そして伝説へ…

【そして伝説へ…】

この文字の並びを見ただけでも心が震える。そんな言葉ってそんなに出会わないと思う。そして伝説へ…この言葉を、音楽を生み出したすぎやまこういちさんが、とうとう旅立たれてしまった。

ドラクエと共に過ごしたと言っても過言ではない私の子ども時代。ゲーム好きな父のおかげで、我が家にはファミコンからディスク、スーファミ、プレステなどの本体を、全て発売日にゲットしていた。大人気過ぎて当時社会現象にもなったドラクエⅢも、初日に難なく手に入れたドラクエを愛するツワモノ一家だ。Ⅰ~Ⅵまでは完全クリア。当たり前のようにⅦに挑むも、ここで社会人の壁にぶちあたる。平日はくたくたで、休みにはなんしか寝ていたいため、時間が取れない。泣く泣く自力クリアを諦めたのである。(仕事しながらゲームクリアしてきた父はすごいとこの時心の底から思った)。そんな父は見事にクリア。おかげでラストまでは見届けられたという。Ⅷ以降、接する機会も激減したものの、ロト3部作&天空シリーズ3部作で十分過ぎる、すぎやまこういちさんの音楽を降り注いでもらってきた。耳コピで音を取り、何度もピアノで弾いた。王宮のテーマ、ラーミア、序曲、トルネコ、祠、戦闘のテーマ、ゾーマとの闘い、そして伝説へ…。など、ほんとに名曲しかないと思う。

今年の五輪開会式でいきなり「序曲:ロトのテーマ」が流れた時はもう、全身鳥肌立った。それだけで私の中で、もう五輪は成功だった(まったくもって無関係者ですが💦)

こんなにデジタル化が進んだ世の中でも、私はあの頃の主人公が横向きに歩く姿が好きだし、4人以上並ぶとチカチカ点滅する様も好きだし、ふっかつの呪文間違えて最初からやり直す羽目になったことも、カセット差し込み方が悪かった時に過る「やばいぞこれ感」→案の定データが消え、それがロンダルキア直前の父のデータだったことも、全部全部大切で色褪せない思い出だ。そこにはなんといっても今より格段に少ない音の数で(確か3つじゃなかったかな?)作られた音楽のはずなのに、強烈に耳に残るすぎやまこういちさんの音楽があった。

当時まだクラリネットに出会っておらず、オーケストラ自体が初体験だったわたしがお小遣いで買ったオケ版ドラクエⅢのCD。最初の弦楽器のユニゾンがとても豪華で、やっぱり名曲やん!!って思ったのは今でも覚えてる。

なので、昨日はそれを聴いた。聴き倒した。脳内再生はほぼ毎日してたけど(歩いてるときには何らかの音楽がBGM)、久しぶりにCDを聴いた。

ホンモノは色あせない。むしろ、時間の経過と共にどんどん良くなっている気すらする。何回聴いたかわからないくらい、リピートできる曲。

因みに父は競馬も好き。中山競馬場のG1ファンファーレが鳴り響く時、知らず知らずのうちにすぎやまこういちさんの音楽に触れていたんだな…。てことは、我が家はすぎやまこういちさんの音楽と共に時間を重ねてきたんだなと、今更ながら思う。

すぎやまこういちさん。素晴らしい名曲の数々を生み出してくださり、本当にありがとうございました。たくさんの幸せな時間をありがとうございました。