESONでは、ARにおけるサービスデザインとUXの解を追求していきたいメンバーを募集中です。魅力を感じていただけたら、以下MESON公式サイトよりご連絡ください!

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