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integrity と太陽の話

2019年2月14日のツイートまとめ。当番のフォロイー複数が「integrity って日本語にどう訳したらいいだろう」「なぜ integrity を『品位』『品格』と訳す例があるのか」という話をしていた→「そういえばどう訳したらいいか当番もわからんな」と思ってまず integrity を辞書で引いた→「日本語にどう訳していいかはわからないが、西洋占星術語に訳したら何になるかは見当がついたぞ」という経緯。

インテグレーター integrator まとめあげる者

integrate まとめあげる

integral calculus 積分法(differential calculus 微分法)

integration まとめあげる行為、積分する行為

integrity まとめあがっている性質、統合性、整合性、高潔さ、品位ある様

バラバラなものをどうまとめあげるか?

ホロスコープに散らばっている星たちのバラバラで時に矛盾する天体たちを integrate 積みあげまとめあげるものは何か?誰が好き勝手な方を向いて走りたがる犬橇チームみたいな星たちをまとめあげるマッシャー(犬橇の御者)となる?両肩に月をのせた太陽(※)。西洋占星術で言ったら integrity とは太陽だ。

(※2023年註。「両肩に月をのせた太陽」はタロット「戦車」の御者イメージ)

タロットだったら、 integrity とは?と訊かれたとき差し出す大アルカナはこのあたりか。integrity にもレベルがあるよね。いちばんは「世界」だろうけど、まず自分の「手のうち」を整理する「魔術師」、自分の矛盾を御する「戦車」、裸で人馬一体の「太陽」も「世界」という大きな統合へ向かう途上にある。

integrity を言葉で細かく刻んで刻んでああでもないこうでもないするのではなく、ポンと象徴ひとつ置いておく、ということができるのが西洋占星術やタロットのいいところ。言葉で細かく刻むのは悪いことではないんだよ。必要なこともあるし、必要な場面は多い。でも象徴ポンの方が「速い」こともある。

Speak in French when you can't think of the English for a thing. 何かについて英語で何と言うか思いつかなかったらフランス語で話しなさいって「鏡の国のアリス」で赤の女王が言ってた。ならば日本語で何と言うか思いつかなかったら英英辞典を引くべきねってことで integrity を英英で検索してる。

動詞 to integrate とは to render something whole とある。レンダリングの render だなと思ってついでに日本語でレンダリングを引く。データ記述言語やデータ構造で記述された抽象的で高次の情報からコンピュータのプログラムを用いて画像や音声等を生成すること。

to render something whole は何かをまるごとのかたちで生成する、あるいは何かを生成してまるごとのかたちにすることか。integrity はそのrender (生成)されてきたものの「まるごととしての整いっぷり、まとまりっぷりの度合い」だな。その度合いは render されてきたものから推し量ることができる。

integrity って「あるなし」で語るものではなく「高い低い」で語るもののように思うな、辞書的定義からすると。「integrity のある人/ない人」ではなくて「integrity が高い人(まとまりっぷりのいい人)」。「integrity のない人」ではなくて「integrity の低い人(支離滅裂な人)」。

【2024年追記】
「何かの言葉の意味するところがわからなかったら『その対義語』や『それがない状態』とは何か?」から考える、ということを当番はよくやる。

「『integrity がある/高い人』ってどんな人?」はひと言で言い表せないけれど「『integrity がない/低い人』はどんな人?」をひと言で言い表すことばなら想像はつく。「支離滅裂」だ。もう少し言い足すならば「一貫性がなくて、その場しのぎで世渡りをしていく人」だ。「『integrity がない/低い」』が『支離滅裂』だとして、ならば『支離滅裂』の対義語って何だ?」と探す。

「『支離滅裂』の対義語」がパッと出てこないならば「支離滅裂 対義語」で検索する。「支離滅裂」の対義語、何だったと思う?

「理路整然」だって、「支離滅裂」の対義語。言われてみればそのとおりだった。


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